サッカー日本代表のオランダ戦でスペインの名伯楽が鎌田大地を絶賛 「世界的にもトップレベルのMFだ」

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サッカー日本代表のオランダ戦でスペインの名伯楽が鎌田大地を絶賛 「世界的にもトップレベルのMFだ」

6月19日(金) 9:40

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北中米ワールドカップ、森保一監督が率いる日本代表はオランダ代表と2-2で引き分けている。難しい初戦で第1ポッドの強豪に引き分けたのだから、上々の結果と言えるだろう。それも終盤の同点劇で、勝利したような騒ぎになるのは人情だ。

しかし客観的に見て、この一戦はどう映ったのか?

「オランダ戦は、森保監督を筆頭にひとつのグループになってプレーする準備をしてきたことが伝わってきた。日本は攻撃面で相手の奥深くまで入って、得点への選択肢を作っていた。ボール支配率では劣っても、その点ではオランダを確実に上回っていたほどだ」

スペインの名伯楽、ミケル・エチャリはオランダ戦を振り返って、そう語っている。

ミケル・エチャリが高く評価したオランダ戦の鎌田大地 photo by JMPA

ミケル・エチャリが高く評価したオランダ戦の鎌田大地 photo by JMPA



エチャリは、レアル・ソシエダのスポーツダイレクターやBチーム監督などさまざまな職務を20年近く歴任してきた。バスク代表監督をハビエル・イルレタ(元デポルティーボ・ラ・コルーニャ監督)と共同で10年以上も務め、「バスクサッカーの父」と言われる。監督養成学校の校長も務め、ウナイ・エメリ(アストン・ヴィラ監督)、フアン・マヌエル・リージョ(元ヴィッセル神戸監督)、シャビ・アロンソ(チェルシー監督)、ミケル・アルテタ(アーセナル監督)など多くの監督に影響を与えてきた。その言葉は重い。

そのエチャリはweb Sportivaのご意見番として、2009年から日本代表も見つめてきた。2010年南アフリカワールドカップではアンカーの採用を推奨。2014年ブラジルワールドカップでは「攻撃に手数をかけ過ぎている」と警鐘を鳴らし、どちらも結果を的中させた。2018年ロシアワールドカップでは「長谷部誠を中心にバランスが取れている」と躍進を予想し、2022年カタールワールドカップでも森保ジャパンがベスト16に勝ち進むことを確信していた。

今回、エチャリは森保ジャパンに何を感じたのか?

【「失点シーン以外は悪くなかった」】「日本は3-4-2-1でオランダに挑んでいる。ワールドカップ最終予選から使ってきたシステムだけに、うまく運用できていた」

エチャリはそう言って、システム運用のカギとなったものをこう説明している。

「ひと言で言えば『Coraje(勇敢さ、勇気)』だろう。日本の選手たちは、オランダの選手を少しも恐れていなかった。これは簡単なようで、簡単ではない。率直に言って、オランダは日本よりも国際大会で結果を残してきた相手であり、有力選手も少なくないだろう。そこで日本は2度にわたってリードされながら、2度も追いついた。最後まで勇気を振り絞って戦い続けることができたからだ」

エチャリは「2点はどちらもすばらしかった」とゴールシーンを称賛しながら、端的に回路を解明している。

「中村敬斗の同点弾は、久保建英とのコンビネーションで生まれている。それぞれがお互いを生かし合っていた。久保はゴールラインに近いところまで入り込んでスペースと時間を作っているし、中村もいいポジションを取って、よく右足を振った。

もっとも、私がオランダの関係者だったら、厳しくマーキングのミスを指摘していただろう。本来、オランダのセンターバックは強固である。しかし久保の侵入に簡単に混乱してしまい、3人もの選手がそこに集まっていた。そして(右サイドバックのデンゼル・)ダンフリースは完全にマークを見失い、慌てて中村に近寄る形で、股を抜かれて失点している」

エチャリの指摘は簡潔で明快だった。

一方、2失点を喫したディフェンスはどう映ったのか?

「日本は2失点したが、それ以外は悪くなかった。ボールは回されていたが、崩される場面は少なく、うまくいっていた。もちろん、1失点目はクロスに対し、マーカー(渡辺剛)が相手のシューター(フィルジル・ファン・ダイク)に出し抜かれてしまい、エリア内でフリーのヘディングをさせているわけで、それ自体がミスだと言える。また、2失点目は、瞬間的に中村が1対2の状況を作られてしまったことも、チームとしてのミスだろう。ただ、完璧なディフェンスというのも難しい」

【どこで何をやればいいかを心得ている】エチャリはそう言って、日本の攻守を高く評価していた。なかでも絶賛したのは左ボランチに入った鎌田大地だった。ちなみにエチャリはカタールワールドカップの前から、鎌田の適性ポジションを"予見"していた。

「これまでも語ってきたように、鎌田は今日のサッカー界ではなかなか巡り会えない選手と言える。世界的に見てもトップレベルのMFだ」

エチャリはそう称賛し、こう語っている。ラ・レアル時代、シャビ・アロンソを司令塔として見出した経歴は飾りではない。

「鎌田はとにかくプレービジョンに優れているし、どこで何をやればいいのかを心得ている。単にキックがうまい、足が速いという選手はどこにでもいる。しかし、時間や空間を把握し、タイミングをわかっている選手というのは少ない。たとえ劣勢でも、彼はやるべきことができる。たとえば、上田綺世の走り出しに合わせたスルーパスなどは、一瞬で状況を変えており、秀逸だった」

森保ジャパンが戦力に恵まれ、いい滑り出しをしたことは間違いなさそうだ。

「残念ながら、日本は高さの勝負ではどうしても劣勢になるところはあった。はっきり言って、そこには少なからず不安を抱えている。アジアカップなどをスカウティングしたときもそうだったが、ハイボールに対しては改善の余地があるだろう」

エチャリはそう弱点を指摘する一方で、ポジティブな面を語る形で締めくくっている。

「終盤の2点目では、コーナーキックから途中出場の小川航基が空中戦で競り勝ってやり返していた(シュートコースに入った鎌田の頭に当たり、彼のゴールになったが)。小川はオランダのゾーンディフェンスの隙を突く形でいいポジションを取って、おそらくチームとしてデザインしたものだろうが、フリーで強烈にボールを飛ばしている。やられたらやり返す。その勇敢さが出た象徴的なシーンだったと言えるだろう」

次のチュニジア戦も、勇敢さはひとつのキーワードになるかもしれない。

Profile

ミケル・エチャリ

1946年生まれ。サン・セバスティアン出身のスペイン人指導者。選手としては膝のケガにより27歳で引退し、その後は指導者に転身した。レアル・ソシエダでは20年以上にわたり強化ディレクター、育成ディレクター、セカンドチーム監督などを歴任。ホセバ・エチェベリア、ハビエル・デ・ペドロ、シャビ・アロンソなど多くの選手に影響を与えた。エイバルでは監督を務め、バスク代表監督(FIFA非公認だが、バスク最高の指導者に与えられる栄誉職)も10年以上務めた。また、指導者養成学校の教授も務め、教え子にウナイ・エメリ、ミケル・アルテタ、フアン・マヌエル・リージョらがいる。





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