「君の名前で僕を呼んで」などで知られる俳優のアーミー・ハマーが、一連のスキャンダルで第一線から退いて以来、約5年ぶりとなる本格的なインタビューに応じ、再起への思いを語った。米ハリウッド・リポーターとの取材で、ハマーは自らの転落について「問題を作ったのは自分自身だ」と振り返っている。
ハマーはかつて、ハリウッドの将来を担う若手の一人と目されていた。2010年の「ソーシャル・ネットワーク」では、フェイスブックの創設をめぐって争う双子の実業家を一人二役で演じて注目を集めた。2013年にはジョニー・デップと組んだディズニーの大作「ローン・レンジャー」で主役の仮面のヒーローを務め、ティモシー・シャラメと共演した2017年の「君の名前で僕を呼んで」では高い評価を得るなど、着実に地歩を固めていた。
だが、2021年に状況は一変した。複数の女性が、ハマーから性的・精神的な虐待を受けたと告発したのだ。性的な暴力をほのめかす過激な私的メッセージが流出したとも報じられ、騒動は一気に広がった。出演を予定していた作品からは次々と外れ、所属事務所も契約を解消した。順調だったキャリアは、突然止まってしまった。
その後、ロサンゼルス市警が捜査に乗り出したが、2023年、検察は彼を起訴しない判断を下した。ハマー自身も、一連の疑惑を否定している。それでもハマーは、被害者を装うことはしない。「人が言っているようなことを、私はしていない。ただ、危険で不安定な人たちを自分の人生に引き入れてしまった」と、今回の取材で語っている。
失墜してからの約5年間、ハマーに仕事の依頼はほとんど来なかった。友人の家を転々とし、使い捨ての携帯電話で日々をしのいだ時期もあったという。転機になったのは、病に倒れた父親の介護だった。みずから世話をし、最期をみとった経験が、生き方を見つめ直すきっかけになったと明かす。いまは2人の子どもとの暮らしを中心に、瞑想を日課とする静かな日々を送っているという。
俳優としての再始動は、約1年半前に舞い込んだ1本のオファーから始まった。以来、低予算の作品に出演を重ねている。かつてのように事務所やマネージャーが付いているわけではなく、いまは1人の弁護士だけが彼の仕事を支えている。
すべてをなかったことにしたいかと問われると、ハマーは「正直に言えば、そうは思わない」と答えたという。あのころの自分の心の状態を、よく覚えているからだ。
「心が健全な人間は、あんな振る舞いはしないものだ」
そして今回ハマーが久しぶりに本格的な取材に応じたのも、失墜後初めて主演を務めた復帰作「シチズン・ビジランテ(原題)」の公開を控えてのことだった。同作は6月19日から米国で配信される。日本での配信は、まだ決まっていない。
【作品情報】
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君の名前で僕を呼んで
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Photo by Todd Williamson/E! Entertainment/NBCU Photo Bank via Getty Images