続々と最終回を迎えているゴールデン・プライム帯春ドラマ。毎期ドラマをくまなくチェックしている筆者の視点で、特に演技やキャラが輝いていた今期の俳優ベスト5を挙げさせていただきます(※一部、ネタバレを含みます)。
染谷将太との関係もエモい『田鎖ブラザーズ』岡田将生
1位は『田鎖ブラザーズ』(TBS系)主演の岡田将生さん。両親殺害事件の時効を迎えた兄弟が自ら真相を追うサスペンスにおいて、ものぐさな兄である刑事・田鎖真を演じました。
岡田さん自身の清廉なイメージに対し、真は等身大の30代男性としてのくたびれた感やだらしなさという人間味がある。それが逆に異様な色気として醸し出され、ファンにはたまらない化学反応を起こしています。
それでいて、時に執念深く暴走するその姿は、「美しい岡田将生」ではなく「泥臭い岡田将生」を待ち望んでいた視聴者の心を鷲掴みにしました。
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メインテーマは「兄弟の絆」ですが、優秀で寡黙な弟役の染谷将太さんに岡田さんが自らメールで熱烈オファーしたこともそのエモさを裏付けています。
真は弟に対し、時に家政婦のように、時に親友のように、雑に扱っているようで愛情に満ちていた。自らの手で真相に近づくほど、兄弟にとって知りたくないことも事実として突きつけられ、兄として弟に伝えたくないという葛藤も痛切に描いていました。
史上最強の可愛さ!『時すでにおスシ!?』松山ケンイチ
2位は『時すでにおスシ!?』(TBS系)の松山ケンイチさん。子育てを終えた永作博美さん演じる主人公が、自分の存在意義を見つけるため入学した「鮨アカデミー」の講師・大江戸海弥を演じました。
昨今の松山さんは、前期日曜劇場『リブート』(TBS系)でのパティシエとしての手さばき、『テミスの不確かな法廷』(NHK総合)でのASD・ADHDの裁判官としての所作など、その職業や性質に入り込む凄さが毎度話題になっています。
今作では、コミカルな表情や動きが「永作博美に負けず劣らずひたすら可愛い」と視聴者も絶賛。これは堅物の寿司職人に見えるまでの鍛錬があってこそ生み出せた「ギャップ」でしょう。
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特別大きな事件は起きない中でも、今作は40代以下のコア視聴率も高く、同世代の共感を集めました。映画『デスノート』のL役から一世を風靡して20年。大河ドラマ主演も経て、今、“史上最高の可愛さ”を携えた松山さんは、再び最盛期に突入しています。
もはや職人芸の域『リボーン 〜最後のヒーロー〜』高橋一生
3位は『リボーン 〜最後のヒーロー〜』(テレビ朝日系)主演の高橋一生さん。IT社長・根尾光誠と借金を抱えた商店街の青年・野本英人という真逆の1人2役を難なくこなす様は、もはや職人芸の域です。
冷徹無比だった根尾は、転生した英人として、周囲との触れ合いを通じ血の通った青年へと変貌を遂げてきました。一方で、英人は入れ違いで転生した根尾になりきることで、仕事では成功してもAIしか話し相手がいない孤独な人生を歩んでいた。「環境によって人間は簡単に変わってしまう」という残酷な事実に、声色一つで確かな説得力を持たせていました。
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特に物語終盤では、高橋さんの繊細すぎる“人格の書き換え”により、英人の中に根尾でも英人でもない「第三の人格」が降臨。高橋さんが傲慢さ、後悔、希望を丁寧に積み重ねたことで、この物語を単なるファンタジーではないヒューマンドラマへと昇華させました。
現代の“リーダー像”を体現『サバ缶、宇宙へ行く』北村匠海
4位は月9『サバ缶、宇宙へ行く』(フジテレビ系)主演の北村匠海さん。満を持しての初の教師・朝野峻一役で、生徒、町全体を一つにして、サバ缶を宇宙食にするため奮闘しました。
12年かけたプロジェクトという実話を元にしているため、学園モノでありながら3年ごとに生徒が卒業し入れ替わってしまう。その分、朝野が旗手役となり牽引するのかと思いきや、彼は決して生徒を引っ張り回しません。
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朝野として、「宇宙を目指す」という非日常の中でも静かな体温と観察者としての繊細さを崩さない姿勢が印象的だった北村さん。彼特有の柔らかさと頼りなさが、かえって生徒たちの自主性を引き出すという、押し付けがましくない現代の“伴走型”のリーダーシップを体現しています。
“瀧昌様”から金髪に一転!『GIFT』本田響矢
5位は日曜劇場『GIFT』(TBS系)の本田響矢さん。チャラめの金髪でヤンキー気質ながら、恋にも車いすラグビーにも果敢に挑む朝谷圭二郎を演じました。
本田さんは昨年『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ系)で帝国海軍中尉の硬派な夫・江端瀧昌役でブレイク。端正な顔立ちと凛とした佇まいで「問題ありません」のキラーフレーズも話題になりました。その変貌ぶりにネット上では「瀧昌さまから本田響矢を知った人、ギフト見たら腰抜かすだろ」「瀧昌様から心熱きヤンキーまでできるの強いよ〜」「俳優ってすごい」など驚きの声が挙がっています。
圭二郎は瀧昌よりずっとやんちゃで無鉄砲な熱さを持っていますが、役どころの大きな振れ幅にも柔軟に対応し、どちらが本当の本田さんなのか分からなくなるほど。また、過去のトラウマから攻撃的で反抗心を持っていた時期から、チームのために動くプレイヤーとしての変遷も、目線や細かい表情で表現していました。
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今年秋には『波うららかに、めおと日和』の続編が決まっている本田さんですが、「正統派イケメン」の枠に収まらない無限の可能性を見せつけてくれました。
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かつてのドラマ界を席巻した“強靭なヒーロー”は、もはや現代の空気感には馴染みません。今回のトップ5に共通しているのは、完璧であることよりも人間臭い魅力を尊ぶ現代の空気感にマッチしていたということでしょう。
<文/こじらぶ>
【こじらぶ】
ライター・コラムニスト。上智大学大学院外国語学研究科修了・言語学修士。ドラマ、男性&女性アイドル、スポーツ、エンタメ全般から時事ネタまで。俳優、アイドルなどのインタビューも。X: @kojirabu0419
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