マイケル・ジャクソンの人生を描き、世界中でメガヒットを記録している伝記映画「Michael マイケル」(アントワン・フークア監督)がついに日本でも封切られ、絶好のスタートを切っている。そこで近年、ヒット作が連発するジャンルとして、熱い注目を浴びるミュージシャンの伝記映画を25本ご紹介。伝説のスターが歩んだ栄光、挫折、復活――波乱万丈の人生に、ぜひ触れてほしい。
●1.「スプリングスティーン孤独のハイウェイ」
1982年。キャリアの岐路に立ち、孤独と葛藤に揺れるブルース・スプリングスティーンは、ロックスターとしての喧騒を離れ、4トラックのレコーダー1台と、曲になりかけた断片だけを携え、たどり着いた“どこでもない場所”で静かに魂を刻み始めた。伝説の名盤「ネブラスカ」創作の舞台裏とは?
ディズニープラスで配信中の「一流シェフのファミリーレストラン」で、ゴールデングローブ賞テレビ部門主演男優賞(ミュージカル・コメディ部門)を3年連続受賞したジェレミー・アレン・ホワイトが、若き日のスプリングスティーンを演じ、歌唱とギター演奏もこなした。ディズニープラスで配信中。
●2.「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」
1960年代初頭、ニューヨークの音楽シーンを舞台に、当時19歳だったミネソタ出身の無名ミュージシャン、ボブ・ディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こす。
ティモシー・シャラメが、20世紀最大の詩人にしてパフォーマーであり、いまなお現役ミュージシャンとして舞台に立ち続ける“生きる伝説”ディランを演じた。全身全霊で、若き日のディランを完全再現し、ビジュアルを近付けるだけではなく、全ての歌唱シーンを自身の声で歌い上げ、第97回アカデミー賞で主演男優賞にノミネートされた。ディズニープラスで配信中。
●3.「ボヘミアン・ラプソディ」
世界的人気ロックバンド「クイーン」のボーカルで、1991年に45歳の若さで亡くなったフレディ・マーキュリーを描いた伝記ドラマ。数々の名曲誕生の瞬間や、20世紀最大のチャリティコンサート「ライブ・エイド」での圧巻のパフォーマンスといった音楽史に残る伝説の数々を再現した。
監督の降板など、完成の道のりは波乱万丈だったが、映画は世界中のファンに受け入れられ、日本でも2018年公開映画でトップとなる興行収入130億円を突破。第91回アカデミー賞では、ラミ・マレックが主演男優賞に輝き、編集賞、音響編集賞、音響賞の計4部門を受賞。プロデューサーのグラハム・キングは、「Michael マイケル」の製作も手がけている。ディズニープラスで配信中。
●4.「ウォーク・ザ・ライン 君につづく道」
伝説的カントリー歌手、ジョニー・キャッシュの波乱に満ちた人生を、彼の2 人目の妻となった歌手ジューン・カーターとの関係を軸に描いた伝記ドラマ。主演を務めたホアキン・フェニックスは、ジョニーの特徴であるバリトンに近づくため、撮影が始まる半年前からボイストレーニングを開始。当初は苦戦したというが、最終的には深みある歌声をマスターし、バックバンドも原曲と同じキーで演奏した。
ジューン役のリース・ウィザースプーンも劇中歌を自ら歌い、第78回アカデミー賞で主演女優賞を受賞した。監督は「名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN」のジェームズ・マンゴールド。ディズニープラスで配信中。
●5.「エルヴィス」
「キング・オブ・ロックンロール」と称されるエルビス・プレスリーの人生を、バズ・ラーマン監督のメガホンで映画化。オースティン・バトラー(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」「デューン砂の惑星 PART2」)が主演を務めた。なお、1994年にマイケル・ジャクソンと、プレスリーの娘であるリサ・マリー・プレスリーが結婚し、96年に離婚している。
●6.「ファレル・ウィリアムスピース・バイ・ピース」
世界的ポップアイコン、ファレル・ウィリアムスの半生を全編レゴアニメーションで表現した伝記映画。1970年代にバージニアビーチで生まれた孤独な音楽少年が、一歩ずつ前進しながら世界的ヒットメーカーになるまでの軌跡をカラフルに描きだす。アカデミー長編ドキュメンタリー賞受賞作「バックコーラスの歌姫たち」のモーガン・ネビルが監督・脚本を手がけた。
●7.「Back to Black エイミーのすべて」
27歳の若さで急逝したイギリスの歌手エイミー・ワインハウスの半生を映画化。活動初期から世界的スターとなるまでにスポットを当て、波乱に満ちた愛と喪失の物語を描く。エイミー役はマリサ・アベラ。若き日のジョン・レノンと彼の2人の母親の交流を描いた青春ドラマ「ノーウェアボーイひとりぼっちのあいつ」のサム・テイラー=ウッドが監督を務めた。
●8.「ボブ・マーリー ONE LOVE」
全世界でアルバムを7500万枚以上売り上げ、グラミー賞の特別功労賞生涯業績賞受賞、国連平和勲章受賞など数々の偉業を達成した、ジャマイカが生んだ伝説のレゲエミュージシャン、ボブ・マーリーの波乱万丈な人生を映画化。母国の情勢不安や病魔、暗殺未遂事件など、苦難の連続でも前を向き、彼にしか生み出せない音楽を奏で続けてきた生涯が綴られていく。
●9.「ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY」
美しく力強い歌声で世界を魅了し、出演映画「ボディガード(1992)」の主題歌「オールウェイズ・ラブ・ユー」でも知られるアメリカの人気歌手、ホイットニー・ヒューストンの栄光と苦悩をドラマチックに描いた伝記映画。主演はナオミ・アッキー(「スター・ウォーズスカイウォーカーの夜明け」)。「ボヘミアン・ラプソディ」のアンソニー・マッカーテンが脚本を担当している。
●10.「ドリームガールズ」
トニー賞6部門に輝いた名作ブロードウェイミュージカルを、「シカゴ」の脚本家ビル・コンドンが監督・脚本を手がけ映画化。1960~70年代に活躍した伝説のR&Bグループ「ザ・スプリームス」をモデルに、女性3人組グループの栄光と挫折を描く。本作が映画デビューのジェニファー・ハドソンが圧倒的な歌唱力と熱演を披露し、第79回アカデミー賞で助演女優賞を受賞した。
●11.「リスペクト」
「ドリームガールズ」でアカデミー助演女優賞を受賞し、歌手としても第51回グラミー賞を受賞したジェニファー・ハドソンが、ソウルの女王アレサ・フランクリンを演じた伝記ドラマ。少女の頃から、その抜群の歌唱力で天才と称されたアレサは、ショービズ界でスターとしての成功を収めた。しかし、彼女の成功の裏には、尊敬する父、愛する夫からの束縛や裏切りがあった。
●12.「ロケットマン」
グラミー賞を5度受賞したイギリス出身の世界的ミュージシャン、エルトン・ジョンの自伝的映画。類まれな音楽の才能で、またたく間に世界的人気を獲得したミュージシャンの栄光と、その半生に隠された困難や苦悩をドラマチックに描き出す。ノンクレジットながら、大ヒット作「ボヘミアン・ラプソディ」の監督を代行したデクスター・フレッチャーがメガホンをとった。
●13.「ブルーに生まれついて」
1950年代のジャズ界で活躍したトランペット奏者で、ボーカリストとしても活躍したチェット・ベイカーの半生を描く。麻薬に溺れ、どん底の日々を送るベイカーは、ある女性との出会いを機に、再生の道へと踏み出していく。主演のイーサン・ホークが、トランペットの集中トレーニングを受け、劇中では代表曲「マイ・ファニー・バレンタイン」など歌声も披露している。
●14.「ジェームス・ブラウン最高の魂(ソウル)を持つ男」
伝説のソウルミュージシャンで、生前のマイケル・ジャクソンにも大きな影響を与えたジェームス・ブラウンの伝記映画。10代で窃盗により刑務所へ入ったジェームスは慰安に来たゴスペルグループのボビー・バードと運命的な出会いを果たす。主演は「ブラックパンサー」のチャドウィック・ボーズマン。「ザ・ローリング・ストーンズ」のミック・ジャガーが製作を手がけた。
●15.「JIMI:栄光への軌跡」
天才ギタリスト、ジミ・ヘンドリックスがスターダムに駆けあがるまでの2年間を描いた伝記ドラマ。「それでも夜は明ける」でアカデミー賞を受賞した脚本家ジョン・リドリーが監督・脚本を手がけた。ヒップホップデュオ「アウトキャスト」のメンバーであるアンドレ・ベンジャミンが、600時間に及ぶ猛特訓の末に左手でのギター演奏をマスターし、ヘンドリックス役を演じた。
●16.「ラブ&マーシー終わらないメロディー」
昨年亡くなった「ザ・ビーチ・ボーイズ」の中心メンバー、ブライアン・ウィルソンが歩んだ栄光と苦悩の半生を描いた伝記映画で、ブライアン本人公認のもと製作された。当時のリーダーで、代表曲「サーフィン・U.S.A.」をはじめ、数々の名曲を生み出したブライアンは、新たなサウンドを模索するが、新作へのプレッシャーからアルコールとドラッグに依存してしまう。
●17.「グッバイ・アンド・ハロー父からの贈りもの」
1997年、将来を期待されながらも30歳の若さでこの世を去ったアメリカのシンガーソングライター、ジェフ・バックリィの軌跡を描いた伝記ドラマ。91年、無名のミュージシャンだった24歳の青年ジェフは、実父で伝説的ミュージシャン、ティム・バックリィの追悼コンサートに出演。ほとんど面識のない父への複雑な思いを抱えながらも、その美声で世界を魅了する。
●18.「ジャージー・ボーイズ」
名匠クリント・イーストウッド監督が、1960年代に世界的な人気を誇った伝説の米ポップスグループ「ザ・フォー・シーズンズ」と、そのリードボーカルを務めたフランキー・バリの代表曲として知られる「君の瞳に恋してる」の誕生秘話を描いたドラマ。2006年トニー賞でミュージカル作品賞を含む4部門を受賞した、人気ブロードウェイミュージカルを映画化した。
●19.「コントロール」
絶望的な歌詞や独創的な曲調で70年代末のUKロック・シーンに衝撃を与えたポスト・パンクバンド「ジョイ・ディヴィジョン」。そのボーカリストとして絶頂期にありながら、23歳という若さで自ら命を絶ったイアン・カーティスの半生を、U2やデペッシュ・モードなど、多くのミュージシャンを撮り続けてきた写真家アントン・コービンが映画化。サム・ライリーが主演を務めた。
●20.「エディット・ピアフ愛の讃歌」
第1次大戦中の貧しい家庭に生まれ、祖母の娼館で育ったピアフは、路上で歌って日銭を稼いでいたところを見出され、プロデビュー。瞬く間に人気歌手へと成長するが……。数々の名曲を残したフランスの国民的シャンソン歌手、エディット・ピアフの波乱に満ちた47年間の生涯を描く本作で、ピアフ役のマリオン・コティヤールが、第80回アカデミー賞の主演女優賞を受賞した。
●21.「ストレイト・アウタ・コンプトン」
西海岸が生んだ伝説的ヒップホップグループ「N.W.A.」の結成から解散、そしてその後を描いた伝記映画。1986年にアメリカ、カリフォルニア州コンプトンで結成された「N.W.A.」は、暴力に走らず、ラップという表現で権力者たちに立ち向かった。理不尽な社会や警察へのメッセージを暴力的なリリック(歌詞)で表現したことから、警察、さらにはFBIからも目をつけられる。
●22.「Ray レイ」
本作の完成直前に他界した盲目の天才ミュージシャン、レイ・チャールズの音楽と恋に彩られた波乱の生涯を描く。才能を武器にハンディキャップを乗り越えて、レコード会社と契約。ゴスペル歌手デラ・ビーと結婚し公私ともに順風満帆なレイだったが、麻薬依存や愛人問題に追い詰められる。主演のジェイミー・フォックスが第77回アカデミー賞の主演男優賞に輝いた。
●23.「8 Mile」
アルバムの世界セールス7000万枚を誇る人気ラッパー、エミネムの半自伝的な青春物語。本人が映画デビューで主演を務め、エンディング曲「ルーズ・ユアセルフ」は第75回アカデミー賞で歌曲賞を受賞している。1995年、デトロイト。中産階級の白人たちが住む郊外と“8マイル・ロード”という通りで分断された、貧民街で暮らす白人青年ジミーがラッパーとして覚醒していく。
●24.「ドアーズ(1991)」
1960年代後半のカルチャーを象徴する伝説のロックバンド「ドアーズ」のボーカリストで、27歳でこの世を去ったジム・モリソン。そのドラッグと音楽に憑依された破滅的な青春を描いた伝記映画。オリバー・ストーン監督が「プラトーン」「7月4日に生まれて」に続き、激動の60年代アメリカ社会を描いた3部作の完結編にあたる。主演は昨年亡くなったバル・キルマー。
●25.「ラ・バンバ」
貧しい生い立ちからスターダムにのし上がり、メキシコ民謡をもとにした楽曲「ラ・バンバ」が大ヒット。その直後に不運な飛行機事故に遭遇し、わずか17歳でこの世を去った伝説のロック歌手、リッチー・バレンスの生涯を描いた。主演はルー・ダイアモンド・フィリップス。現在、リメイクが進行中で、オリジナル版の監督・脚本を手がけたルイス・バルデスが製作総指揮として参加する。
【作品情報】
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スプリングスティーン孤独のハイウェイ
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