席は空いているのに…新幹線で「ただ女性の横に立ち続ける」不審な男性に、スーツ姿のサラリーマンが放った“勇気ある一言”/都調査で判明「周囲が動けば94.7%の被害が止まる」現実

※画像は生成AIによるイメージです

席は空いているのに…新幹線で「ただ女性の横に立ち続ける」不審な男性に、スーツ姿のサラリーマンが放った“勇気ある一言”/都調査で判明「周囲が動けば94.7%の被害が止まる」現実

6月13日(土) 8:44

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新幹線や電車の車内で「あれ、ちょっと様子がおかしいな」と感じる人を見かけたとき、声をかけるべきか、そっと離れるべきか――。せっかくの旅路で面倒に巻き込まれたくないし、相手が逆上する可能性も頭をよぎる。結果として、見て見ぬふりを選んでしまう人も少なくないはずです。

ただ、東京都が2025年に行った調査では、電車内で痴漢被害を目撃した人のうち77.3%が何らかの行動を取ったと回答しています。さらに、被害時に周囲の人が行動してくれた場合、94.7%のケースで被害が止まったというデータも(東京都『令和7年度 痴漢被害実態把握調査』)。実は、車内で動いてくれる人は思いのほか多く、そして、その一歩には大きな効果がある――。

とはいえ、いざ自分がその場に居合わせたとき、すぐに動ける人はどれだけいるでしょうか。今回ご紹介するのは、過去に大きな反響を呼んだ実録エピソードから、新幹線車内で目撃された“ある不審な男性”と、それに対峙したスーツ姿のサラリーマンの話。席は空いているのに、ただ女性の横に立ち続ける男性に、サラリーマンが放った“勇気ある一言”とは?

記事の後半では、“見て見ぬふり”が当たり前と思われがちな現代に、ひとりの大人がとった行動の意味について、少しだけ考えてみました。

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男性の奇妙な行動で自由席が恐怖の舞台に

「新幹線」は様々な人が乗り合わせるが、中には“不審な動き”をする人も。何かトラブルの予感……。だが、せっかくの旅路で面倒には巻き込まれたくないのが本音だろう。注意した結果、相手が逆上してしまう可能性もある。相手に声をかけるべきか、その判断は難しく、見て見ぬふりをしてしまうかもしれない。

推しのライブを見るために新大阪から東京行きの新幹線に乗った西野弘さん(仮名)が目撃した恐怖の場面とは……。時に勇気ある一言が状況を大きく変えることがある。

西野さんは、少しでも安く利用しようと自由席を選んだという。乗り込んだ車両は半分以上の席が埋まっている状況だった。

「自分の5列ぐらい先の窓側に20代の女性が座っており、2人がけの席の隣は誰もいませんでした」

乗車から約5分後、車内に不穏な空気が流れ始める。

「リュックサックを背負い、サイズの合わないシャツを着た男性が入ってきたのですが、落ち着かない様子で車内をきょろきょろと見回していました」

その男性は先ほどの女性を見つけると近づいていった。しかし、空いている隣の席に座るわけでもなく、ただじっとその場に立ち尽くしている。そこに座りたいのだろうか。

「女性は『隣は誰も座っていないです』と言いましたが、なぜか男性はその言葉には反応せず、女性のことを見つめながらずっと横に立っていました」

不審な行動を女性は察知したのか、スマートフォンを触りながら男性を意識しないよう振る舞っていた。

男性はぶつぶつとひとりごとをつぶやいている。一度は隣の車両へと移動したものの、2、3分後にまた戻ってきて同じ行動を繰り返した。

スーツ姿の男性の勇気ある一言

男性は女性を見つめたり、通路を挟んだ反対側の席に座ってスマホを触りながらつぶやいたりと、不審な行動を続ける。女性が恐怖を感じているのは明らかだった。

「その時点で他の乗客も男性の様子がおかしいことに気づき、ピリッとした緊張感のある空気が車内に張りつめました」

この状況を見かねたのか、50代くらいのスーツ姿のサラリーマンが近づいてくると、「やめなさい」と一言。ようやく男性はその場を離れた。だが、それもつかの間。2、3分後には再び戻ってきて、同じように女性を見つめる行動を続けた。

スーツ姿のサラリーマンは再び男性のもとへ行き、「やめなさい。かわいそうでしょ」と強い口調で注意した。そして不審な男性の手を引き、別の車両へと連れ出したのだった。

「そこから男性は帰ってきませんでした。女性を見つめる行為をあきらめたのでしょう」

しばらくして戻ってきたサラリーマンは、女性のもとへ行き「怖かったでしょうが、もう大丈夫ですよ」と声をかけた。女性は安堵の表情を浮かべ、車内全体の空気も一気にほぐれた。西野さんは「あの車内の緊張感は今も忘れません」と振り返る。

今回は大きなトラブルには繋がらなかったが、新幹線の車内で何かあれば、乗務員に伝えるのがいちばんだ。

<文/藤山ムツキ>

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今回のエピソードで強く印象に残るのは、声をかけられた女性が「ようやく息ができた」かのように安堵した瞬間です。新幹線という閉ざされた空間で、見知らぬ男性の視線にさらされながら、彼女自身は最後まで何も言えませんでした。

東京都の同じ調査では、電車内で痴漢被害に遭った人のうち、被害直後に誰にも連絡・相談などをできなかった人が45.0%にのぼります。被害の当事者であってもなお、行動に移すまでには高いハードルがあるのでしょう。

冒頭でも触れましたが、一方で電車内で痴漢被害を目撃した人のうち77.3%が何らかの行動を取り、被害時に周囲の人が動いてくれた場合は94.7%のケースで被害が止まったという結果も出ています。動いてくれる人は、私たちが思うより多く、そしてその一歩は確かに状況を変えていく――。

今回のサラリーマンの一言は、女性ひとりでは越えられなかったかもしれない壁を、軽々と越えた瞬間でした。“見て見ぬふり”が当たり前と言われがちな時代に、それでも動いた人がいた――。その事実だけは、しっかり覚えておきたいと思います。

<再構成/日刊SPA!編集部>

【藤山ムツキ】
編集者・ライター・旅行作家。取材や執筆、原稿整理、コンビニへの買い出しから芸能人のゴーストライターまで、メディアまわりの超“何でも屋”です。著書に『海外アングラ旅行』『実録!いかがわしい経験をしまくってみました』『10ドルの夜景』など。執筆協力に『旅の賢人たちがつくった海外旅行最強ナビ』シリーズほか多数。X(旧Twitter):@gold_gogogo

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