6月11日(木) 4:30
3歳児といえば、体重はすでに15kg近くあることも珍しくありません。最初は窓の外の景色を楽しんでいても、30分もすれば飽きて動き出します。狭い座席でヒザの上に乗せ続けるのは、親にとっても子どもにとっても至難の業です。
前の座席を蹴ってしまい、乗客から舌打ちされる。ぐずり出した声が車内に響き、パソコンを開いて仕事をするビジネス客や、寝ようとしている人の冷ややかな視線が突き刺さる。親は冷や汗をかきながら「静かにして!」と叱り続けますが、逃げ場のない満席の新幹線では、デッキに移動してあやすしかありません。
結局、親のどちらかが交代でデッキに立ち続け、座る暇もないままクタクタになって新大阪に到着。「こんな思いをするなら、おとなしく指定席を買えばよかった……」と激しく後悔することになります。
約7000円を浮かせた代償は、あまりにも大きな肉体的、精神的疲労となって跳ね返ってくるのです。
新幹線の料金ルールにおいて、1歳から6歳未満は「幼児」、1歳未満は「乳児」と定義され、原則として乗車券と特急券は無料です。
しかし、無条件にすべて無料になるわけではありません。ここには、意外と知られていない落とし穴が存在します。
・指定席を1人で占有する場合は料金がかかる
ここが最も勘違いしやすいポイントです。幼児であっても、普通車指定席の座席を「1人で利用する」場合は、こども料金(乗車券および特急券)の支払いが必要になります。
また、グリーン席を利用する場合は、こどもの乗車券・特急券に加え、グリーン料金は大人と同額でかかります。「空いている席があるから」と、切符を持たない幼児を勝手に座らせることはルール違反となるため注意が必要です。
・おとな1人につき、無料になる幼児は2人まで
おとな1人が連れて無料になる幼児や乳児は、2人までと決められています。もし、おとな1人で3人の幼児を連れて乗車する場合、3人目からはこども料金が必要です。
・自由席の占有にもマナー上の注意が必要
自由席であれば、幼児が1席を利用しても料金はかかりません。しかし、指定席が満席になるほどの混雑時に、切符を持たない幼児が座席を占有していると、立っている乗客から「お金を払っていないのになぜ」と厳しい目を向けられ、トラブルになるケースがあります。ルール上は問題なくても、周囲への配慮が求められる場面です。
物価高が続き、給料から容赦なく引かれる税金にため息をつく日々。日々のランチ代すら500円のワンコインに抑えている会社員にとって、片道で約7000円、往復なら約1万4000円の出費増は非常に大きな痛手です。「1万4000円あれば、旅先で美味しいものを食べたり、少し良いホテルに泊まったりできる」と考えるのは当然の心理です。
しかし、長時間の移動で親が極度に疲弊してしまえば、せっかくの帰省や旅行も台無しになりかねません。「子どもが泣き叫んだらどうしよう」「周りに迷惑をかけないか」というプレッシャーから解放されるための保険代と考えれば、約7000円は決して無駄な出費ではないのかもしれません。
最近では、新幹線内に「お子様連れ専用車両」が設定される期間もあります。周囲も子ども連れであるため、お互いさまの雰囲気があり、精神的な負担を大きく減らすことができます。
家族の笑顔のための旅行が、移動の疲労で険悪なムードになっては本末転倒です。お金をかける場面と、節約する場面。賢くメリハリをつけながら、無理のない移動計画を立ててみてください。
JRおでかけネット きっぷのルール
JR東日本 おとなとこども
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士
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