「豊臣兄弟!」第22回「播磨大誤算」戦国の世の難しさを印象付けた播磨攻略戦【大河ドラマコラム】

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「豊臣兄弟!」第22回「播磨大誤算」戦国の世の難しさを印象付けた播磨攻略戦【大河ドラマコラム】

6月11日(木) 16:53

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NHKで好評放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」。戦国時代、主人公・豊臣秀長(=小一郎/仲野太賀)が、兄・秀吉(池松壮亮)を支え、兄弟で天下統一を成し遂げるまでの軌跡を描く物語は快調に進行中。小一郎と秀吉が播磨攻略に難渋する様子を描いた6月7日放送の第22回「播磨大誤算」では、戦国の世を生き抜く難しさを強烈に印象付けた。




西国の毛利と対決するため、主君・織田信長(小栗旬)の命を受け、播磨攻略に乗り出した小一郎と秀吉は、小寺官兵衛(のちの黒田官兵衛/倉悠貴)の事前の調略によって難なく播磨を手に入れる。だが、そうたやすく事は運ばず、一旦は織田方につくことを約束した国衆の別所家が毛利方に寝返って挙兵。時を同じくして、攻略したばかりの上月城が毛利勢に攻めこまれることに。これを聞いた秀吉は、信長に援軍を要請すると共に上月城の救援に駆け付けるが、援軍は来ず、上月城を任せていた尼子勝久を断腸の思いで見捨てることとなる。責任を感じ、悪夢にうなされた秀吉は、転倒して一時記憶喪失に。普段は底抜けに明るい秀吉の人が変わったような姿からは、戦国の世の過酷さが伝わってきた。

一度は織田に味方すると決めながら、状況が変われば敵の毛利方に乗り換える。別所のこの態度は、小一郎たち織田側から見れば裏切りだが、織田と毛利の争いに巻き込まれた別所ら播磨の国衆たちにとっては、自分たちの置かれた状況の中で編み出した、したたかな生き残り戦略でもある。敵味方が入り乱れ、それぞれが必死に生き残りを図る戦国の世では、どちらが悪いとも言えない複雑さがある。だがそのために、秀吉の力を借りて毛利に奪われた領地の奪還を目指した尼子勝久は志半ばで散っていった。尼子勝久役の渡邊蒼と家臣・山中幸盛役の廣瀬友祐はこの回限りの登場だったが、短い登場シーンでその哀しい運命を見事に表現。さまざまな思惑が絡み合う中、その流れに翻弄(ほんろう)されながらも生き抜こうとする人間のたくましさ、哀しさが伝わってきた。







一方、小一郎たちとは別に、信長から毛利との内通を疑われたのが、荒木村重(トータス松本)だ。身に覚えのない村重は即座に否定し、信長が刀を首元に当て、「(村重が献上した)そのまんじゅうを食え」と迫ると、一箱分を必死に口に押し込み、毒入りでないことを自分の身で証明する。これで信長の疑いは晴れたものの、城に戻ってみると、その疑惑の主は側近たちで、彼らが毛利家の重臣・安国寺恵瓊(立川談春)を招いていたことから状況は一変。恵瓊の「織田信長という男は、一度疑いをかけた者をやすやすと許すようなお方であろうか」という一言で、たちまち窮地に追い込まれる。巧みに戦国の世を生き抜いてきた村重でさえ、一瞬で地獄に突き落とされる。戦国武将の生死は、合戦だけでなく、まさに日々命懸けの綱渡りであることをまざまざと教えられた。そしてこの回のラストでは、ついに村重が信長に反旗を翻したとの報せが小一郎たちの元に飛び込んでくる。

秀吉、別所、村重と、それぞれの思惑入り乱れる中、さらに小一郎や秀吉に従う官兵衛にも、隙あらば…というひそかな野心があることを竹中半兵衛(菅田将暉)が見抜く。この難局を、小一郎たちはいかに乗り越えていくのか。その行方から、しばらく目が離せそうにない。

(井上健一)





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