イム・ユナとアン・ボヒョンが共演する映画『プリティ・クレイジー 悪魔が引っ越してきた』が6月19日(金)に公開される。深夜2時になると悪魔に憑りつかれてしまう女性ソンジと、そんな彼女を見守るというアルバイトを引き受けた青年ギルグの不思議な日々を描く本作。コミカルな笑いのなかに温かな人間ドラマとせつないロマンスが織り込まれた、“悪魔憑依”ラブコメディとなっている。
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ユナが演じるのは、昼は純粋で内気、夜は大胆で奔放という正反対の顔を持つソンジ。スタイリングや声のトーンにまでこだわりながら、一人の人物に宿る2つの顔を演じ分けた。さらに本作では、体当たりのコミカルな演技にも挑戦。アン・ボヒョンとの初共演の裏側や撮影秘話と共に、役づくりへの想いを聞いた。
■「笑い声一つにしても監督と相談しながら作っていきました」
――最初に『プリティ・クレイジー 悪魔が引っ越してきた』の脚本を読んだ時、どのような感想を持ちましたか?
イム・ユナ(以下、ユナ)「最初にシナリオを読んだ時はイ・サングン監督の台本ということで、とても惹きつけられました。以前『EXIT イグジット』という作品でご一緒した時に、イ・サングン監督の作品ならではのおもしろさは十分に知ることになったんですが、この脚本ではさらに、監督の魅力を感じることができました。愉快なところもある一方で、読み終えた時には心が温かくなり、胸がいっぱいになって泣きそうになったくらいなんです。読みながら、どんどん物語に引き込まれ、早く表現したいという気持ちが高まりました」
――ユナさんが演じられたソンジという役は、二面性を表現しないといけない役ですよね。どのように準備されましたか?
ユナ「私が演じたソンジは、昼と夜の性格にかなりの落差があるんですね。だから、まずは外見でも変化を見せたいと思って、スタイリングだったり、衣装だったり、メイクだったりに変化をつけて、差別化をしっかりしようとこだわりました。そして、セリフのトーンもやはり差別化が必要だと思ったので、笑い声一つにしても監督と相談しながら作っていきました」
――たしかに、全然違う雰囲気をまとっていましたね。衣装やヘアメイクはどのように差別化されましたか?
ユナ「私たちの間では、“昼のソンジ”と“夜のソンジ”という風に分けていたんです。“昼のソンジ”は、とても清らかで純粋なイメージを出したくて、衣装も落ち着いた感じですし、髪型もストレートヘアにしました。一方で、“夜のソンジ”は、衣装もビビッドカラーで、派手なアクセサリーをつけ、メイクも濃くしました。それに髪型もウェービーヘアにしています。内面は、昼は内気なキャラ、夜は果敢なところがあって、力強く社交的に見えるように差別化しました」
――監督は、そんなユナさんの変化のつけ方を見て、どんな反応をされていましたか?
ユナ「実は、むしろ監督のほうから『こうしてみたらどうか』と、いろんなアイデアを提案してくださいました。演技についても、『こういうトーンはどうか』と実際にやって見せてくださることも多かったんです。私が芝居をする時にも、とてもおもしろがってくださいましたし、『自分が想像していた以上の演技を見せてくれている』と言ってくださることもありました。『EXIT イグジット』ですでにご一緒して息を合わせていたので、お互いの方向性や表現したいこともすぐに理解し合えました。今回は二度目のタッグということで、前回よりもさらにコミュニケーションがスムーズにできました。そのおかげで、私も存分に演技を楽しめたのだと思います」
■「恥ずかしがったりためらったりせず、大胆に表現しようと思いました」
――相手役のギルグを演じたアン・ボヒョンさんとのコミカルな掛け合いも楽しかったです。
ユナ「アン・ボヒョンさんとは、本作で初めてご一緒しました。これまでアン・ボヒョンさんは、強靭なキャラを演じることが多かったんですよね。今回のギルグのような心優しい青年も演じる姿を見て、こんな一面も表現できる方なんだと改めて感じました。そのギャップが魅力的だと思いました。今回の役は温かみのある人物でしたが、すごく似合っていましたね。気さくな方で、すぐに現場になじんでいらして、おかげで私もリラックスしながら、意見を交わして撮影に臨むことができました」
――アン・ボヒョンさんとは、シーン作りにおいてどのようなコミュニケーションを取られていましたか?
ユナ「夜のシーンでは、悪魔に憑りつかれたソンジが突然バタっと倒れる場面があります。それをいつもギルグが受け止めるんですけど、その受け止め方をどう表現するのかということを2人で話していました。倒れる時の姿勢だったり、タイミングだったり。現場ではアン・ボヒョンさんと一番長く相談をしたと思います」
――本作には笑いを誘うコミカルなシーンも多く登場しますが、演じる際に心がけていたことを教えてください。
ユナ「人を笑わせるにはどうしたらいいのかについては、かなり考えました。でも、なによりもソンジというキャラクターをどう見せるかを第一に考えました。演じる時は恥ずかしがったりためらったりせず、自信と勇気をもって大胆に表現しようという気持ちで臨みました。そうやって自信を持って演じることで、ソンジの魅力がより引き出せるのではないかと思ったんです」
■「いままでとは違った雰囲気を見せられる役ができたらいいと思っています」
――『プリティ・クレイジー 悪魔が引っ越してきた』や『EXIT イグジット』、そして「コンフィデンシャル」シリーズなど多様な役を演じているユナさんですが、今後やってみたい役はありますか?
ユナ「ジャンルを問わずに、いままでとは違った雰囲気を見せられる役ができたらいいなと思っています。これまでは、明るいキャラクターを演じることが多かったんです。だからと言って暗い役を演じたいということではなくて、私のなかにある、また違った雰囲気を見せられたらいいなと思っています。例えば、もう少し大人っぽい雰囲気だったり、かっこよくてクールな姿だったり、そんな風にまだまだ見せていない部分があると思うので、いろんな雰囲気を引き出して演じていきたいです」
――俳優として、こういう先輩の姿を目指したいというビジョンはありますか?
ユナ「本当にたくさんの先輩がいらっしゃるので、お一人を選ぶのは難しいですね。直接先輩からアドバイスをもらうというよりも、時間がある時に、先輩たちの作品をたくさん観るようにしています。いろんなジャンルの作品を、国内、海外に限らずたくさん見ることが、勉強になると思っているんです」
――ちなみに、日本の作品もご覧になっていますか?
ユナ「私は去年『暴君のシェフ』というドラマに出演したんですが、その役に取り組むにあたって、改めて『かもめ食堂』を観ました。もともと大好きな作品なんです。食べ物もたくさん登場するところも魅力的ですし、この作品ならではの温かい雰囲気があって、一人で観ていて、すごく癒しを感じました。ほかにも『グランメゾン東京』を観ました。こちらの作品もおもしろかったですし、『暴君のシェフ』で演技をするうえでの助けになりました」
取材・文/西森路代
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