「ラブ注入」のフレーズで一世を風靡し、2011年の「ユーキャン新語・流行語大賞」でトップテン入りした楽しんご氏。
強烈な印象を残す独特のオネエキャラでテレビを席巻した一方、近年はSNSでの発言がたびたび話題になることもある。
では、本人はいま何を主戦場にしているのか。久々に直撃すると、意外な現在地が見えてきた。
「ラブ注入」ヒットでCM12本、月収300万円超えだった
――テレビで大ブレイクした当時は、どんな感覚だったのでしょうか。
楽しんご:
芸能は「楽しそうだしやってみるか」くらいの感じだったので、あんなにウケると思わなくてびっくりしました。
本業はマッサージだったので、芸能の仕事は副業くらいの気分でしたね。10代の頃から整体師として働いていて、整体の先生のところで3年間修行した後に20代で自分のお店をもっていました。
――そもそも、どんなきっかけで芸能界に入ったんですか?
楽しんご:
20歳の頃から俳優としても活動していて、その後『笑っていいとも!』(フジテレビ系)に整体師として出演したんです。そこでキャラがウケて、そこからお笑い芸人の活動を本格的に始めました。
それから島田紳助さんの番組に呼んでもらったり、当時『エンタの神様』が流行っていたからオーディションにノリで行ったら受かっちゃったりして。
当時はネタもギャグもないから普段通りに喋っていただけなんですけど、面白がってもらえたんですよね。
――芸能の仕事の忙しさのピークはどのくらい続いたんですか?
楽しんご:
忙しかったのは2008年から2013年くらいですかね。特に「ラブ注入」がヒットしてから1年半くらいは、テレビ、ラジオ、営業がずっと入っていて、ほとんど休みがなかったです。
――それだけ忙しいと収入も増えたんじゃないでしょうか。
楽しんご:
CMも12本くらいやって、月に300万円くらい入っていた時期もありました。でも忙しすぎて使う暇がないんですよ。通帳はお母さんが管理してくれていたんですけど、毎月大金が入るからお母さんのほうがびっくりしていましたね(笑)。
――普通の整体師から一気にスターになったことで、そのギャップは感じましたか?
楽しんご:
売れると狂うっていうのはあるんだなと思いました。どこに行ってもVIP扱いで、ご飯もお酒もタダ。
あれだけチヤホヤされると天狗にもなっちゃうし、感覚が狂う人がいるのもうなずけます。
でも僕はマッサージがあったからまだ正気を保てていたんだと思います。手に職があるのは大きかったですね。
現在の主戦場はプライベートサロン
――'19年に吉本興業を退社した後は、整体師としての活動がメインになっているそうですね。
楽しんご:
今は自分のプライベートサロンが中心です。30分5万円~でやらせてもらっています。ありがたいことに常に3か月先まで予約は埋まってますよ。
――特に評判がいい施術はあるんですか?
楽しんご:
睾丸マッサージです!僕、いま日本で一番睾丸を揉んでる人だと思います!
――公私混同、していませんか?
楽しんご:
「仕事で触れるじゃん!」って。
冗談ですって(笑)。ちゃんと勉強して資格を取りました。ジャップカサイというタイの伝統的な施術で、睾丸やその周辺のオイルマッサージが好評です。
施術後に男性機能の回復を実感したり、体調が良くなったという声をたくさんいただいています。不妊治療をなさってるご夫婦が来て、旦那さんに施術したら、実際に奥様が懐妊されたこともありました。
――安心しました、ちゃんと効果が期待できるんですね。
楽しんご:
イケメンだったらちょっと長めに施術しちゃったりしてね(笑)。
――えっ……、やっぱり?
楽しんご:
やだぁ(笑)。僕としては、来てくださった方に満足して帰ってもらうことを大事にしているので、マッサージの仕事ではさすがに下心は出さないです。どんな施術もお客様の状態が良くなるように全力でやってます。
――――さすがにそこはプロとして線引きされているわけですね。芸能活動で名前が売れたことは、整体の仕事にもプラスになっていますか。
楽しんご:
それはありますね。「しんごちゃん、マッサージ上手いよ」と芸能人の方が紹介してくださることも多いし、楽しんごという名前があるから単価を上げられた部分もあると思います。
でも名前だけでは続かない。結局、満足してもらえないとリピートはしてもらえないので、日々技術も磨いてます。
芸能の仕事も継続中。「ラブ注入」は営業で大ウケ
――芸能の仕事も続けているんですよね。
楽しんご:
続けています。『キャストウォッチ』(千葉テレビ)や『ラジオ楽しんご』(エフエムうらやす)にレギュラー出演したり、営業の仕事のオファーもすごく多いです。
吉本を辞めたら芸能の仕事はなくなるのかなと思っていたんですけど、一度ドーンと売れたからか、今も声をかけてもらえます。
――営業のステージではどんな反応なんですか?
楽しんご:
4月に北海道の営業に行ったんですけど、僕が売れていた頃を知らない子どもたちが大喜びしてました。「ラブ注入」もウケるし、低い声から急に高い声に変わる東幹久さんのものまねもウケる。わかりやすいキャラクターだからなのかもしれないですね。
――一発屋という言葉で語られることに抵抗はありますか。
楽しんご:
自分では一発屋だと思っていますけど、あまり一発屋と思われていないのかもしれないです。
普通にイベントの依頼も来ますし、マッサージもできるし、美容もできるし、笑いもできる。いろんなジャンルが大好きなんです。
――芸能の仕事はこれからも続けられるんですか?
楽しんご:
そのつもりです。マッサージの仕事を続けつつ、テレビでもラジオでも、配信でもいいからレギュラーがほしいですね。ちゃんとした番組で、怪しい話でも何でも、僕にしかできないことをやりたい。やっぱりマイクが好きなんで、いろんな意味で。
「本当にそのまま言っちゃう」から炎上する
――SNSでの発言が話題になり、ネットメディアに取り上げられることもありますが、意図的に炎上を狙っているのでしょうか。
楽しんご:
炎上商法のつもりはないんですよ。でも思ったことを本当にそのまま言っちゃうのが良くないのかも。
嘘がないというか、思ったことをそのまま出してしまう。でも最近はChatGPTに一旦「この発言は大丈夫?」って聞いたり、ちゃんと考えるようにしています。
――それでも注目されること自体は嬉しい?
楽しんご:
それは嬉しいです。SNSから仕事の依頼が来ることもありますし、Xの収益もバカにならない。昔みたいにテレビに出続けなくても、いまはいろんな芸能の仕事があるのはいい時代になりましたね。
――今後の目標は?
楽しんご:
整体のスクールもやっているので、もっと広げたいです。満足してもらえる施術者を増やしたい。最近では、妹のJUJUと福岡にもサロンをオープンしました。
――芸能関係の目標はないんですかね?
やっぱりレギュラー番組がほしいですね。
あと、自分で言うのも変ですけど、僕の人生ってけっこう波乱万丈なんで、ドラマにしたら面白いと思うんですよ。
今年Netflixで細木数子さんをテーマにした『地獄に堕ちるわよ』が話題になりましたけど、「楽しんご物語」みたいな作品をどこか作ってくれないかなぁとも思っています。
芸能界に強く執着していたわけではない。だからこそ、ブレイクの渦中から離れても、楽しんごは整体、営業、SNS、ラジオと、居場所を一つに絞らず生き残ってきた。「普通に頑張ってます」と笑う現在地は、テレビの中心にいた頃よりも、本人らしいのかもしれない。
<撮影・文/松嶋三郎>
【松嶋三郎】
浅く広くがモットーのフリーライター。紙・web問わず、ジャンルも問わず、記事のためならインタビュー・潜入・執筆・写真撮影・撮影モデル役など、できることは何でもやるタイプ。X(旧Twitter):@matsushima36
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