6月5日から公開された是枝和弘監督の最新作「箱の中の羊」が、映画.com内で注目・話題を集めた指標となる「映画.comアクセスランキング」(6月8日発表/集計期間:2026年6月1日~6月7日)において、第1位を獲得しました。本記事では、映画.comに新たに寄せられた感想・レビュー(一部抜粋)を一挙にご紹介します。
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【動画】「箱の中の羊」予告編(90秒)
●物語について:「そう遠くない未来の話かも」「今年観た邦画の中で一番好き」「どうメッセージを受け取るべきか」
まずは物語について。名匠・是枝監督が生み出した物語や演出の意図を読み解く、少し長めのレビューが目立ちましたが、そう遠くない未来を描いた作品として、自分事として受け止めていた方も多かったです。
・自分が大切な存在を失ったとしたらヒューマノイドでも受け入れられるのか主人公と同じように葛藤するのか想いを巡らせた。哀しい事や切ない事も多い世の中だけど、どうか人間の愛情だけは未来永劫、普遍的なものであって欲しいと願いたくなる映画でした。
・画面が美しい。鎌倉の風景と是枝監督の色合いと美しい建築で画面に見とれた。この世界観に不思議なほど大悟さんがとけこんでいて、良かった。子役も透明感があってAIな雰囲気が似合っていた。
・今年観た邦画の中で一番好きな作品。セリフは少なめで絵で語る。最小限のセリフは、目の前の絵とは違うメタファーを想起させる。これが映画で語られる「箱の中の羊」と一致してる。観る人の引き出しを試す作品だ。
・是枝作品の魅力である脚本は健在だ、セリフが力を持っている。暗示的なセリフは物語の奥行きを出し、登場人物のすれ違い、心の綾や変化を印象に残るセリフで紡いで描く。新しい題材とはいえないヒューマノイドの描かれ方は、さすが是枝監督、やり尽くされた手法をとらない。むしろ、劇中の人物との関係だけでなく、観客目線でもヒューマノイドに親近感を持たせず、距離を感じさせる演出に感じた。
・「息子の死」というあまりにも大きな出来事を、大きすぎて受け止めきれない中で、平穏に暮らしているように見えるかのような二人の間の微妙なすれ違い。そこにヒューマノイドの息子を登場させることで感情が大きく揺すぶられる。蓋をしていた感情をぶつけ合うことで、初めて相手を知ることも多々ある。そんな人間臭さと息子翔君の透明感有る心を持たない機械を取り合わせたことでより映画が面白くなっていると思う。
・とまらない少子化、子どもを産まない選択肢を取る夫婦が増えていく現状、今の世界のテクノロジーの進歩なら、本当に近い未来に、こういう世界が待っているのかもと思いました。二十数年に渡る子育てをもうすぐ終える自分としては、箱の中の羊という言葉の意味を、すごく考えさせられた作品でした。
●俳優について:「大悟の名演が支える、再生の物語」「とても切なく、そして優しい」
続いて俳優について。綾瀬はるかと、普段はお笑いのフィールドで活躍する「千鳥」の大悟が夫婦役を演じるということで話題になっていましたが、その自然さを称える声、不安視していた大悟の演技を絶賛する声が集まっていました。また、ヒューマノイドを演じた桒木里夢に注目した人も多かったようです。
・まず何より、大悟さんの演技が素晴らしかったです。感情を大きく爆発させるわけではないのに、その表情や佇まいから伝わってくるものが多く、強く印象に残りました。個人的には、この作品を観て「これからもぜひ映画で活躍してほしい」と思うほどの名演でした。
・綾瀬はるかさんも大悟さんも、演技は本当に自然で良かったですが、何よりも子役の桒木里夢君の演技が、ヒューマノイドという難しい役にとても合っていて素晴らしかったと思います。
・映画初主演の大悟のキャスティングは成功ですね。綾瀬はるかは、もはや貫禄さえ感じる演技、過去に縛りつけられた自分からAIヒューマノイドとふれあい、自分を見つめ直す母親を見事に演じています。是枝監督の映画の子役たちはいつも素晴らしいですね。
・翔役の里夢くんがとても美しくて、ヒューマノイドにリアリティが感じられる。そしてヒューマノイドであること、死んだ子どもの身代わりであることの哀しさもすばらしく体現できている。
・観る前には芸人・大悟の演技に不安もありました。もし違和感があれば、作品そのものを壊してしまうのではないかと。しかし、それは杞憂でした。「こういうおじさん、いるよね」と思わせる、ごく自然な存在感で、まったく演技を感じさせませんでした。あの佇まいは本当に見事だったと思います。
・翔役の里夢くん、佇まいが美しすぎて言葉になりません透明感…いやちょっと違う…澄んだ感じというのかな…なんとも美しい。
【「箱の中の羊」あらすじ・概要】
「怪物」「万引き家族」の是枝裕和監督が、綾瀬はるかとお笑いコンビ「千鳥」の大悟を主演に迎え、亡き息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れた夫婦の物語をオリジナル脚本で描いた長編映画。
少し先の未来。建築家の甲本音々とその夫で工務店の2代目社長を務める健介は、2年前に亡くした息子・翔の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることになる。ヒューマノイドが到着した日、翔と同じ笑顔と声をした彼を音々が喜んで迎える一方で、健介は戸惑いを隠しきれず硬い表情を浮かべる。家族の時間は少しずつ動き出すが、やがて予期せぬ事態が起こり、夫婦が息子の死に対してそれぞれ抱えていた想いがあらわになっていく。そんな中、ヒューマノイドの翔はひそかにヒューマノイドの仲間たちとつながりはじめる。
夫婦の亡き息子・翔とその姿をしたヒューマノイド役には、オーディションで200人以上の中から選ばれた桒木里夢を抜てき。タイトルの「箱の中の羊」は、サン=テグジュペリの名作小説「星の王子さま」の1節に由来する。第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。
【作品情報】
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箱の中の羊
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