ドジャースの大谷翔平が投打にわたって好調をキープしている。投げては、開幕から防御率0点台を継続中。打っては、一時2割3分台まで落ち込んだ打率を3割台まで回復させ、逆方向への本塁打も飛び出すなど完全復調に向かいつつある。
好調な大谷の打撃とともにチームも上昇気流に乗り、ナ・リーグ西地区の首位を独走中。2位以下に7.5ゲーム差をつけている。
投打で躍動、オールスター出場もほぼ確実に
大谷の打撃が復調した陰には、デーブ・ロバーツ監督が取った苦肉の策もある。登板日は投手に専念するなど、適度な休養を挟みながらプレーしていることは、今のところ功を奏しているといえるだろう。
本塁打数こそ例年のペースを下回っているものの、唯一無二の二刀流選手として、名実ともにメジャーNo.1プレーヤーとして君臨している。7月に開催されるオールスター出場もほぼ確実な情勢だ。
今夏で96回目を迎えるMLBの真夏の祭典。現地時間の今月3日にファン投票がスタートし、大谷はナ・リーグDH部門にノミネートされている。同部門には各チームから1人ずつ合計15人の名前が記載されているが、多くの票を集めることはまず間違いない。
オールスター投票で高まる“シュワーバーVS大谷論争”
そんな中、オールスター投票が始まった数日後、現地SNS上では、あるユーザーのX投稿が注目を集めた。
内容からフィリーズファンとみられるが、同投稿を意訳すると
「シュワーバーがメジャー全体の本塁打王なのに、オールスターゲームのDH部門で大谷に投票する奴らがいる」
といったところか。大谷に対してかなり憤っている様子がうかがえる。
このファンが言う、フィリーズの主砲カイル・シュワーバーは、大谷と同じナ・リーグDH部門にノミネートされている。昨季はシーズン終盤まで本塁打王争いを繰り広げ、最終的には本塁打と打点の二冠王に輝いた。
シュワーバーは今季もハイペースで本塁打を量産しており、その数はすでに23本。11本塁打の大谷にダブルスコアをつけている。現時点で、パワーヒッターとしての2人を比較すれば、シュワーバーがよりいい成績を残しているといっても過言ではないだろう。
【2026年の2人の打撃成績、現地8日現在】
大谷翔平:64試合打率.302、11本塁打、35打点、6盗塁、OPS.939
シュワーバー:63試合打率.238、23本塁打、40打点、1盗塁、OPS.932
本塁打数ではシュワーバーが大きく上回る一方、打率やOPSでは大谷も引けを取っておらず、評価が分かれるところだろう。
投手はファン投票の対象外
SNSでは、フィリーズファンとみられる別の人物から、「今季の大谷は投手としてだけ(オールスターに)出場すればいい」という意見もあったが、そうした見方が出るのも理解できる。今季は投手として圧倒的な成績を残していることは紛れもない事実だからだ。
しかし、日本のプロ野球と違って、メジャーリーグでは投手はファン投票の対象外となっている。よほどひいきにしている選手がいるか、フィリーズファンでもない限り、多くのファンはDH部門で大谷を選ぶだろう。
再燃した昨季MVPを巡る“評価の違い”
現地のSNSではこの流れを受けて、昨秋ヒートアップしたあの話題も蒸し返されている。
それは、昨季のナ・リーグMVP争いについてだ。先述したように、昨季はシュワーバーが打撃2冠王に輝き、大谷は無冠に終わった。この事実をもって、フィリーズファンの間ではシュワーバーをMVPに推す声も上がったが、結果は大谷が満票で受賞した。
昨季のMVP投票で大谷が満票選出された最大の理由は、打撃だけでなく投手としても結果を残していたことだ。DH専門のシュワーバーに対して、大谷はシーズン途中から投手としても復帰を果たし、14試合に登板、1勝1敗、防御率2.87をマークするなど、二刀流としてチームに大きく貢献していた。
シュワーバーとの比較は今後も続く?
オールスターファン投票が始まったこのタイミングで蒸し返された約半年前の話題。大谷は一部のフィリーズファンの間で、たびたびシュワーバーとの比較対象として語られる存在になっているようだ。
奇しくも今年のオールスターゲームはフィリーズの地元シチズンズバンクパークで開催される。2年連続3度目の本塁打王を狙うシュワーバーは間違いなく監督推薦で選ばれるだろう。しかし、ファン投票の話題が出るたびに、フィリーズファンの憤りは続くことになるかもしれない。
文/八木遊(やぎ・ゆう)
【八木遊】
1976年、和歌山県で生まれる。地元の高校を卒業後、野茂英雄と同じ1995年に渡米。ヤンキース全盛期をアメリカで過ごした。米国で大学を卒業後、某スポーツデータ会社に就職。プロ野球、MLB、NFLの業務などに携わる。現在は、MLBを中心とした野球記事、および競馬情報サイトにて競馬記事を執筆中。
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