6月7日(日) 23:10
賃貸の害虫駆除費は、「誰の責任で虫が発生したのか」によって負担者が変わります。例えば、入居者が生ゴミを長く放置していた、掃除をほとんどしていなかった、食品を出したままにしていた場合は、入居者の管理不足と見なされやすく、駆除費を自分で負担する可能性があります。
一方で、建物の配管や壁の隙間、床下、排水口などから虫が入っている場合は、入居者だけの責任とはいえません。貸主には、入居者が普通に住める状態を保つ義務があり、民法606条でも、「貸貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う」とされています。
つまり、管理会社から「入居者負担」と告げられても、それだけで決まるわけではありません。虫の種類や発生時期、部屋の使い方、建物の不具合を確認し、害虫駆除費を誰が負担するのかを判断する必要があります。
貸主や管理会社に負担してもらえる可能性があるのは、入居者の使い方とは関係なく虫が発生しているケースです。
例えば、入居してすぐにゴキブリやシバンムシ、ダニなどが大量に出た場合は、入居前から室内や建物内にいた可能性があります。
また、壁や床に隙間がある、排水口から虫が上がってくる、共用部にも虫が大量にいる、近隣の部屋でも同じ被害が出ている場合も、建物側の問題が疑われます。このようなケースでは、部屋だけを駆除しても再発するおそれがあるため、管理会社に建物全体の点検や修繕を求めることが大切です。
さらに、シロアリのように建物そのものに被害を与える虫も、貸主側の対応が必要になりやすい虫です。放置すると床や柱に影響が出ることがあるため、見つけたらすぐに写真を撮り、管理会社へ連絡しましょう。
害虫駆除費が入居者負担になりやすいのは、生活環境が原因で虫が発生したと考えられる場合です。例えば、生ゴミや食べ残しを放置していると、虫が寄りつきやすくなります。
また、段ボールやペットのエサ、湿気の多い布団やカーペットなども、虫が増える原因になるため注意が必要です。特に段ボールは虫のすみかになりやすいため、引っ越し後に荷ほどきが終わったら、できるだけ早めに処分しておくと安心です。
ただし、入居者負担になりそうな場合でも、自己判断で高額な業者を呼ぶのは避けましょう。管理会社に連絡せずに駆除すると、あとから費用の相談が難しくなることがあります。
まずは、虫の写真や動画を残し、発生した場所や日時をメモしてください。そのうえで、管理会社に「原因を確認したい」「建物側の不具合がないか見てほしい」と伝えます。
また、市販の駆除剤を使う場合も、火災報知器やペット、子どもへの影響に注意が必要です。くん煙剤を使用する場合は、事前に賃貸借契約書やマンション・アパートの管理規約を確認し、必要であれば管理会社に相談しましょう。
賃貸の害虫駆除費は、管理会社に「入居者負担」と告げられても、必ず自分で払うとはかぎりません。入居前から虫がいた可能性や、建物の隙間・配管などが原因の場合は、貸主側の負担になることもあります。
まずは虫の写真や動画を残し、発生した場所や日時をメモしておきましょう。
そのうえで、賃貸借契約書を確認し、管理会社に原因調査や費用負担について相談することが大切です。納得できない場合は、自治体の相談窓口なども活用しましょう。
国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)のダウンロード
デジタル庁 e-Gov 法令検索 民法 (賃貸人による修繕等) 第六百六条
国土交通省 住まいるダイヤル
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
【関連記事】
「殺虫剤」って意外と高い!節約も込めて家庭にあるもので代用できますか?