米俳優組合が、AIで作り出す「合成俳優」の使用に歯止めをかける条項を含む、新たな労使契約を締結した。契約を結んだ相手は、大手スタジオや配信大手でつくる製作者側の業界団体(AMPTP)だ。この4年契約に、投票した組合員の91.4%が賛成したと、米バラエティが報じている。
この契約は、2023年に俳優たちが約4カ月にわたるストライキの末に勝ち取った合意を引き継ぐものだ。当時は、AIによって俳優の姿や声が本人の同意なく複製・使用されることへの不安が、ストの大きな争点となっていた。今回の新契約は、その保護をさらに一歩進めた内容になっている。
新契約のもとでは、AIで生成した俳優を起用できるのは、生身の俳優や、本人をもとにしたデジタル映像と比べて「大きな付加価値がある」場合に限られる。スタジオが合成俳優を使う際には、組合に事前に通知し、交渉の機会を設けることも義務づけられた。「ロード・オブ・ザ・リング」のサム役で知られ、現在は会長を務めるショーン・アスティンは、このAI保護を「あらゆる業界が目指すべき最先端だ」と評価する。
契約には、長年別々だった2つの年金基金を統合する内容も盛り込まれた。一部の組合員は、過去の統合で給付が削られた例を挙げて反対したが、全体では9割を超える賛成で可決された。
今回は交渉が決裂することなく、新たなストには至らなかった。ただし、AIをめぐって組合が再びストライキで対抗できるのは、契約が切れる2030年以降になるという。
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ロード・オブ・ザ・リング
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Photo by Michael Buckner/Variety via Getty Images