「日本は勝っている」は嘘だった?「神の子だと教えられていたのに…」戦後の日々を乗り越えてきた少女の体験談【作者に聞く】

教科書の内容を墨で塗りつぶし、今まで習ってきたことは嘘だったと教えられた。

「日本は勝っている」は嘘だった?「神の子だと教えられていたのに…」戦後の日々を乗り越えてきた少女の体験談【作者に聞く】

6月6日(土) 8:00

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教科書の内容を墨で塗りつぶし、今まで習ってきたことは嘘だったと教えられた。
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ライブドアブログ「ゆっぺのゆる漫画ブログ」やInstagramで漫画を発信しているゆっぺ(@yuppe2)さん。2021年12月から連載された「親に捨てられた私が日本一幸せなおばあちゃんになった話」は完結後に電子書籍化され、「人生で一番大切なことが描かれている」「何度も読み返している」といった感想が寄せられた人気作である。今回は作品に込めた思いや、モデルとなった祖母・キヨさんについて話を聞いた。

■戦争に翻弄された少女時代
戦後は、教科書で戦争を鼓舞する内容が書かれた部分を黒く塗りつぶすよう言われたという

戦後の学校では、戦前は禁止されていた英語が積極的に教えられるようになったそう

家の手伝いの間も、アルファベットを唱えるように

本作は、ゆっぺさんの祖母・キヨさんの実体験をもとに描かれた作品である。父親を亡くしたキヨさんは幼くして養女となり、叔父の家で暮らすことになった。しかし養母から厳しい扱いを受けるなど、決して平穏とはいえない日々を送っていた。さらに時代は戦争へと向かい、学校では勤労奉仕が優先され、学ぶ時間も次第に失われていく。

■終戦で覆された常識
軍国主義教育が進むなか、子どもたちは「日本は勝っている」と教えられていた。しかし終戦によって、それまで信じてきた価値観は大きく揺らぐ。戦後は暮らしだけでなく教育も一変し、それまで禁じられていた英語が積極的に教えられるようになるなど、社会全体が大きく変化していった。

■祖母から聞いた戦後の現実
戦争描写について、ゆっぺさんは「すべて祖母から聞いた話です」と語る。作中で描かれた、未亡人たちが地主の家を訪れて食料を持ち帰っていたというエピソードも祖母から聞いた実話だという。当時はなぜ大人たちが怒られていたのかわからなかったものの、後になってその意味を知り、大きな衝撃を受けたそうだ。「でも生き残るためには必要なことだった。身体が汚れても、心が汚れたわけではないと話していました」と振り返る。

また、戦後の教育の変化についても詳しく聞いており、その内容は作品内でも描かれている。

■つらい過去を知って感じた強さ
祖母の過去を知るまでは、明るく笑顔の絶えない人という印象しかなかったというゆっぺさん。しかし壮絶な人生を知り、「まさかこんなにつらい過去があったとは思いませんでした」と驚いたそうだ。一方で、「私は普通の家庭で育っていないから、思考がおかしいの」と語りながらも、他人の評価や意見に振り回されず、自分の感情をコントロールできる祖母を強い人だと感じたという。

■今も変わらないキヨさんらしさ
現在のキヨさんは、作中にも登場する手鞠作りに夢中になっているそうだ。最近はブレーカーが落ちたことに気付かず、「雷で停電した」と思い込み、真っ暗な部屋で1時間もじっと過ごしていたというエピソードも。そんなおちゃめな一面もまた、多くの読者に愛される理由なのかもしれない。

戦前から戦後にかけての激動の時代を生き抜き、数々の困難を乗り越えてきたキヨさん。その人生には、現代を生きる私たちが学ぶべきことが数多く詰まっている。

取材協力・画像提供:ゆっぺ(@yuppe2)

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