いま、地球規模で大人気の残酷格闘ゲーム「モータルコンバット」の映画第2弾「モータルコンバットネクストラウンド」が6月5日、遂に日本公開!
前作「モータルコンバット」は、人間界と魔界が地球の存亡をかけて開催される格闘技大会「モータルコンバット」に選ばれた人間たちが戦士として覚醒する姿が、ゲーム最大の売りである心のこもった“残酷描写満載の格闘バトル”と共に描かれた格闘ゲームの映画史上最も“Flawless Victory”な作品だった。
完璧だったのは残酷描写だけでない。俳優たちが演じる再現度の高いキャラクター、映画の随所に盛り込まれたゲーム・ファンのハートを鷲掴みにする細やかな遊びの数々も魅力であった。が、ゲーム未経験者が鑑賞しても没入感満載で楽しめる面白さを誇る作品でもあるので未見の方は是非!
そして、遂に開催される格闘技大会「モータルコンバット」の我々の常識を豪快にフライングした全貌が明かされる「モータルコンバットネクストラウンド」。ネタバレになることは書きませんが、これだけは書かせてください。先ほど前作を「格闘ゲームの映画史上最もFlawless Victory」な作品だと称えさせてもらいましたが、それは大きな間違いでした……!なぜなら「モータルコンバットネクストラウンド」には、「格闘ゲーム映画史上最もFlawless Victory」な作品になるための仕掛けが少なく見積もっても、あれだけ面白かった前作の10倍は用意されているんです。なので、映画を楽しみにしている方は心して観戦してください!
もはや格闘ゲーム映画史上としてだけではなく、ゲーム映画ならびにアクション映画としても“Flawless Victory”な作品である、と言っても過言ではない「モータルコンバットネクストラウンド」。今回、シリーズの要であり、ゲーム・ファンの間では常に首位を争う人気キャラクターであるハサシ・ハンゾウ/スコーピオンを演じた真田広之さんにインタビュー。常に“Flawless Victoryな映画”を目指す、さまざまなお話を聞くことができました。(取材・文/ギンティ小林)
●「国宝」美術監督・種田陽平が参加した“冥界シーン”「この映画のなかで僕も気に入っているところのひとつ」
――前回の「モータルコンバット」が公開した時、僕が観に行った劇場ではクライマックス、真田さん演じるスコーピオンが「Get over here!」とゲームの決め台詞を言いながら登場した時と、日本語で「いま俺はスコーピオンだ」と言った瞬間、劇場でどよめきと拍手が起きたんですよ!
真田:そうなんですか(笑)。
――そんな幸せな時間を前作に続き「モータルコンバットネクストラウンド」でも堪能させてもらいました!前作では日本人キャラクターであるハサシ・ハンゾウ/スコーピオンの存在に説得力を持たせるため、真田さんはさまざまなアイディアを出したと聞きました。「ネクストラウンド」でもそのようなことをしましたか?今回のハンゾウとスコーピオンの衣装のデザインが前作から少し変わっていましたが。
真田:そうですね。一作目はやはり日本人が演じるということで、着物の衣装やスコーピオンになったときの鎧の着方はなるべく日本風にしたい、というところで意見を言わせてもらいました。今回はそれを受けての2作目なのでスタッフにお任せしました。彼らが抱いた2作目におけるハンゾウとスコーピオンのイメージやメッセージが完成した衣装に込められている、と感じたので今回は用意されたものをそのまま身につけさせてもらいました。
――「ネクストラウンド」のハンゾウは冥界にいますよね。そこでハンゾウは日本庭園の手入れをしていましたが、その際に使っている熊手の刃の部分が前作の冒頭でハンゾウがビ・ハン(ジョー・タスリム)と戦ったときに使っていたクナイになっている、という作り手の方たちの遊び心に感動しました(笑)。
真田:よく見てくださいました(笑)。この映画のなかで僕も気に入っているところのひとつなんです。今回はデザイナーに種田陽平さんが入ってくださったので、冥界のシーンで日本庭園のようなものを作ってくださったんです。
――「キル・ビル Vol.1」や「国宝」で美術監督をされた方ですね。
真田:オーストラリアでロケをしましたが、冥界のセットだけは本当に日本にある庭園という感じで種田さんのハートが見事に炸裂していて。熊手にもちゃんとハンゾウのクナイが使われている、という細かいこだわりにも感動しました。種田さんは、あのシーンを作る際、三途の川を意識されて枯山水にしたんです。まさに霊界と現世の境目の番人のようなハンゾウのイメージがそこに集約されていて、そこに咲く野の花も非常にマッチしていましたし、気に入っているところのひとつです(笑)。
●スコーピオンのアクションスタイルについて“ビ・ハン”ジョー・タスリムとのバトルはどうだった?
――「ネクストラウンド」のクライマックスで展開されるスコーピオンとビ・ハンとの対決シーンも素晴らしかったです!ゲームのスコーピオンは日本刀を使いませんが、映画では日本刀を使ってくれるところが嬉しいんです。しかも今回の対決では、真田さんは日本刀と鞘を使った二刀流を見せてくれますね。映画のスコーピオンが日本刀を使う設定になったのは真田さんのアイディアだったりするんですか?
真田:スコーピオンが使う武器に関しては、前作の時にいろいろ話し合いましたね。「忍者だから刃がまっすぐな直刀の忍者刀を使う」というアイディアも出ましたし、 ゲームに寄り添ったちょっと和洋折衷的な武器で戦うというアイデアも出ました。最終的には、鎧が和洋折衷ではあるんですけどゲームよりも日本っぽくしたので、それを着て試したところ日本刀が一番しっくりきたんです。前作でそれを選んだので、今回はそのまま日本刀続投という感じでした。今回、二刀流を使ったのはアクションチームのアイディアだと思います。
――素朴な疑問ですが、スコーピオンの鎧を装着して行うアクションはやりやすいものなんでしょうか?
真田:今回の鎧は1作目の時のものよりも動きやすく作ってくれたので可動域が広がったのと重さも軽減したので、動きやすさは向上しましたね。暑さは変わらないですけど(笑)。
――あの鎧を装着してのアクションは暑いんですね……。真田さんは、これまで出演された海外作品ですと「龍の忍者」ではコナン・リー、ウォン・チェン・リー、「ラッシュアワー3」ではジャッキー・チェン、「ジョン・ウィックコンセクエンス」ではドニー・イェンなどの格闘アクションを得意とする俳優たちとファイト・シーンを繰り広げてきましたよね。そんな真田さんが今回共演した、いまアクション映画ファンが注目しているジョー・タスリムのアクションはいかがですか?
真田:彼は柔道出身ですよね。柔道を極めてこられたので、戦うことに対する本能的なものを持っていらっしゃる。そういう意味ではリハーサルを重ねてお互いアイディアを出して、すぐにそれをお互い拾って「じゃあ、そう来るならこう行こうか」といろんなアイディアを出し合える、すごくやりやすい方でしたね。
――そうなると、前作と今回のスコーピオンとビ・ハンのファイトシーンはジョー・タスリムと真田さんがアイディアを出し合って作られたものなんですね。
真田:そうです。もとの振付はあるんですけど、 キャラクターとしてどう違いを見せるか、その時の感情をいかに振りに乗せるか、というところで非常に面白いコラボレーションができたのでリハーサルは充実していました(笑)。
●ゲーム「モータルコンバット」のプレイは継続中!「スコーピオンでプレイして負けたくない」
――僕らは、真田さんが前作でスコーピオン役のオファーを受けたとき、役を理解するために生まれて初めてゲームの「モータルコンバット」をプレイした、というエピソードが大好きなんです(笑)。その後も「モータルコンバット」のプレイは続けていますか?
真田:新しいゲームが出るたびにちゃんと購入してまいりました(笑)。
――素晴らしいです!
真田:映画は「モータルコンバットⅢ」とか「モータルコンバットⅣ」がある可能性も聞いているので、今後の物語がどうなっていくのだろう?というイメージトレーニングのために使っているので、すごく助かっています。だから、ファイティングというよりは物語やキャラクターのリサーチに使っている感じなのでテクニックは全く向上していません。負け続きです(笑)。
――プレイするときは、やはりスコーピオンを使うんですか?
真田:ケース・バイ・ケースですね。スコーピオンでプレイして負けたくないんで(笑)。
――どんなキャラクターでプレイするのか知りたいんですけど……?
真田:それこそサブ・ゼロやジョニー・ケイジも試しました。とりあえず台本に出てきたキャラは優先的に試すことにしています。 それで、また台本を読み直すと、イメージが変わるといいますか。 なので、ゲームをやったことない方も是非トライしていただいて、そのうえで劇場に来ていただけると何倍も楽しめるんじゃないかと(笑)。もちろん、ゲームを知らない方も楽しめる作りにはなっているんですけども。
――素晴らしいコメントをありがとうございます!今回の「ネクストラウンド」は前作以上にアジア人のキャストが増えてますし、そしてシリーズ初参加となるカール・アーバンもいますよね。 彼らとの共演はいかがでしたか?
真田:前回ご一緒したメンバーとは本当に同窓会のような感じで楽しく仕事ができて、ニューキャストに関しても現場に来る前にトレーニング&準備をされてきていたので、現場にいるときはまさにキャラクターそのものに見えました。なので、すんなりキャラクター同士としてカメラの前で向き合いましたし、皆さんプロですからいつも和やかにジョークを言いながらいい雰囲気で現場を終えることができて 本当に楽しかったですね(笑)。
●“映画界の父”深作欣二からのメッセージ「油断すな」はいまだに心に刻まれている
――真田さんが出演した「宇宙からのメッセージ」「里見八犬伝」「必殺」などを監督された深作欣二さんは「里見八犬伝」の後、さらに新しいスタイルの時代劇を作ろうと「紅孔雀」を企画されたそうですね。残念ながら実現しませんでしたが、そのスピリッツは「モータルコンバット」のスコーピオンに日本人としての風格を与えたたり、時代劇の伝統を守りつつ新しい制作スタイルで作られた「SHOGUN 将軍」をプロデュースされた真田さんが受け継いでいると思うんです!
真田:ありがとうございます(笑)。 深作欣二監督は【映画界の父】と言っても過言ではないぐらい新人の頃からお世話になってました。深作監督に言われたいろんなお言葉がいまだに自分の中にはDNAとして残っていて、教わったことが今、「自分がいる現場でどれだけ活かすことができてるのか?」ということを日々実感しながら撮影に臨んでますね。今も気がつくと深作監督から言われた言葉を口ずさんでいることがあります。
――どんなお言葉なのか非常に気になるんですが……?
真田:そうですね……一番よく言われていたのは「油断すな」。深作監督の故郷の水戸弁で「油断するなよ」という意味で。深作監督は、その言葉を役者だけではなくスタッフやエキストラにも言っていました。どこでカメラが撮っているのか分からないから「一瞬たりとも気を抜くなよ」という意味で。なので、僕もいまだに心の中で「油断すな。何か欠けてないか?」ということを常に意識しています。
僕が上手くできたときも深作監督からは褒め言葉の代わりに「そのためのキャスティングや!当たり前や」とよく言われました(笑)。そこで図に乗るなよ、と。「準備を怠るな」「気を抜くな」「上手くいってもつけあがるな」と常に言われて育ったので いまだにそれは活きてますね。
●世界で最も有名な忍者役を経て考える“ネクストステップ”は?
――真田さんのテレビドラマ初主演作は、「宇宙からのメッセージ」のその後の世界を描いた「宇宙からのメッセージ銀河大戦」で、この作品で宇宙忍者一族の末裔を演じていましたよね。
真田:はい(笑)。
――そして映画初主演作は「百地三大夫」ですよね。
真田:そうですね。 それも忍者の末裔でした(笑)。
――そうですよね。他にも真田さんは数々の作品で心に残る忍者の役を演じてきました。そして海外に進出して「モータルコンバット」シリーズで 、「いま世界で最も有名な忍者」と言っても過言ではないスコーピオンを演じていることに熱くなっているんですよ。
真田:自分も還暦をすぎて火を吹くとは思ってもいませんでした(笑)。先ほど話題に出た深作さんではないですけど、素晴らしい監督や先輩方に教わったことが自分の中にあって。それが求められるものであれば、可能な限り応えていきたい、と思っています。俳優は、見ていただいてなんぼの仕事ですから、求められたらお応えできるようにしておきたい。「油断すな」を常に感じて生きています。
――ありがとうございます!時代劇を継続させていようとしている真田さんの中で今後演じてみたい歴史上の人物、もしくは描いてみたい史実があれば教えて欲しいんですが……?
真田:あるといえば無数にあります。俳優として一番やりたい役は【前にやったことのない役】という想いが常にあるんです。科学が進歩したことで、歴史上の人物でも新しく真実がわかってきたなかで、それまでのイメージとは違う角度から描ける。そういう意味では、今だから描ける描き方で歴史上の人物を演じてみたい、というのはありますね。それは人物の新たな解釈であり、描くための最先端のテクニックでもある。そうなると色褪せない人物がたくさんいるので、いつかできたらと思います。
――熱い話を聞かせてくださり、ありがとうございました!我々はスコーピオンと「SHOGUN 将軍」を今後も応援し続けますので!
真田:ありがとうございます(笑)。
【作品情報】
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モータルコンバットネクストラウンド
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