クリストファー・ノーラン監督の新作「オデュッセイア」のチケットに需要が殺到し、米国の映画チケット販売システムが相次いでパンクした、と米バラエティが報じた。北米公開はまだ1カ月以上先だが、IMAXの上映回は既に完売が続いているという。
「オデュッセイア」は、「オッペンハイマー」でアカデミー賞を受けたノーラン監督の最新作だ。古代ギリシャの詩人ホメロスの叙事詩を映画化したもので、トロイア戦争の英雄オデュッセウスが、幾多の苦難を乗り越えて故郷へ帰る旅を描く。キャストは主演級が揃い、オデュッセウスをマット・デイモンが演じるほか、トム・ホランド、ゼンデイヤ、アン・ハサウェイ、ロバート・パティンソンらが脇を固める。
本作は、映画史上初めて全編をIMAXカメラで撮影した、製作費2億5000万ドル(約400億円)の超大作だ。IMAXの大画面を最大限に生かした映像が売りで、ノーラン監督自身、かねて「映画は劇場で観てこそ」という考えを公言してきた。
全編をIMAXで撮れた背景には、カメラそのものの進化がある。従来のIMAXカメラは動作音が大きく、俳優のセリフや静かな芝居を同時に録音するのが難しかった。ノーラン監督作で「セリフが聞き取りづらい」としばしば言われてきた一因でもある。今回IMAXは、防音用のケースを設けるなどして動作音を抑えた新型カメラを開発し、俳優の顔のすぐ近くでも、ささやき声まで使える音が録れるようにしたという。ただしその代償として、カメラは以前より大きく重くなり、システム全体の重量は約180キロに達したと伝えられている。
この新型カメラには「キーリー」という名がつけられた。半世紀にわたってIMAXの画質を支え、2025年8月に77歳で亡くなったデビッド・キーリーさんにちなんだもの。キーリーさんは「オデュッセイア」の映像を最後に確認した、わずか数日後に世を去ったという。
そして劇場体験への期待は、前売りの段階で一気に噴き出した。北米最大の劇場チェーンAMCのアプリは、IMAXなどの大型上映の販売が始まると一時的に受け付けを止め、再開後も待ち時間が1時間に達したという。チケット販売サイトのファンダンゴも大幅に重くなり、とりわけ公開週末の70mmフィルムによるIMAX上映は、数カ月も前に完売した。映画の前売りでこれほどの過熱ぶりは異例だ。
こうしたチケットの争奪戦は、これまで映画よりも大型コンサートで見られたものだ。2023年のテイラー・スウィフト「エラス・ツアー」の劇場版でも、発売直後にチケットサイトが混み合う騒ぎが起きていた。ノーラン監督作が、それに並ぶ熱狂を集めている形だ。
日本での公開は、北米からおよそ2か月遅れの9月11日に決まっている。
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オデュッセイア
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