母校の高校で起きた事件を題材にしたドキュメンタリー作品の制作に取り組む大学生の葛藤を描いた映画『シーシュポスのまなざし』。インタビュー後編では、一緒にドキュメンタリー制作をしている仲間を演じた共演者とのエピソードを披露。また豊田自身のアイドル的存在と合わせて、今ハマっているものも教えてくれた。
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Photo/宮坂浩見
Styling/中村もやし
Hair&Make up/くつみ綾音
Text/佐久間裕子
――真優は自分が通っていた高校での事件をドキュメンタリー作品にするために、先輩や先生といった関係者にインタビューをします。そしてドキュメンタリー制作の仲間たちに「こういうことがあってね。あの先生はこうでね」と状況を説明するセリフが多いですよね。
豊田:多かったですね。難しかったです。間違えられないから(笑)。自分の感情を表現するセリフなら気持ちでどうにかできますけど、インタビューもそうだし、人に話すこと、伝聞のセリフは「どうしよう……。ああ、また間違えた!」って覚えるのが大変ではありました。でも真優はまだ大学生なので、敬語などの言葉選びが拙い部分もあるのかなって思って、監督に「ここはこういう言い回しにしてもいいですか?」と相談させてもらいました。例えば台本上「好意を持っていた」というセリフがあって、そこは好意を持っていたというより「好きだった」って言った方が、真優が自分のいけないところを認めてあげられる、自分の過去を乗り越える感じがあるのかなと思ったんですね。だから私から提案させていただいて、監督も「それで1回やってみましょう」と。そんな感じで言い回しや語尾を変えて真優らしくなるようにしていきました。
――ドキュメンタリー作品を一緒に作っている5人は、取材がうまくいかなくなってどんどんギスギスしていくじゃないですか。ずっとピリッとしていましたけど、現場はどんな雰囲気でしたか?
豊田:全く逆で毎日朝から晩までずっと喋っていました。むしろあんなに和やかだったのに、よくこんなにギスギスできるなっていうぐらい(笑)。みんなの集中力もすごかったし、作品に賭ける想いのベクトルや熱量も同じぐらい熱かったからできたんだと思います。本当に映画の中の空気が信じられないぐらいずっと喋っていました。
――それぐらい話題が尽きなかったと。
豊田:ウミガメのスープという水平思考ゲームがあるんです。それを撮影の合間にずっとやっていました。なんかちょっとこう、なぞなぞチックなゲームで、問題がパッと思い浮かばないんですけど、例えば「この黄色い果物は何でしょう」という問題があって、答えがバナナだったとしてもそんな単純な話じゃないみたいな。もっといろんなことを比べてみて、ちょっとひねった答えを出すのが本当の答えみたいなゲームなんですね。ただでさえ頭を使う作品なのに違うところでも頭を使っていたっていう(笑)。道端を歩くシーンを遠くから引きで撮っていたときも、セッティング中にずっとゲームの会話をしていて、「用意!」って声が掛かったらみんな黙って、「カット」って言われたらまたさっきの話の続きが始まるんです。それぐらい撮影と合間の切り替えがパンパンッとできる5人でした。
――そのゲームは得意でした?
豊田:これでちょっと得意になりました。5日間ぐらい毎日やってましたね。
――ずっとやっても飽きないんですね。
豊田:飽きませんでした(笑)。その話題で話したり、学生役の皆さんとは同世代ということもあって仲良くなるのは早かったですね。
――ゲームに対する真剣さがドキュメンタリー作品に賭ける5人の空気感に良い感じで出ていたのかもですね。
豊田:そうかもしれない(笑)。そのおかげで集中力が高まっていたのかもしれないです。
――後半は事件の関係者のひとりと真優のピリピリするシーンもありましたね。
豊田:その人の部屋で話すシーンですね。あれがクランクインして最初に撮ったシーンでした。
――それは聞いているだけで大変そう!
豊田:死にそうでした(笑)。相手の俳優さんがすごく迫力のあるお芝居をする方なので、圧倒されるというか。でも真優にとっても圧倒される相手だと思うので、変に張り合わず、空気に身を任せてやるようにしました。それが一番に撮ったシーンだったので、最初に山場を乗り越えて、ちょっとした達成感もありましたね(笑)。頑張ったぞ!って、そのまま勢いに乗った感じがありました。
――初日に山場を乗り越えたらもう何でも来いって気持ちになりそうな。勢いのまま撮影して完成した作品を観たときの感想はどうでした?
豊田:こういう風になるんだって思いました。平野(宏周)くんが手持ちで撮ったカメラの映像も使われていたし、インタビューのカメラで撮った映像などいろいろあって、普通の映画より視点が変わる瞬間が多くて、見飽きないなって思いました。ドキュメンタリー作品と劇映画を並行して観ているような気分になりました。派手なことをしているわけじゃないけど、展開も多くてみんながみんな常に何かしらについて考えている。しかも五人五様でそれぞれの考え方を持っているから、より面白いんだなって思いながら見ていました。
――Pop’n’Rollはアイドルの方もたくさん登場するサイトなんですが、豊田さん自身のアイドル的存在を教えてください。
豊田:今は「名探偵コナン」にどハマリしているので、服部平次が私のアイドルですね。カッコイイです。
――平次くん、なかなか好きな子の遠山和葉ちゃんに告白できてませんけど、その辺りはどうですか?
豊田:それがまたかわいくて!(笑)告白できないのに和葉ちゃんがめちゃくちゃ好きじゃないですか。好きなのがダダ漏れの男の子なんて良いに決まってる!
――良いに決まってるんだ(笑)。
豊田:普段だったら和葉ちゃんに「お前が一番大事に決まっとるやないか」みたいなことが言えるのに、いざとなったら言えないみたいな、そのツンデレ感にすごくハマってしまいました。それと私とは色黒仲間だし(笑)。関西人でおもしろいし、アクションもカッコイイシーンが多いのも好きです。
――「名探偵コナン」にハマったきっかけは?
豊田:昨年の劇場版「隻眼の残像」を観てハマってしまって、そこからシーズン1からシーズン22まで、去年の8月ぐらいから毎日観てました(笑)。映画も全作観ましたよ。
豊田ルナ
2002年7月17日生まれ、埼玉県出身。
女優・タレント・グラビアアイドルとしてなど幅広く活動。アイドルグループAND CaaaLLのメンバー。近年の主な出演作に、映画『ウルトラマントリガー エピソードZ』(22年)、ドラマ「3年C組は不倫してます。」(24年)など。
映画『シーシュポスたちのまなざし』
6月5日(金)よりシネマート新宿にて公開
出演:豊田ルナ 平野宏周 髙岡優 山下航平 染野有来
門間航 大友一生 根矢涼香 神嶋里花 さくら 山戸ユキノ 松尾潤 小川涼 北川駿 長澤眞子 溝口奈菜
斉藤陽一郎 山田キヌヲ 橋本美和/細田善彦
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
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