“いつか自分にも来る未来”と向き合う。老齢期医療のリアルに直面した松本穂香が考えたこと

松本穂香さん

“いつか自分にも来る未来”と向き合う。老齢期医療のリアルに直面した松本穂香が考えたこと

5月30日(土) 8:45

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数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが老齢期医療をめぐる問題をテーマにした映画『廃用身』について語ります。

ある画期的な治療、それは…



今回、わたしがご紹介させていただくのは、染谷将太さん主演の映画『廃用身』です。

異人坂クリニック(デイケア)の医院長の漆原糾は、ある画期的な治療を考案する。それは「廃用身」(麻痺などにより、回復の見込みがない手足のこと)を切断することで、患者さんや介護側の負担を軽くするというもの。Aケアと名付けたその介護ケアが人々にもたらしたものは、果たして……。

そこまでして生きることに意味はあるのか



不穏な雰囲気のポスターに惹かれ、ゆるゆるとした気持ちで観させていただきましたが、すぐにそんな気持ちは打ち砕かれました。

衝撃的なビジュアルと内容。人間は誰しも老い、いつかは朽ち果てるということ。普段は目を背けている現実をありありと見せられてしまい、生きるということの意味を考え続ける2時間でした。

今の自分にとってあまりにも現実味がない内容でありながら、世の中にとってはあまりにもリアルな内容で、自分自身とこの世界の問題とのギャップにも思考が追いつきません。

身体の自由を失い、何の楽しみもないなかで生きていくことは命を失うことより辛いのではないか。そうまでして生きることに意味はあるのか。

“思ってはいけない”そんなふうに追いやっていた考えが、この映画を受け止めた今、自分のなかでたくさんの感情になって溢れています。

いつか自分にも来るであろう現実と向き合う



重たくて苦しくて繊細なことだけれど、いつか自分にも何らかの形で来るであろうその現実と、もっと向き合い、もっと考える必要がある。

本当に人生って正解も不正解もない曖昧なものだと思います。最終的に残った考えは、“すべての人がこれでよかったと思える最期を迎えることができればいいのにな”といった能天気すぎるものでした。あまりにもゆるふわな思考だけど、心からそう思います。

どんなホラー映画よりも怖いので、ぜひ覚悟を決めてご覧いただきたいです。

『廃用身』
配給/アークエンタテインメントTOHOシネマズ 日比谷ほか全国公開中©2025 N.R.E.

<文/松本穂香>

【松本穂香】
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年、月9ドラマ『嘘解きレトリック』でW主演。2026年1月期ドラマ『50分間の恋人』では伊野尾慧とともにW主演を務め、『エンジェルフライトTHE MOVIE』がプライムビデオで世界独占配信中。4月スタートのドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』、今秋スタートの連続テレビ小説『ブラッサム』への出演が控えている

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