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ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『老化』について語った。
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★今週のひと言「最近気になってきた老い。未練を残さず楽しみたい」
俺も43歳になり、さすがに老いについて考えないわけにはいかなくなってきた。
俺自身はいわゆる老け顔で、オールバックにしていたり、かわいくない目つきのせいか、20代の頃から実年齢プラス10ぐらいに見られることも多く、老け見えに対して慣れてもいたし、なんならそれぐらいのほうが渋いぐらいに思っていた。しかし、今本当に老け始めると、多少の迷いが出てきたのだ。
一番如実なのは内臓脂肪だ。もともとが痩せすぎていたこともあって、いまだに太ったイメージは持たれにくいのだが、これでも20代の頃から20年かけて体重が10㎏増えた。
以前はいつ何をどれだけ食べても体に肉がつかなかったし、そもそもそんなに食欲自体もなかった。それが今は何を食べても無性にうまく、こんなにうまいものに囲まれた生活に感謝してしまっている。そして、しっかり食べたら食べただけ体に肉がつくようになった。
女が日々1㎏にも満たない体重の増減で一喜一憂する姿をバカにしていたのだが、今ならわかる。日々その確認と微調整をし続けなければ、すぐに取り返しのつかない数字になり、すべてを諦め、肉ダルマに成り果ててしまうからだ。
痩せすぎていたため、30代半ばで60㎏台に到達したときはむしろ喜べたのだが、そこで止まるはずはない。油断していたら70㎏台がすぐそこに見えてきた。怖い。
若い頃に読んだ『神々の山嶺(いただき)』という登山家をテーマにした漫画で、限られた食料で冬山の単独登頂に臨み、遭難し、キャラメルひとかけらをかじり一晩中雪の斜面にすがりつく主人公を見て、快適な平野に暮らす自分がいかにムダに飯を食っているのかと感じ、それを恥じた。
俺はそこから1人前を意識するようになり、大盛り、お代わり、サイドメニューをしばらく自ら禁じるようになった。1食1人前で十分なのだ。それが今ではどうだ。いつの間にか大盛り、お代わり、サイドメニューすべて当たり前になってしまっている。そら肥えようぞ。
俺はいま一度『神々の山嶺』を読み直す必要があるかもしれないな。
とはいえ、いまさら俺が多少太ったからどうだ、とも思う。誰からの目線を気にする必要がある?だって実際に俺は中年なのだ。肥えようがはげようが、それなりではないか。それもわかる。
しかしだ、映画『凶悪』でピエール瀧さんが演じるチンピラ純次(須藤純次)くんをご存じだろうか?
面白い映画なのでぜひ見てほしいのだが、その純次くんは、俺が太ったらこんなふうになるのかなって思わせる姿で、まさに凶悪なのだ。
俺の決して良くない人相も、オールバックも、下品な柄シャツや柄ニットも、細くて弱そうだからこそ許される。俺は意外と身長があるので、このスタイルで太ってしまうとマジでイカついチンピラのようになってしまう。いまさら若い女にモテたいとかではないが、かといって怖がられたいわけでもないのだ。
でもまぁ、俺の人生設計では70歳を超える頃にはキレッキレのサイボーグボディを授かっているはずなので、あと20~30年は思い切り体の老いや衰えを味わい、若さ、エネルギーを渇望する期間があっても全然いいのだが。老いさらばえた肉体になんの未練も残さず、新品のボディに乗り換える。その落差は高ければ高いほど感動するはずだ。
と考えれば、思うようにならない現在の肉体とその変化や衰えさえもいとしく感じられるかもしれない。
撮影/田中智久
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