マーベルを代表する漫画家・編集者として知られるスタン・リーの晩年に密着したドキュメンタリー映画が制作されていたことが、米ハリウッド・リポーターの独占報道で明らかになった。本人の元アシスタントが10年の歳月をかけて完成させたもので、これまで未公開の数百時間に及ぶ映像をもとに構成されているという。
スタン・リーといえば、「スパイダーマン」「X-メン」「アベンジャーズ」「ハルク」など、現在も世界中で愛され続けているマーベルのヒーローを次々と生み出した漫画家・編集者である。マーベル・スタジオが手がける実写映画シリーズ「マーベル・シネマティック・ユニバース」(通称MCU)でも、ほぼ毎作にカメオ出演することで親しまれてきた。2018年に95歳で亡くなっている。
このドキュメンタリー「The Final Chapter(原題)」が映し出すのは、そんなリーの晩年の姿だ。元アシスタントで本作の監督を務めるジョン・ボーラージャックが「高齢者虐待」と表現する状況のなかで、疲弊し過労状態のリーが、各地のサイン会や登壇イベントに連れ回されていく様子を捉えているという。一方で、明るい瞬間も含まれていると、ボーラージャック監督は説明している。
完成までには10年が費やされた。ボーラージャック監督は完成資金として、クラウドファンディングのキックスターターで約8万5000ドル(約1300万円)を集め、撮影・法務・後期制作を含む総製作費は約50万ドル(約7500万円)にのぼった。作品の公開を阻止しようとする動きもあり、それを退けるための法務費用が予算を押し上げたのだという。
米ハリウッド・リポーターは以前から、リーの晩年に親族・側近・財産管理人らがその介護や財産をめぐって争ってきた経緯を継続的に取材してきた。今回のドキュメンタリーは、その渦中にいた人物による内側からの記録という位置づけになる。
ボーラージャック監督は、当時を振り返る。
「スタンが晩年にどんな扱いを受けていたかを目の当たりにすれば、人としての価値観が根本から変わってしまう。彼の周りの人たちは、自分たちが何をしても許されると信じきっていた。何が起きているかを記録することは、自分の責任だと感じた。完成までに10年かかったが、あの数年間の真実を伝えることは、スタンとそのファンに対する責務だと思っていた」
本作は2026年6月27日、米ロサンゼルスで開かれる映画祭「ダンス・ウィズ・フィルム」でプレミア上映される予定だ。配給は米オズモシス・グローバルで、一般公開の戦略は今後発表するとしている。
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