「東京残酷警察」で知られる映画監督の西村喜廣さんが、25日に東京都内の病院で亡くなった。59歳だった。約2週間の入院を経た末の、肝臓疾患によるものだったと、米バラエティが報じている。
西村さんは日本の一般映画ファンの間では決して広く知られた監督ではなかったが、海外、特に北米や欧州のジャンル映画ファンの間では、「東京残酷警察」(2008)以降、「西村喜廣ワールド」とも称される独自の血と造形の美学が、熱狂的な支持を集めてきた人物である。
西村さんは1967年、東京・浅草に生まれた。青山学院大学を卒業後、CM制作会社の太陽企画に入社し、特殊メイクや造形の技術を磨いた。1995年に自主制作した短編「限界人口係数」が、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で審査員特別賞を受賞。劇場長編デビュー作となった「東京残酷警察」(2008)が世界各地の映画祭で大きな話題を呼び、一気に国際的な認知を得ることとなった。
「東京残酷警察」は世界およそ73の映画祭にノミネートされ、5つの映画祭で受賞を果たしている。西村さんはその後も、カナダ・モントリオールのファンタジア国際映画祭、米テキサスのファンタスティック・フェストなどの常連として渡米・渡欧を重ね、日本のスプラッター映画を世界に届ける伝道師のような存在になっていた。
国内では、独自の「残酷効果」という分野を切り拓いた存在として、業界内での信頼も厚かった。「シン・ゴジラ」(2016)ではゴジラの造形監修と特殊造形プロデューサーを務め、実写版「進撃の巨人」シリーズでも特殊メイクプロデューサーとして参加。自主映画出身のホラー監督という顔と、大型日本作品の現場を裏で支える造形のプロフェッショナルという顔をあわせ持つ存在だった。
死去時、西村さんが手がけた新作「Geisha War」(原題)は仕上げの段階だったという。
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