「失楽園」「愛の流刑地」などを世に送り出してきた作家・渡辺淳一氏の“映像化不可能”とも言われてきた一編「シャトウ ルージュ」が、「月がみている」のタイトルで実写映画化し、今年11月の公開を予定していることがわかった。主演には毎熊克哉、小島梨里杏を迎える。
本作は性的欲求を拒絶し続ける美しき妻に不満を募らせた夫が、休暇と称して妻をフランスへ誘い出し、そこで性的なレッスンを施す謎の“城”へ彼女を幽閉するというセンセーショナルな物語。衝撃的なストーリーとともに、人と人とが互いを理解し、尊重し合うことの難しさや尊さ、愛といった人間ドラマをフランスロケと本物の古城を使用した映像美で丁寧に描写していく。
監督をつとめたのは、渡辺淳一の娘・渡邉直子。元々「食堂かたつむり」「ニシノユキヒコの恋と冒険」「母さんがどんなに僕を嫌いでも」などで数々の映画を手掛けてきたプロデューサーとしての顔を持つ彼女が、本作で長編映画初監督に挑戦する。
渡邉監督は制作にあたり「原作では語られなかった、自他を理解し、愛を与える理想郷である城を加え、人間の美しい性愛を女性スタッフを中心に作り上げました」とも語っており、原作に込められたメッセージ性に女性ならではの視点を加え、原作では描き切れなかった主人公・月子の視点を丁寧に織り込んだという。
本作で、妻との関係に満たされない思いを抱える、優秀な医師・克彦を演じるのは、実力派俳優・毎熊克哉。歪んだ欲求を抱える夫に翻弄されながらも、自らの心と身体を見つめ直していく妻・月子を小島梨里杏が演じ、本作で新境地を切り開く。
毎熊は「撮影の日々を思い返すとチクりと痛む罪悪感や喪失感と柔らかい優しさが入り混じった不思議な感情になります」と制作の日々を振り返ったほか、小島は「正直、勇気がいりました。役として“私が月子をやっていいものか”と不安や葛藤もありましたが、それ以上に監督の想いに深い共感があり、気づいたら素敵な皆さまと手を取り合っておりました」とコメント。渡邉監督、毎熊、小島、それぞれが真正面から向き合い“切実な愛の物語”を生み出した。
▼監督、キャスト詳細コメント
【渡邉直子(監督)】
原作の「シャトウルージュ」は渡辺淳一が、男性へ向けて「ちゃんと女性によりそわないと逃げてしまうと発破をかけたくて書いた」と話していました。
私は、性的なことを「いやらしい」「はしたない」と捉える閉鎖的な空気が、人を、特に女性を苦しめることがあるのではと考えていました。
性的なことは、正に我々の生の根源であり、自然で尊いことであると捉えることで、見える景色は変わっていくのではないでしょうか。
原作では語られなかった、自他を理解し、愛を与える理想郷である城を加え、人間の美しい性愛を女性スタッフを中心に作り上げました。
映画「月がみている」を通して罪悪感から解放され、性と生の豊かさを感じて頂けたら嬉しいです。
【毎熊克哉(主演)/夫・克彦役】
私が演じた克彦は外では信頼されている優秀な医師でありながら、内では妻との関係に満たされない気持ちを抱え歪ませている複雑なキャラクターで、撮影の日々を思い返すとチクりと痛む罪悪感や喪失感と柔らかい優しさが入り混じった不思議な感情になります。
本作は男女の性を描きつつ、異文化や他者との関わりの中でお互いの心身を尊重し合う大切さを問うている気がします。
現代に突き刺さる作品になっていますので、是非劇場でご覧ください。
【小島梨里杏(主演)/妻・月子役】
正直、勇気がいりました。役として「私が月子をやっていいものか」と不安や葛藤もありましたが、それ以上に監督の想いに深い共感があり、気づいたら素敵な皆さまと手を取り合っておりました。特にフランスでの撮影は、もう二度と同じ形では出逢えないような日々の連続でした。
この作品と向き合う中で、本当の意味で自分を愛することも教えてもらい、今も静かな温もりが胸に残っています。
この豊かな愛に満ちた世界が、多くの方を優しく包み込めますように。私自身、公開が楽しみです。
【作品情報】
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月がみている
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