<あかね噺>からしの現代風改作落語は視聴者の落語観をも刺激「確かに分かりやすいかも」「落語として正解か?」と意見様々

アニメ「あかね噺」第八席より/(C)末永裕樹・馬上鷹将/集英社・「あかね噺」製作委員会

<あかね噺>からしの現代風改作落語は視聴者の落語観をも刺激「確かに分かりやすいかも」「落語として正解か?」と意見様々

5月27日(水) 19:10

アニメ「あかね噺」第八席より
【動画】TVアニメ『あかね噺』練磨家からし「BM」落語シーン

「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載中の、末永裕樹・馬上鷹将による落語漫画を原作にしたアニメ「あかね噺」(毎週土曜夜11:30-深夜0:00ほか、テレビ朝日系ほか/ABEMA・Netflix・ディズニープラス・FOD・Huluほかにて配信)。5月23日放送の第八席「ニーズ」では、学生落語選手権・可楽杯の本選が開幕。練磨家からし(CV.江口拓也)が披露した改作落語に大きな注目が集まった。(以降、ネタバレが含まれます)

■練磨家からし、現代風改作落語でこの日一番の大喝采

予選を通過した8人の学生落語家が出場する本選がいよいよ開幕した。幾人かがいい具合に会場を温めたあと、自信満々で登場したからしが披露したのは「BM」という演目。ここまで古典落語を見てきた桜咲朱音(CV.永瀬アンナ)の担任・岩清水真智子(CV.伊瀬茉莉也)は現代用語が飛び交うこの演目に、何か既視感を感じ取る。そんな岩清水に、一緒に見ていた阿良川こぐま(CV.小林千晃)は「BM」が「転失気」の噺の構造はそのままに、設定やキーになるポイントを現代風にアレンジした改作落語だと解説する。

馴染みのない古典の用語を使ってもピンとこない、ウケない、面白くないと考えるからしは自身で現代風改作落語を作り、さらに学生客中心の可楽杯でウケることに特化した設定にすることで二連覇を果たしていたのだ。からし流に言えば「客のニーズに応えただけ」「落語は伝統芸能である前に大衆演芸。ウケてなんぼじゃん?」。今回もウケにウケ、この日一番の大喝采で出番を終えた。

放送の約半分の尺を使ってたっぷり見せたからしの「BM」。サゲまでしっかり描かれ、加えて“噺の中の世界”をメインに視覚的にも面白おかしく伝えたことで、「BM、おもしろいじゃん」「めっちゃ現代風にアレンジしてて確かに分かりやすいかも」「大学生は共感できて楽しいだろうね」といった視聴者の感想を多数呼び込んだ。

一方、審査員長の阿良川一生(CV.大塚明夫)は「正直に言って、私は笑えなかった」と落ち着いた物腰で評価。からしは絶賛を期待していたのだろうか、一生のコメントに虚無の表情を見せてしまう。しかしそれも一瞬。リップサービスと分かりつつも、「同年代のお客様方に今日一番ウケていたのは間違いなく君だ」と告げた一生の評価も確かにその通りで、楽屋に戻ったからしは、「まぁーでも分かったろ。創意工夫の無え古典じゃあ、俺には勝てねえってよ」と、朱音に向かって挑戦的な目を合わせるのだった。
アニメ「あかね噺」第八席より


■からしのパフォーマンスは視聴者の落語観をも刺激

今回のからしの改作落語、噺の新しさとユニークさで視聴者の注目を集めたが、それと同時に議論を呼び込んでいたのもまた面白いところだった。肯定派は“分かりやすい現代風アレンジ”を楽しんでいたが、一方で、「からしは古典を軽んじている」という感想を持つ視聴者もいた。

SNSには、「古典の骨格を借りてるクセに、古典へのリスペクトがまったくないのはイカンよ」「結局『転失気』の構造が面白いから成り立っているわけだよね?『俺の落語』じゃないんじゃない」「一生師匠の言葉も、トーシロの学生落語だから許されているというだけの話だ」「ウケることは強い、でもそれが落語として正解か?」と、疑問や反発の声も上がることに。

またさらにその一方で、「もし古典を知らずに改作していたらクソ認定していたがキチンと研究した上で崩せるのは良いと思うな」「エンタメ性で言ったらからしが断然楽しいしアレンジはそれだけ古典を勉強してる証拠」などの意見もあり、からしのパフォーマンスは視聴者の落語観をも刺激する、非常に興味深い一幕となったようだ。

優勝候補のあとはもう一人の注目株、若手声優の高良木ひかる(CV.高橋李依)の出番。そして、それに続くのが朱音。こぐまは手元の出順表に視線を落とし、「嫌な出順だな」「ただでさえ次の演者が『あの噺』を演るっていうのに」と胸中で思う。こぐまが懸念する“あの噺”とは何なのか。

放送後のSNSには、「朱音にライバル心むき出しだったひかる、まさか寿限無を重ねてきたりして」「いよいよりえりーの落語、楽しみ」「声優が声優の落語をどう表現するのか、りえりーちゃんの実力の見せどころ」など次の第九席への期待のコメントが多数寄せられていた。

◆文=鈴木康道
アニメ「あかね噺」第八席より




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