デジタル写真集に挑戦したドンデコルテの渡辺銀次(左)と小橋共作
昨年の『M-1グランプリ』準優勝で注目を浴び、バラエティにCMにチャーハンに大忙しのドンデコルテのふたりが、なぜか初のデジタル写真集を発売!戸惑う渡辺、ノリノリの小橋のふたりがブレイク後の変化とコンビの未来を語る!
【バカリさん、山内さんには一生感謝し続ける】
――昨年の『M-1グランプリ』で準優勝。大活躍されていますが、写真集を出す未来は予想していた?
渡辺
まったくですよ(笑)。若手ばかりの「神保町よしもと漫才劇場」に所属したことで〝自分がおじさんであること〟に気づかされて、すっかり中年キャラになったタイミングで写真集のお話が来るなんて思わないですから。
小橋
僕もビックリでした!もともとモテたくて筋トレしてたんですけど、逆にモテた結果、脱ぐことになるのか!って(笑)。今回は評価されてこなかった筋肉を生かせるのでうれしいです。
――今回のデジタル写真集は〝狂気×メロい〟がテーマです。意気込みのほどは?
渡辺
このように小橋はノリノリですけど(笑)、僕は「こう撮られたい」とかって気持ちがまったくないんです。とはいえ、求められたものには全力でお応えしたいと思っているので、野球でたとえるなら「来た球を全力で打つバッター」のような気持ちで臨みました。
小橋
僕はこの日に向けて6㎏体重を落とそうとしたんですけど、結局間に合わずに3㎏しか減量できなくて。仕上がってないんだよなあ(苦笑)。
とはいえ、僕はエロ本屋の息子ですからね。実家で培ったアドバンテージのすべてを今回の撮影にぶつけました!商品として扱っていた写真集の被写体になるって、不思議ですけどワクワクしますね。
ドンデコルテ デジタル写真集『残響』
――銀次さんは今年の『R-1グランプリ』でも同率2位に。昨年の『M-1』の流れをほうふつとさせました。
渡辺
『R-1』ではファーストステージが優勝した(今井)らいぱちの後、『M-1』はたくろうの後の出番順。最終決戦でトップバッターだったのも一緒ですからね。
小橋
僕はお酒を飲みながら楽しく見てたんですけど、負けたときはやっぱり悔しかったですね。「俺もいれば勝てたのに~!」と思って。
渡辺
いや、おまえがいたら大会が変わっちゃうんだよ(笑)。
小橋
あ、そうか。勝ち負け以前の問題か(笑)。
渡辺
1本目を披露したときに脳裏によぎりましたよね、たくろうが。お客さんは笑ってくれていたけど、「うわっ、あのときと一緒だ。イヤな予感するぞ......」っていう。
小橋
去年の『M-1』って、どうなるかホントにわからなかったんですよ。全組がずっとウケてたから。僕らの点数が出たときも「思いのほか伸びたな」って思ったくらいで。
渡辺
『M-1』はホントに僅差でしたね。ただ、『R-1』でもネタ2本やれたし、何より最終決戦で審査員のバカリズムさんに1票入れてもらえたのがうれしかった!
現場では喜びを噛み締める時間もなかったけど、その後移動中にTVerで見て「入ってる入ってる......!」って小躍りしましたよ(笑)。褒めてもらえそうなので「なぜ僕に入れたのか」をぜひご本人に伺いたいですね。
小橋
それって大きいよね。この前、かまいたちの山内(健司)さんとお仕事させてもらったんですけど、うれしすぎてずっと見ちゃいましたもん。『M-1』で唯一僕らに票を入れてくれた審査員だから一生感謝し続けると思う。
【めちゃくちゃうれしかった『ダウンタウンプラス』】
――今年に入って大忙しだと思いますが、どの仕事が一番うれしかったですか?
小橋
今回の写真集のお仕事ですよ!僕のエロい姿を撮ってもらえるわけですから。
渡辺
横浜DeNAベイスターズの仕事はいいのか?
小橋
あ、嘘つきました!ベイスターズの始球式が1位で、写真集が2番目ですね。
渡辺
キャンプの仕事は?
小橋
ごめんなさい。ベイスターズのキャンプの仕事が2位でした!3位がベイスターズのトークライブ、4位が次のトークライブ......。
渡辺
小橋はベイスターズの仕事が入って初めて「自分にも意味がある」と思えたんでしょうね。それまでは空っぽの入れ物だったから。
渡辺銀次
小橋
そんなこと......ありますね、空っぽです(笑)。もともと秋季キャンプをひとりで見に行くぐらいベイスターズが好きだったから、お仕事になったときはマジで跳び上がるぐらいうれしかった。あと、今年1月に『ダウンタウンプラス』の生配信に出たんですよ!
渡辺
あれはめちゃくちゃうれしかったね!小学生の頃に『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ)が放送されていたので、たぶん僕ぐらいまでがダウンタウンさんの直撃世代なんですよ。志村けんさんは間に合わなくて、松本(人志)さんはどうかなと思ってたらお会いできた。
「嫌いやわあ~!」って言われてしまいましたけど(笑)。あのとき「私は好きですよ!」って返せばよかったなと今になって思いますね。
小橋
僕の世代はナインティナインさんがど真ん中ですけど、『ダウンタウンDX』(読売テレビ)とか『リンカーン』(TBS)も見てたから、「ダウンタウンさんがトップだな」って印象はめっちゃあります。
――ちなみに「一番変だったな」と感じた仕事は?
小橋
今回の撮影のお仕事ですね。体験したことがない仕事だから、うれしいけどめちゃくちゃ変だなと思います。
渡辺
それでいったらチャーハンですよ!普通に家でおいしいものを食べたいと思って作っていたチャーハンが、漫才の大会をきっかけにバズるってどういうことですか。
小橋
僕はナベさんが「銀次チャーハン」で稼働している分、いい感じにお休みをいただいてますけどね(笑)。
渡辺
意味わかんないですよ、小橋よりチャーハンのほうが稼働してるのは(笑)。
あと、ヨネダ2000とかエバースの町田(和樹)が出ていたマクドナルドのウェブCMの撮影も不思議でした。ヨネダは芸風的に歌うのわかるんですけど、現場に行って僕が歌うとなったときはちょっとビックリしましたよ。「え、歌うの?」って。
――結果、そのCMも大バズりですね(笑)。一方で、小橋さんの言い間違いや失言も注目され始めました。
小橋
たぶん、芸人を始める前はツッコんでくれる人がいなかったから、ただのヤベエやつだったんですよ。それが、NSC(吉本興業の芸人養成所)に入って同期とかから「変だ」と言われて初めて気づいたっていう。
ナベさんは言い回しとか言葉の使い方をめっちゃ気にするから、意識しすぎてよけいに空回りするようになりました。
渡辺
確かに組み始めの頃はイライラしてたんですよ。たぶん、自分の中に「こうあってほしい」という相方像があったんでしょうね。けど、小橋はそいつじゃない。そう思えるようになってから接し方が変わりました。さすがに漢字で「銀次」って書けなかったときは愕然としましたけども。
小橋
それは大喜利だったので「早く書かなきゃ!」って焦ってたら、全然違う漢字を書いちゃって......あれ、どんな漢字だったっけ?
渡辺
「銀」を「餌」みたいな漢字で書いてた。
小橋
気持ち悪い~(笑)。
小橋共作
――お金の使い道にもだいぶ違いがありそうですね。
渡辺
3月にようやく収入が跳ね上がったトコなのでいろいろと買いたいんですけど、なんせ使う暇がなくて......。
小橋
僕のほうは空いた時間にブランド品を買いまくってます(笑)。何十万円もする買い物は器が追いつかないので、「あ、これいいな」と思った数万~十数万円の時計とかリュックとかをちょこちょこと。
渡辺
実は、私も物欲がめっちゃあるんです。小橋みたいにハイブランドではないんですけど、革ジャンとか革靴とか長く使える革製品が好きなので仕事の合間を縫って手に入れたいですね。あとは衣装用の新しいスーツも欲しいですし、何より今はいい枕を買って熟睡したい。
――ゆっくり眠って疲れを取りたいと。そういう時期って何者でもなかった頃が懐かしくなりませんか?
渡辺
なりますねえ......。昨日バタバタではあったんですけど、久しぶりに今所属してる「神保町よしもと漫才劇場」の出演があって。で、楽屋にいる後輩たちが「終わったらダーツ行こう」とかって楽しそうに遊ぶ約束をしてるわけですよ。
彼らは劇場の仕事が終われば何もないし、きっと明日もゆっくり過ごしてる。もちろん大人なので口には出しませんでしたけども、心の中で「めっちゃうらやましい~!」と叫んでました(笑)。去年まで売れたくて仕方なかったのに、いざ忙しくなってみると「全空きのときあったな......いいなあ」と思うものなんですね。
【文豪と肩を並べるのは恐れ多すぎます(銀次)】
――今年1月の単独ライブで配信チケット販売枚数が驚異の1万2000枚を突破。今後の新たな目標は?
小橋
もちろん全国ツアーもそうですけど、ナベさんと僕の地元で単独ライブをやりたいですね。それとアメリカに行ってみたい!僕は米軍基地の周りで育って、完全にアメリカ至上主義者なので。
渡辺
「逆だろ、普通」って思うんですけど、沖縄の人って意外とそうみたいですね。
小橋
直接接すると、アメリカ人って優しいし紳士的だしいいにおいするし、とにかくカッコいいんですよ。僕の世代は中学の頃に映画『8 Mile』がはやったので、エミネムきっかけでヒップホップとか洋楽にのめり込んだのもあります。夏はロサンゼルス、冬はニューヨークに行きたいですね。
渡辺
小橋は実家のエロ本屋とベイスターズ、アメリカで構成されてますから(笑)。配信が伸びた理由が一時的な人気だとしたら、やっぱいろんなところで力をつけないと先がないじゃないですか。だから、僕は漫才師としてどこでやってもウケるようなネタを模索したいです。
ドンデコルテ デジタル写真集『残響』
――読書家としても知られていますが、本を出版したいという思いは?
渡辺
本がめっちゃ好きだからこそ、「いやいや、とんでもない!」って気持ちがあります。ネタを書いてるから多少なりとも作品を完成させるしんどさもわかりますし、そもそも本棚に自分の本が並んでるのが恥ずかしいというか。
だって、想像してみてください。「芥川龍之介」「太宰治」みたいな文豪の方たちと「渡辺銀次」が肩を並べているんですよ?(笑)。そんなの恐れ多すぎますって。
たぶん、劇場に慣れすぎたんでしょうね。今のところ、「何かを残したい」「これを形にしたい」みたいな気持ちは湧かなくて、漫才でもコントでもピン芸でもトークでも、お客さんの前でやるライブがすごく好きなんですよ。
とにかく生の舞台が楽しいから、「これをやって生きていけるように、今はいろんな仕事に全力で挑もう」と思ってます。
●渡辺銀次(わたなべ・ぎんじ)
1985年生まれ、山口県周南市出身。カゲヤマの益田康平の実家で同居生活を送っており、そこでよく作っている"銀次チャーハン"も注目を集めている
●小橋共作(こばし・きょうさく)
1989年生まれ、沖縄県宜野湾市出身。趣味は海外ドラマ、筋トレなど。横浜DeNAベイスターズファンで、球団主催イベントにもドンデコルテとして多数出演
■ドンデコルテ
2019年11月結成。渋谷・神保町よしもと漫才劇場を拠点に活動。25年の『M-1グランプリ』で初めて決勝に進出し、準優勝を果たした
ドンデコルテ デジタル写真集『残響』
取材・文/鈴木 旭撮影/藤城貴則スタイリング/庄 将司ヘア&メイク/塩田結香、田森春菜(JULLY)
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