クリストファー・ノーラン監督の最新作「オデュッセイア」でヘレネ役に起用されたルピタ・ニョンゴが、起用への批判に反論した。
「オデュッセイア」のキャスティングをめぐっては、米保守系メディアの論客から、黒人女優であるニョンゴをヘレネ役に起用したことへの批判が相次いでいた。デイリー・ワイヤーのマット・ウォルシュはXに「ルピタ・ニョンゴを『世界一の美女』だと本気で思う人間など、地球上に一人もいない」と投稿。X所有者のイーロン・マスクも、この投稿に賛同を示した。マスクはかねてから、ニョンゴのヘレネ役起用をめぐってノーラン監督を「誠実さを失った」と非難してきた。
「世界一の美女」と語り継がれるトロイのヘレネは、2004年のハリウッド映画「トロイ」をはじめ、これまでスクリーン上では金髪に碧眼の白人女性として描かれてきた。だがホメロスの叙事詩「イリアス」「オデュッセイア」自体には、ヘレネの肌や髪の色を具体的に示す描写はない。
ニョンゴは米エル誌のインタビューで、ヘレネ役への向き合い方をこう語る。
「美しさは演じきれるものではありません。私が知りたいのは、そのキャラクターが何者なのか。美しさの先には何があるのか、ということなんです」
「オデュッセイア」が歴史劇ではなく神話の物語であることを強調し、外見ではなく書かれた言葉をもとに役作りをしてきたという。
批判そのものへの姿勢についても、ニョンゴは淡々と語る。
「弁護を考えることに時間を費やすつもりはありません。批判は、私が向き合うかどうかにかかわらず、存在し続けるものですから」
キャストの多様性についても、「私たちのキャストは世界を代表しています。私たちは、この時代の叙事詩を生きているんです」と述べている。
「オデュッセイア」は、ホメロスの叙事詩を映画化した作品で、トロイア戦争後、マット・デイモン演じるオデュッセウスが10年の歳月をかけて妻ペネロペのもとへ帰還する物語を描く。共演にはトム・ホランド、アン・ハサウェイ、ゼンデイヤ、ロバート・パティンソンらが名を連ねている。
「オデュッセイア」は2026年7月17日に全米公開、日本では9月11日より全国公開される。
【作品情報】
・
オデュッセイア
【関連記事】
・
イーロン・マスクの「オデュッセイア」批判が再燃ペイジへの配役の噂にも噛みつく
・
「オデュッセイア」最新予告編、全員アメリカ英語が物議をかもす
・
クリストファー・ノーラン「オデュッセイア」の上映時間に言及 「『オッペンハイマー』より短い」
Photo by Lia Toby/Getty Images for BFI