竹俣 紅連載:『紅色の左馬』第34回
スポルティーバとBSフジの競馬中継番組『BSスーパーKEIBA』とのコラボ企画、竹俣紅アナウンサーの連載『紅色の左馬』。今回は、番組で初めて挑戦した本馬場実況における裏話とともに、オークスで注目している"ドラマ"について綴ってもらった――。

『BSスーパーKEIBA』では、毎週パドック進行を担当していますが、先週のGⅠヴィクトリアマイルでは、パドック進行に加えて、初めて本馬場実況も担当させていただきました。
本馬場入場の曲が流れ始めると、いよいよレースが始まりの時を迎えるのだなと、気持ちが高ぶってきますよね。あの瞬間、すごくワクワクします。
さあ、この曲の雰囲気に合った"女声"のアナウンスとは、どうしたらよいものか。
準備をするなかでいろんな声を出してみましたが、やはり自分自身も"男声"に馴染みがあるわけで、結局どうやっても新感覚という感じ。こればかりは、引き続き"女声"のなかでのベストを探っていくしかありませんね。
初チャレンジの私の本馬場実況は、新感覚だけど、どこか懐かしい――そんなコンセプトを目指す、というところに行きつきました。
長年競馬を楽しまれている方たちに、一頭一頭のここまでの物語、携わる方たちの思いを感じていただけたら、そして特に、受け継がれていく血統のロマンを感じていただきたいな、という気持ちで口上の文章を考えました。
血統表を見て、かつての名馬がどんな走りをしていたのか、それがどう子孫に受け継がれているのかを見るのがもともと好きですし、この本馬場実況のためにも、昔の映像をたくさん見ました。
その当時を思い出していただけるような言葉選びを心がけた口上。どのくらい伝わるものだろうか......と思っていましたが、スタジオで、ゲストの鈴木淑子さんが細かい箇所まで気づいてくださって、懐かしんでくださったので、本当にありがたかったです。
また、牝馬GⅠということで、"女声"であることを逆手に取って、出走馬の気持ちになって喋ってみたり、彼女たちのかわいさや華やかさを出せるように意識したりと、いろいろ工夫を凝らしました。このあたりは完全に新感覚だと思いますので、試行錯誤にどうかお付き合いください。
そして今日も、GⅠオークスのパドック進行&本馬場実況を担当します。よろしくお願いいたします。
ところで、各馬の口上を考える時、人馬のストーリーを詳しく調べ、その馬が勝った時のことを想像して文章を作っていくと......予想がしにくくなりますね!
なんだかもう、どの馬にも勝ってほしい!という気持ちになってしまって、平静を保てなくなります。ドラマがデータを超えようとしてくるんですよね(笑)。
オークスでは、こんなドラマはいかがでしょう?
"バラ一族"ラフターラインズが、一族悲願の樫の女王に!
多頭数でどうか?というところはありますが、勝ったGⅡフローラSのラップタイムを見れば、ラスト3ハロンが加速ラップ。開幕週の馬場で差しきることができたのはすばらしいですよね。
3代母ローズバドは、フローラSでは末脚届かずの3着。ひ孫はそれを超えたということになります。牝系を見るのが好きなので、こういう物語はたまらないですね。
フローラSのパドック進行の冒頭で、「勝利の女神を楽しませれば、つぼみほころび樫の舞台に」と申し上げたところ、まさにつぼみを開いてくれたバラ。樫の舞台で満開になるでしょうか。
それでは、今週も一緒に競馬の"ドラマ"を楽しみましょう!

Profile
竹俣 紅(たけまた・べに)
1998年6月27日生まれ。東京都出身。2021年フジテレビ入社。
趣味:競走馬のぬいぐるみ集め血統表を眺めることガチャピン
モットー:元気に、地道に、前向きに
『BSスーパーKEIBA』
(毎週日曜・午後3時00分~)
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