連載【果てしない延長戦】第5回
元Jリーガーで、現在は秋元康プロデュースの昭和歌謡グループ・SHOW-WAのメンバーとして活躍する青山隼の連載「果てしない延長戦」。現役時代の先輩や戦友をはじめ、各界で活躍する方をゲストに招き、「人生の転機」や「次への挑戦」をテーマに熱く語り合う。
引き続きゲストは、お昼のバラエティ番組『ぽかぽか』(フジテレビ系)で神田愛花、相方の岩井勇気と共にMCを務める、ハライチ・澤部佑さん。番組共演の出会いから卒業までを語った前編に続き、後編では番組MCになるまでの葛藤や芸能界で戦うための秘策、芸人人生の転機やコンビ結成20年について語ってくれた。
【MCのポジションに馴染むまでの葛藤】
――今年3月末にSHOW-WAとMATSURIは『ぽかぽか』を卒業。一方、澤部さんはMCを務めて4年目になりますが、平日の帯番組を担当されていると平日のサイクルはどう変わりましたか?
澤部
もはや、平日感はないですね。先日、番組が収録放送の週があって、久々に平日の昼間が空いたんですよ。人間ドック行って、町中華でご飯食べて帰って。周りの何気ない会話を聞いていたら、「俺たちはこの数年間、地下室に閉じ込められていたのか」と思うくらい、平日感が怖くなりました(笑)。
青山
怖いですね。僕と同世代なのに芸歴の差は半端ないですし、平日昼間のMCまでやられていて本当にすごいなって思います。
澤部
でもね、毎日通うと番組が学校みたいになってくるんですよ。昼間に学校行って、そのあとに入っている仕事がバイトみたいな感覚というか。
青山
確かにそうですね。他の番組に出るとき、澤部さんでも毎回「ここで爪痕を残さなきゃ」とか思いますか?
澤部
うん、思っているかな。目立ちたい気持ちはどこかにあるし、後輩や若手芸人がいるなら譲らなきゃなって思いもあって、ちょうどその狭間にいますね。
――初めて帯番組のMCを務めることに、当時は怖さもありましたか?
澤部
ありましたね。当時の自分はそんなポジションじゃなかったし、MCやるなんておかしいよなって思いが強くて。でも、『ぽかぽか』の前に『なりゆき街道旅』という旅番組のMCをやらせてもらったんですよ。それも最初は、「30代前半の芸人がやる内容じゃないし、役者さんにお話を聞けるような器じゃない」って思いから始まって。前身番組の秀さん(中山秀征)の回し方をマネしてみるとか、できるMCのフリしてやってみるとか。
青山
自分はそんなポジションじゃないってところから、今はMCとして活躍されているのがすごいですね。
澤部
MCのツラして思い切りやると見えてくるというか、何事も慣れなんだと思うんですよ。ポジションや立場が自分を引き上げてくれるので、だんだんできるようになってくる。若手の頃は全然MCをやるようなタイプじゃなかったんですけど、そこからMCのお仕事をいただくようにもなって。結局、自分にはできないって断っていたら、上がっていけないですよ。
青山
今まさに、SHOW-WAは番組を卒業して、個人でも戦っていかなきゃいけなくて。だけど、いざ番組に出ると「爪痕を残さなきゃ」って焦りと失敗したらどうしようって不安もあるじゃないですか。澤部さんなりに葛藤しながら進んできたというお話を聞いて、まずはやってみることが大事なんだなと。今後も新しい番組にチャレンジしていく立場で向き合いたいと思います。
【バラエティをサッカーに例えると】
青山
バラエティに対しての準備は、いつもしていくものですか?
澤部
準備は大事ですよね。バラエティの台本なんてあってないようなものですけど、MCからこの振りは絶対あるだろうな、ここでエピソードトークを挟めるなってところは用意しているかな。前に出なきゃ何も始まらないっていうのは、サッカーも同じでしょ?
青山
そうですね。試合の流れで「今ここで出る」みたいな感覚はなんとなくわかってきて。ポジションはボランチだったので、基本的には後方でバランスを取りながらプレーするタイプで。ただ、ダブルボランチの相方が攻めているときとか、ポジションを崩してでも前に出たほうがいいときもあって。
澤部
バラエティは、前に出過ぎてカウンターくらったとしてもその失点すら笑いになるからね。思い切りやって滑っても周りのみんながいじって展開を作ってくれる。だから、失点を恐れず仕掛けてぶつかっていくしかない。キャリアを重ねると、失敗したけど別にいいかって気持ちになってきますから。今日はダメだなってなったら、「早く帰って酒を飲もう」って思いながら収録途中でスイッチを静かに切ることもあるし(笑)。
――青山さんのボランチの経験は、バラエティの世界で活かせると思いますか?
澤部
いや、バラエティの世界に来たとき、青山さんの役割はボランチじゃないんですよ。後方でバランスを取るのはMCとかひな壇芸人がやることなので、今の青山さんは試合中にピッチに入ってきちゃうサポーターくらいの気持ちでいったほうがいい。だから、いつでも脱げる状態で、メッシとかクリスティアーノ・ロナウドの近くに行って写真を撮ろうとするテンションでいてもらいたいですね(笑)。
青山
わかりました(笑)。MCの立場からすると、100%で走ってくるフォワードはやりやすいものですか?
澤部
めちゃくちゃありがたい! 雑なロングボールを蹴っても全力で走ってくれて、周りの人と競り合って何かを起こしてくれたら助かりますよ。
青山
ゴール前の位置でフリーキック獲得できるかもしれないですもんね。PKってことですね!
澤部
さっきからずっとサッカー例えですけど......サッカー見ない読者は意味がわかんないでしょ(笑)。青山さん、お芝居はどうですか?
青山
グループに入る前から舞台に出ていたので、今後はお芝居の幅も広げていきたいです。ダンス練とボイトレがマストですけど、殺陣にも挑戦したくて。
澤部
いいですね、ちょんまげ似合いそうだもんね(笑)。歴史上の人物で演じるなら誰がいいですか?
青山
やっぱり......織田信長ですかね。
澤部
早すぎるだろ!(笑) どんな物語でも重要人物だから、いきなり信長はムリですよ。
青山
そうですね(笑)。それなら、やっぱり切られ役ですかね?
澤部
明るくていいやつだけど、ワーって斬りかかって次のシーンでは死んじゃうちょっと悲しい役ね。俺、そういう斬られ役を結構やっていたので、そのポジションを青山さんにあげますよ(笑)。
青山
いただいていいんですか!? はい、澤部さんのポジションを引き継ぎます!
【コンビ結成20年など節目だらけ】
――澤部さんにとって、人生の転機はいつ頃だと思いますか?
青山
あー! そういう話をマジで聞きたかったんです!!
澤部
え? だって、人生の転機とかがテーマの連載でしょ? それがメインなのになんで驚くの(笑)。でも、やっぱりお笑いを始めたことですね。中学卒業のときに友達に誘われて、俺が幼馴染の岩井を誘って3人でやることになって。高校生になったらその友達が抜けて今のコンビになったんですけど、面白そうじゃんって始めたままやり過ごしているというか。ただね、売れる自信だけはめちゃくちゃあった(笑)。
青山
えー! すごいですね......!
澤部
岩井の書いたネタと共にやっていけば大丈夫、ちょっとでもテレビに出れば結果を残せるっていう根拠なき自信があって。もちろん、『M-1グランプリ』とか『ピカルの定理』に出たとか、ステップアップのポイントはその都度あるんですけど、お笑いを始めたあの頃が一番大きな転機ですね。
――今年はコンビ結成20周年、ラジオ『ハライチのターン』10周年、さらに40歳という節目だらけです。
澤部
そうなんですよ!最近40って数字がやたら目につくんですけど、「ねるねるねるね」と「からあげクン」も40周年で僕らと同級生。今でも愛されている商品ですからね、僕らもせっかくなのでいい年にしたいですね。
青山
おめでとうございます! 僕は去年からしんちゃん(寺田真二郎)とラジオを始めたんですけど、ラジオで心がけていることはありますか?
澤部
岩井やスタッフさんと大事にしていることは、「初見の人を置いていかない」ってことかな。身内ノリにならないように、「お昼の番組『ぽかぽか』でMCをやっていまして......」とかちゃんと説明しながら話すのは気をつけています。全員が知っていて当たり前じゃない、という意識を持つのは大事かもね。
青山
え! 僕らの番組、身内ノリになっています......。今後の課題ですね。
澤部
いや、課題にしなくていいよ(笑)。そっちを楽しみにしているリスナーもいるけど、新規も増やさないと続けられないし。バランスが大事だと思いますよ。
――10月にコンビ結成20年、ラジオ10周年を記念したZeppツアーが開催されますが、節目だからこそ力を入れたいことは?
澤部
初の番組イベントなので、まずはそれを成功させること。あとは、長女が春から小学校6年生になったんですよ。来年は中学受験が待っているので、コンビ20周年とかやっている場合じゃない(笑)。長女の中学受験に集中したいです!
青山
大事ですよね(笑)。澤部さん、人生で一番大事にしているものってなんですか?
澤部
"人の顔色を伺う"ってことですかね。相方から「澤部は自分を持たず、スタッフさんの言うことを聞いてやっているだけだ」ってよく言われるんです。今の時代、"自分を大事に"って言うけど、そうじゃないところにやりがいを見出していて。MCをやっているとゲストの顔色を伺って、みんなに楽しんで帰っていただくのが一番嬉しいんです。顔色を伺っておけば、どんなピンチでも大体切り抜けられますからね。
青山
僕は顔色を伺う前にいっちゃうタイプなので......。
澤部
そのままでいいですよ(笑)。SHOW-WAの武道館、見に行きたいですね。2年以上『ぽかぽか』に出てもらって、番組サイドで「紅白に連れてって」企画を打ち出して走ってきたから、やっぱり紅白の舞台に立つ姿も見たい。最後まで応援し続けたいですよ。
青山
絶対叶えたいです。SHOW-WAの武道館も紅白も見にきてほしいです!
澤部
紅白は見に行けないでしょ(笑)。初出場なのに「SHOW-WAの関係者です」って言えば入れてもらえる?
青山
そんな力はないです(笑)。もっと頑張って、澤部さんと他局の番組でもご一緒できるように這い上がっていきたいと思います。だから、僕らのことを絶対に忘れないでください!
澤部
こちらこそ(笑)。楽しみにしていますよ。
★果て戦だけの激レアSHOW-WAオフショット★
ファンクラブツアー中、マネージャーが舞台裏から激写したマル秘ショット。
■澤部佑(さわべ ゆう)
1986年5月19日生まれ埼玉県出身
◯お笑いコンビ「ハライチ」のツッコミ担当。2006年に幼馴染の岩井とコンビを結成。現在は『ぽかぽか』(フジテレビ系)のほか、『日曜日の初耳学』(TBS系)、『バスケ☆FIVE~日本バスケ応援宣言~』(テレビ朝日系)などにレギュラー出演中。ラジオ『ハライチのターン』(TBSラジオ)10周年、コンビ結成20周年を記念して、10月3日(土)のZepp Fukuokaをはじめ全国にてZeppツアーを開催予定。
■青山隼(あおやま じゅん)
1988年1月3日生まれ宮城県出身
◯2006年にプロデビュー。U-20日本代表経験を持ち、Jリーガーとして名古屋グランパス、セレッソ大阪、徳島ヴォルティス、浦和レッズでプレーし、2015年に現役引退。その後は、俳優として舞台やドラマ等に出演。現在は、秋元康プロデュースの昭和歌謡グループ・SHOW-WAのメンバーとして活動中。ラジオ『SHOW-WA寺田&青山の青春時代を取り戻せ!』(CBC、毎週日曜22:00~)レギュラー出演中。2026年10月1日(木)にはSHOW-WAとして初となる日本武道館での公演が決定!
公式X【@jun_aoyama1988】
公式Instagram【@jun_aoyama_show-wa】
取材・文/釣本知子撮影/上村透生
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