「ドラッグストア戦国時代」に何が起きている!?超巨大経営統合が実現、異色の立場をとる企業も...

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「ドラッグストア戦国時代」に何が起きている!?超巨大経営統合が実現、異色の立場をとる企業も...

5月23日(土) 7:00

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昨年12月、業界首位のウエルシアと5位のツルハが経営統合し、売上高で2位に倍以上の差をつける"超巨大連合"が誕生。風雲急を告げるドラッグストア業界の現在地をリポート!【ニッポン経済 令和の業界再編 三国志 Part2.ドラッグストア】

*社名、店名表記はホームページに準拠。データは5月7日時点で、店舗数は国内のみで、海外店は含まない。売上高、営業利益、時価総額は運営会社のものを、店舗数はグループ全体ではなく、当該ブランド単体のものを記した。売上高を公表していない企業もあるため、店舗数で順位をつけた。価格はすべて税込みで、店舗によって価格が異なる場合もある

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【大型M&Aは一服。地方チェーンがカギに】 昨年12月に業界首位のウエルシアHDと業界5位だったツルハHDが経営統合し、売上高2兆円規模の巨大チェーンが誕生した。

続く2位には、2021年にマツモトキヨシHDとココカラファインが経営統合して誕生したマツキヨココカラ&カンパニー(以下、マツキヨココカラ)がランクイン。

マツキヨココカラは近年再びM&Aの動きを強めており、昨年10月に福岡の新生堂薬局を、今年4月には東京・埼玉に展開するユニバーサルドラッグをそれぞれ買収し、中小ドラッグストアを続々と吸収しているのだ。世はまさに、ドラッグストア戦国時代である。

市場規模9兆円の巨大マーケットで、今何が起こっているのか?ここからは大手企業の事業支援を多数行なう、スペックホルダー代表の大野泰敬(やすのり)氏に解説していただく。

【売上高1位】ツルハドラッグ(運営会社:ツルハHD)/ウエルシア薬局(運営会社:ウエルシアHD)《売上高》2兆2850億円《営業利益》743億300万円《時価総額》1兆1310億200万円《店舗数》3993店*ツルハHDおよびウエルシアHDの公表値を単純合算した参考値昨年12月に経営統合し、不動の業界最大手に。ウエルシアHDの親会社であるイオン主導で、イオン経済圏やポイント制度を活用しつつ、ウエルシア、ツルハのシナジーを高め合えるかがカギ

【売上高1位】ツルハドラッグ(運営会社:ツルハHD)/ウエルシア薬局(運営会社:ウエルシアHD)《売上高》2兆2850億円《営業利益》743億300万円《時価総額》1兆1310億200万円《店舗数》3993店*ツルハHDおよびウエルシアHDの公表値を単純合算した参考値昨年12月に経営統合し、不動の業界最大手に。ウエルシアHDの親会社であるイオン主導で、イオン経済圏やポイント制度を活用しつつ、ウエルシア、ツルハのシナジーを高め合えるかがカギ





まずは業界トップを独走するツルハウエルシアの戦略から。

「深夜営業や調剤併設店舗の多さ、カウンセリングサービスの充実、訪問介護や介護タクシーといったサービスが強み。特にウエルシアは、地域に密着した総合ヘルスケアステーションのようなスタイルを目指しているようです」

ツルハとウエルシアの経営統合によって、どんなシナジーが起こるのか?

「まず挙げられるのが、それぞれのPB(プライベートブランド)商品を融合し、より独自性や収益性の高い商品展開が可能になったことでしょう。これによりブランドの新たな魅力を消費者に訴求できます。

そして経営統合によってイオン傘下となったので、イオングループの経済圏を活用して集客できることも大きなメリット。例えばイオン独自のポイント制度であるワオンポイントと連携したり、イオンの製造する弁当や惣菜(そうざい)を仕入れて展開するなど、さまざまな取り組みが期待できます」

【売上高2位】マツモトキヨシ/ココカラファイン(運営会社:マツキヨココカラ&カンパニー)《売上高》1兆616億円《営業利益》820億8200万円《時価総額》9643億5300万円《店舗数》1959店アジアを中心に海外79店舗を展開し、そのブランド力を生かしてPB商品の開発にも力を入れる。また、デジタルマーケティングにいち早く力を入れ、アプリクーポン制度などを拡充させている

【売上高2位】マツモトキヨシ/ココカラファイン(運営会社:マツキヨココカラ&カンパニー)《売上高》1兆616億円《営業利益》820億8200万円《時価総額》9643億5300万円《店舗数》1959店アジアを中心に海外79店舗を展開し、そのブランド力を生かしてPB商品の開発にも力を入れる。また、デジタルマーケティングにいち早く力を入れ、アプリクーポン制度などを拡充させている





続く業界2位のマツキヨココカラの特徴は?



「ツルハウエルシアの地域密着路線とは異なり、"アジアナンバーワン"を目指して海外展開にも力を入れている印象です。また化粧品などのPB商品も好調で、全体売り上げの13%を占めています。

一番の強みはデジタルマーケティング。アプリを使った新規顧客の獲得も巧みで、例えば店頭のレジカウンターで、限定クーポンを宣伝材料にアプリダウンロードを直接呼びかけるなど、サービスのDX化に注力して取り組んでいる様子がうかがえます」

ココカラファインのヘビーユーザーであるAさん(20代女性)に魅力を聞いた。

「週に2日は絶対行きますね。普段は日用品や食品など幅広く購入します。アプリでは毎日2回挑戦できるルーレットクーポンや、毎月数回使える各種クーポンも配信されていて、購入時には10~15%の割引が適用されるので重宝しています。あとポイントもたまりやすいのが魅力ですね」

【売上高3位】ドラッグストア コスモス(運営会社:コスモス薬品)《売上高》1兆113億円《営業利益》404億400万円《時価総額》5017億7000万円《店舗数》1689店九州を拠点に全国的に展開するドラッグストアコスモスは、M&Aに頼らずに売上高1兆円を達成。売り上げの約6割が一般食品で、広い駐車場を構える「異色のドラッグストア」として注目を集めている。

【売上高3位】ドラッグストア コスモス(運営会社:コスモス薬品)《売上高》1兆113億円《営業利益》404億400万円《時価総額》5017億7000万円《店舗数》1689店九州を拠点に全国的に展開するドラッグストアコスモスは、M&Aに頼らずに売上高1兆円を達成。売り上げの約6割が一般食品で、広い駐車場を構える「異色のドラッグストア」として注目を集めている。





最後に業界3番手のコスモス薬品について。大野氏は、同社が運営するドラッグストアコスモスを"異色のドラッグストア"と評する。

「売上比率の61%を占めるのが一般食品で、医薬品が14%、化粧品が9%。さらに言うと調剤併設率は全体のわずか3%なので、もはやドラッグストアというよりスーパーに近い。ドラッグストアから食品ディスカウントストアのような形にシフトさせているのかもしれません」

M&Aの激しい業界の中で、コスモス薬品は競合を買収せずに自社の力だけで売上高1兆円を成し遂げたことも評価できるポイントだと大野氏は語る。独自路線で今後どう展開していくのか要注目だ。

では今後、ドラッグストア業界はどうなる?

「大手の大型M&Aはいったん落ち着きを見せ、その代わり地方チェーン同士、または大手と地方チェーンとの連携が進んでいくのではないかと予想しています。

そして今後、少子高齢化の影響から長期的に見ると国内市場は縮小傾向となるため、大手各社では海外進出を強化していく可能性もあるでしょう」

大型の経営統合ラッシュは終わり、以降は地方チェーンが統廃合されるフェーズに。いつも利用している地元のドラッグストアが、ある日突然"衣替え"するなんてこともありそうだ。

取材・文/逢ヶ瀬十吾、瑠璃光丸凪(A4studio)イラスト/沼田建写真/共同通信社時事通信社

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