【第79回カンヌ国際映画祭】LGBTQ+題材、女性監督作、ドイツ占領下時代描く作品目立つコンペ部門表現の自由訴える議論も

ジョン・トラボルタが監督作披露

【第79回カンヌ国際映画祭】LGBTQ+題材、女性監督作、ドイツ占領下時代描く作品目立つコンペ部門表現の自由訴える議論も

5月22日(金) 16:00

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第79回カンヌ国際映画祭も終盤を迎え、話題作が出揃った。コンペティションで人気が高いのは、パベウ・パヴリコフスキ監督が文豪トーマス・マンを描いた「Fatherland」、濱口竜介監督がフランスと日本で撮った「急に具合が悪くなる」、ジェームズ・グレイ監督がアダム・ドライバー、マイルズ・テラー、スカーレット・ヨハンソンを起用した「Paper Tiger」、ルーマニアのクリスティアン・ムンジウ監督がノルウェーで起きた実話をもとにした「Fjord」、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督の9年ぶりの新作「Minotaure」、前作「CLOSE クロース」がカンヌのグランプリを受賞したルーカス・ドンの新作「Coward」あたり。

ナ・ホンジン監督の「Hope」は、「グエムル漢江の怪物」と「アバター」を足して割ったような作品で、これまでならミッドナイト枠に入りそうな作風だが、敢えてコンペティションに入っているのを審査員長のパク・チャヌクがどう評価するかが注目される。各賞は、5月23日のセレモニーで発表される。

今年はクィア・パルム候補のLGBTQ+映画が多く、22本のコンペティション中7本が該当する。女性監督作はコンペティションに7本、ある視点部門は11本あり過半数を超えた。またドイツ占領下を描いた作品が目立ったのは、時代の空気だろうか。

全体的にアメリカ映画が少ないなかで注目を浴びたのは、ロン・ハワード監督が写真家リチャード・アベドンを描いたドキュメンタリー「Avedon」、ジョン・レノンが殺害された当日に収録された、最後のインタビューをもとに、スティーブン・ソダーバーグが監督した「John Lennon: The Last Interview」、ジョン・トラボルタが自身の子供時代の思い出をもとに監督した1時間の作品「Propeller One-Way Night Coach」など。大歓声で迎えられたトラボルタは、「まさかカンヌに入選するとは期待していなかったので、本当に光栄です。わたしの大好きな作品は、カンヌでパルムドールに輝いたものばかり。カンヌから映画を学びました」と語った。

さらにカンヌのトピックのひとつとして、表現の自由を訴える議論も盛んだ。現在フランスでは、有料テレビ放送局で映画制作もおこなう大手、カナルプリュス(Canal+)がチェーン系の映画館UGCを買収する話が出ており、これに多くの映画人が反発。というのもカナルプリュスの最大株主である実業家、ヴァンサン・ボロレが極右であるためで、危機感を持ったジュリエット・ビノシュやアデル・エネルを含む600人の映画人が、映画祭直前に請願書に署名をした。だがこれを受けてカナルプリュスのCEOが、「署名をした者とは仕事をしない」と言い出し、火に油を注ぐ結果に。映画祭の各作品の上映でも、冒頭にカナルプリュスのロゴが現れるたびに、会場ではブーイングが起きている。(佐藤久理子)

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急に具合が悪くなる

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