いつも疲れていて体と心がつらい、でも原因がわからない――。そんなあなたは、仕事や家事や育児を、がんばりすぎていませんか?
『がんばらないまいにちのリセット習慣』の著者、川添亜樹さん(一般社団法人ウーマンフードヘルス協会代表理事)は、「腸活や妊活、健康になるための生活改善などでさえ、がんばりすぎて自分を追い詰めてしまう女性がとても多いのです」と話します。
実は川添さん自身が、かつては大企業の営業マンとして、がんばりすぎていました。その結果が、毎日の小さな不調、そして「異常妊娠」でした。
そこから自分の体を少しずつ立て直していった経験をもとに、妊活する女性や体調不良の女性をサポートする活動を始めたのです。
本書には、腸と自律神経のケアを軸に、食事、睡眠、生活習慣の“リセット習慣”がとても具体的に記されています。ただし、新たな努力を強いるのではなく、自分を大切にする方法としての提案です。
その基本スタンスがわかるメッセージを紹介します(以下、本書より抜粋して再編集)。
「残念ですが、異常妊娠です」と告げられた日
あなたは、自分の体の声を最後に聞いたのはいつでしたか。
忙しく働き、頼られるままにがんばり続けて、気づけば“自分のことは後回し”が当たり前になっていた――。
そんな日々の中、待ち望んでいた2人目の妊娠を喜びながら病院を受診した日、私は診察室で医師からこう告げられました。
「残念ですが、異常妊娠です。検査してみないとわかりませんが、治療の経過によっては、抗がん剤を使う可能性があります」
言われた瞬間、頭が真っ白になって、時間だけがゆっくり流れていきました。
待望の妊娠だと喜んでいたのも束の間、それが遠のいていく現実。体のことよりも、気持ちのほうが先に崩れ落ちていったのをおぼえています。
“みんな普通に授かっているのに、なんで私ばっかり?”
その問いが何度も頭の中でぐるぐるしていました。
自分を置き去りにして、走り続けていた
たぶん私は、ずっと“自分のこと”を置き去りにしたまま走り続けていたのです。
仕事、まわりの期待、やりがい。自分で抱え込んで、無自覚なまま無理をして、休まなきゃいけない時でさえ「これくらいは大丈夫」と思い続けていました。
でも本当は、大丈夫じゃなかった。
食事は、お腹を満たせればいい。睡眠は浅く、短い。毎月の生理痛は、当たり前。毎日の小さな不調を“気のせい”にして、体のサインに目を向けていませんでした。
妊娠がうまくいかなかった時に、絶望の中ではっと気づいたのです。
体はずっとメッセージを送っていたのに、私はちっとも向き合ってこなかった、と。
体はちゃんと応えてくれる
そこから、やっと自分に目を向け始めました。
食べるものを少し見直し、腸を整え始めたら、眠りが深くなり、気持ちが落ち着いてきました。体がゆっくりと変わっていったのです。
体は、ちゃんと応えてくれるんだな。そう思いました。
そして同時に、“もっと早く気づいていたら”という気持ちも生まれました。
でも今なら言えます。気づけなかった自分も、がんばりすぎていた自分も、恥じたり責めたりする必要はないと。
必要なのは、強い意志ではなく、小さな習慣
あの頃の私のように、がんばりすぎてしまう女性のために、本書を書きました。
・ずっと疲れが抜けない
・生理やPMSで振り回される
・気持ちが沈みやすい
・むくむ、イライラする、眠れない
・なんとなく不調だけど、理由がわからない
そんな“一つひとつの小さなサイン”を大切にしたい人へ。急に大きな変化を起こす必要はありません。特別な努力もいりません。
必要なのは、毎日の小さな選択を変えること。
それだけで、体は静かに、でも確実に整っていきます。
がんばりすぎる女性を救うのは、強い意志ではなく“小さな習慣”です。
腸と自律神経を整える食事、ほんの少しの生活の工夫、自分の心と体をリセットする方法。それらを“できることから”積み重ねるだけでいいのです。
今の自分と向き合うための「リセットダイアリー」
<編集部注:同書では食事からメンタルケアまで様々な習慣を紹介し、最後に、「リセットダイアリー」を提案しています>
小さな習慣を続けていくために、私がおすすめしているのは、一日の終わりに今日の自分の状態を綴る「リセットダイアリー」です。
「今日はどんな一日だったか」「体はどんな感覚だったか」「心がふっと動いた場面はあったか」
「本当は何をしたい?」「できない理由ではなく、変えられない理由は何?」
「私が今選べることは何?」
ほんの一行でもかまいません。
リセットダイアリーは、行動を厳しく管理するためのものではありません。今の自分の体や心に何が起きているのかを、ただ言葉にするための場所です。正しく書く必要も、毎日続ける必要もありません。
その時にぜひ大切にしてほしいのが、「否定」ではなく「なりたいイメージ」ができる言葉で書いてみることです。
言葉にして書き出すことで、脳はそれを深く受け取ります。自分にかけるストレスがゆるむと同時に、理想の状態に向かって、脳と体は自然に動き出します。この「言葉の積み重ね」こそが、心地よい体へとつながるポジティブな変化を生み出していくのです。
習慣は、ルールではありません。止まってもいい。離れてもいい。また「やりたいな~」と気持ちが戻ってこられたら、それでいいのです。
自分の内側とていねいに会話することで、体は少しずつ、本来のリズムを取り戻していきます。
<文/川添亜樹>
【川添亜樹】
一般社団法人ウーマンフードヘルス協会 代表理事。栄養精神医学カウンセラー(日本栄養精神医学会認定)。不妊当事者としての経験をきっかけに、2015年より妊活・女性の体調不良と向き合う現場に立つ。腸内環境、栄養、生活リズム、心の状態が複雑に関わっていることを実体験と支援の両面から捉え、日常に落とし込めるセルフケアと習慣づくりを探究してきた。2022年、一般社団法人ウーマンフードヘルス協会を設立。講座運営、専門家育成、情報発信を行っている。LINE公式アカウント登録者は累計3万人を超える。著書に『がんばらないまいにちのリセット習慣』(医療監修:医師 安東加恵)
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