3歳牝馬ランキング(前編)
桜花賞を完勝し、一冠目を手にしたスターアニスphoto by Koichi Miura
3歳牝馬クラシック第2弾となるGⅠオークス(東京・芝2400m)が5月24日に行なわれる。
第1弾のGⅠ桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)は、GⅠ阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF。12月14日/阪神・芝1600m)を制した2歳女王スターアニス(牝3歳/父ドレフォン)が阪神JFからの直行で優勝。一冠目を手にした。
ただ、同馬は父ドレフォン、母エピセアロームと血統的には短距離向き。それゆえ、オークスに向けては距離適性から疑問視する声が漏れている。同様の懸念はスターアニスに限らず、桜花賞上位組のほとんどが抱えていたが、結局桜花賞の2~4着馬は負傷などもあってオークスを回避。牝馬戦線は再び混迷の様相を呈している。
そうしたなか、脚光を浴びているのは別路線から躍進を遂げてきた"新星"たちだ。
まずは、桜花賞と同じ日に行なわれたリステッド競走の忘れな草賞(4月12日/阪神・芝2000m)を完勝したジュウリョクピエロ(牝3歳/父オルフェーヴル)。ダート戦でデビューするも、4戦目から芝路線へ転向すると一変。父オルフェーヴルを彷彿とさせるような豪脚を繰り出して2連勝を飾っている。
そして、ジュウリョクピエロ以上に高評価を得ているのは、GⅡフローラS(4月26日/東京・芝2000m)を快勝したラフターラインズ(牝3歳/父アルアイン)。鋭い決め手を保持して早くから注目されていたものの、取りこぼしもあって出世が遅れていた。しかし、本番との関連が深いオークストライアルを人気に応えて勝利。一躍、有力候補に浮上した。
何はともあれ、世代の女王を目指す面々が出そろったオークス。スターアニスら既成勢力がその強さを誇示するのか。それとも、ここに来て台頭してきた新興勢力が下剋上を果たすのか。注目の大一番を前にしての、3歳牝馬の『Sportiva オリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、JRAのホームページでも重賞データ分析を寄稿する競馬評論家の伊吹雅也氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今回はオークスに挑む3歳牝馬の、現時点における実力・能力を分析しランクづけ。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。
マイル戦の桜花賞から、一気に800mの距離延長となるオークス。戦いの舞台がまったく異なるとあってか、ランキングも大きく変動した。

5位には、2頭がランクイン。前回4位だった
アランカール
(牝3歳/父エピファネイア)と、フローラSで2着となって出走権を獲得した
エンネ
(牝3歳/父キズナ)だ。
土屋真光氏(フリーライター)
「アランカールについては、そもそもマイルよりも中距離向きの馬と見ていました。母シンハライトも桜花賞2着からオークスを制覇。距離が伸びてよさが出ました。
桜花賞では後方からレースを進めて5着に終わったものの、母シンハライトよりも速い時計をマーク。あらためて能力の高さを感じました。懸念されるのは馬体重の減少ですが、これ以上減らすことなく、心身ともにしっかりと調整されてくれば、母同様の躍進があってもおかしくありません」
吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「エンネは大型馬らしく、デビュー戦(3月14日/阪神・芝1800m)ではまだ筋肉の繊維が見えず、おつりの残った状態での出走でした。しかし、レースでは後方を追走。4コーナーでは大外をぶん回して、そこから破壊力抜群の末脚を繰り出して勝利を飾りました。
そして2戦目で、すかさず重賞のフローラSに挑戦。長距離輸送もあって馬体重は8kg減でしたが、まだまだ引き締められる体つきに見えました。にもかかわらず、デビュー戦同様の豪快な末脚を披露。2着と好走してポテンシャルの高さを示しました。
折り合いは問題なく、大きな完歩を駆使して確実に差し込める点はプラス要素。デビュー3戦目でまだまだ伸びしろが大きく、外を回ってノンストレスで脚を使える状況になれば、さらなる前進が見込めるのではないでしょうか」
4位に入ったのは、前回2位の
ドリームコア
(牝3歳/父キズナ)。2番人気で臨んだ桜花賞が9着と不発に終わって、かなり評価を落としてしまった。
土屋氏
「デビューからずっとマイル戦を使われて順調に勝ち上がってきたものの、本質的にはマイラーではないと見ています。これまでは能力の高さだけでこなしてきた印象。ですから、桜花賞の敗戦も想定内でした。9着というと"惨敗"のイメージが強いですが、勝ち馬からコンマ8秒差なら問題ありません。
母のノームコアも東京のマイルGⅠを勝っていますが、GⅡ札幌記念(札幌・芝2000m)や海外GⅠの香港C(シャティン・芝2000m)で強豪牡馬相手に勝利。パワーを要する中距離戦でこそ、真価を発揮するタイプです。加えて、その父はオークスにおける産駒の好走例が多いハービンジャー。血統面からも、この舞台は大歓迎です。
東京コースでは3戦3勝。引き続き、名手クリストフ・ルメール騎手が手綱をとるのも心強い限り。逆転のお膳立ては整っていると見ていいでしょう」
(つづく)
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