【第79回カンヌ国際映画祭】フランスで大人気の黒沢清監督、初の時代劇「黒牢城」お披露目に大きな歓声

カンヌで大きな拍手を浴びた

【第79回カンヌ国際映画祭】フランスで大人気の黒沢清監督、初の時代劇「黒牢城」お披露目に大きな歓声

5月20日(水) 11:15

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第79回カンヌ国際映画祭のカンヌ・プレミア部門において、5月19日(現地時間)、黒沢清監督が初めて挑んだ時代劇「黒牢城」が披露され、大きな反響を呼んだ。日本からはキャストの本木雅弘、菅田将暉、青木崇高、宮舘涼太が参加し、監督を取り囲んだ。

【フォトギャラリー】黒沢清監督が初めて挑んだ時代劇「黒牢城」カンヌ上映の模様

会場には、今年オフィシャル部門で参加している是枝裕和、濱口竜介、深田晃司、岨手由貴子監督、さらに石川慶監督の姿もあり、日本映画界を代表する監督たちが一同に介した印象だ。キャスト陣に続き黒沢監督が入場すると大きな歓声があがり、フランスでの黒沢人気を証明した。

米澤穂信の同名のベストセラー小説を映画化した本作は、戦国時代、武将・荒木村重(本木)が織田信長に反旗を翻して籠城したところで幕を開ける。だがその後、不可思議な事件が城内で起こり、荒木が城内に捕えた天才軍師、黒田官兵衛(菅田)に助言を求めながら、謎に対峙していく。

上映後、日本のマスコミの取材に応じた一同は、興奮冷めやらぬ様子でそれぞれに感想を口にした。

「60歳にして初めてのカンヌだったんですが、短い時間でしたが一生語れることができたような、お伊勢周りができた感じです(笑)」(本木)、「ミラクルな初体験というか、日本で映画を観たときよりもリラックスして観ることができたのが不思議でした。難しい日本語の表現もちゃんと伝わっているような一体感が感じ取れたので、とても誇らしい気分です」(菅田)、「まだ頭がぼーっとしています。体がぽかぽかしているような、心地よい気分に包まれています。終映後に拍手に包まれているのは照れ臭い時間ではありましたが、終わったら急激な寂しさに包まれて、そういったこと全部を含めて素晴らしい経験を味わうことができました」(青木)

「カンヌは初めての経験で、いまやっとカンヌに来ているなという実感があります。この上映を通して日本映画の良さを感じることができました。メンバーのみんなにも、みやげ話として持っていけるような体験でした」(宮舘)、「カンヌに来たのは7回目になりますが、最後はみなさんいつも拍手をしてくれるんですが、だいたいこれは義理でしているなという方がいたりして、早く会場を去らないと悪いような気持ちになります(笑)。でも今日はみなさん本気で拍手してくれているなとストレートに感じられ、いいものだなと改めて思いました。みなさんのおかげでこの映画ができたことが、なによりこの経験に繋がったのだと、しみじみ感じています」(黒沢)

さらに観客のリアクションについての感想を尋ねられた本木は、「カンヌにくることができたというのは、黒沢監督に対するみなさんの信頼度や期待度の表れだと思います。ホラーの黒沢監督が時代劇を撮った?ということも含めて(笑)、黒沢さんへのリスペクトがあって、わたしたちもそれと一緒に運ばれてきたのを感じました。映画が始まったときに、日本人でも理解するのが難しいセリフがフランス語と英語の字幕で出てきて、どういう風にこのストーリーを解釈してくれるのだろうとちょっと懐疑的に観ていたんですが、人間の共通した滑稽な姿を描くシーンではみなさんクスクス笑っていましたし、現代へのメッセージもたくさんある。無音のなかでも黒沢監督が表現しようとしたものに観客が引きつけられているのを、気で感じることができました。これが映画の素晴らしさだなと実感しました」と感慨深げに語った。

本作はすでにフランスでも配給が決定しており、公開に向けてカンヌで大きな手応えを得たと言えるだろう。(佐藤久理子)

【作品情報】
黒牢城

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(C)Kazuko WAKAYAMA
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