スペインを代表する映画監督、ホセ・ルイス・ゲリン監督の10年ぶりの新作「よき谷の物語」が7月3日公開される。メインビジュアル、場面写真が披露された。
「シルビアのいる街で」(07)で世界中を魅了し、同じスペイン出身のヴィクトル・エリセ監督をして「現代スペインで最も優れた映画作家」と言わしめたゲリン監督。第73回サン・セバスティアン国際映画祭で審査員特別賞を受賞した「よき谷の物語」は、「ミューズ・アカデミー」(15)以来10年ぶりとなる待望の新作長編だ。
登場人物は実際にバルセロナ郊外の集落、バルボナ地区に暮らす住民たち。地元で長年生活してきた者はもちろん、インド、ジャマイカ、ロシア、ウクライナなど世界中から集まってきた人たちを、バルセロナ出身のゲリンがインタビューするところから始まり、3年の歳月をかけ、愛情を込めて彼らの生活をフィルムに収めた。描かれるのは亡き妻を思い涙する老人、戦火から逃れてきた母娘、植物に話しかける果樹園の家族、ここではないどこかを夢見る若者。そして都市計画や環境問題、世代やアイデンティティをめぐる葛藤など全世界に共通する問題。みなが住むバルボナの歴史が鮮やかに綴られ、いつしか観る者を過去、現在、未来までつながった時間の旅へと誘う。
ひとつの小さな地区を舞台として、生き続ける市井の人々と、流れ続ける人類の営みを愛の眼差しで見つめた本作は、喜びや悲しみ、それぞれの抵抗の形が幾重にも重なり、すべてのシーンから詩情があふれだす。人間が生きるうえで大切なものとはいったい何か、希望の兆しとともに思い出させてくれるような、宝物のような作品だ。
「シルビアのいる街で」もリバイバル公開決定。ホセ・ルイス・ゲリン本人も7月来日予定だ。「よき谷の物語」は7月3日からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開。
【作品情報】
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よき谷の物語
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