5月19日(火) 4:40
鉄道の運賃には、「長距離になればなるほど、1キロメートルあたりの運賃が安くなる」という原則があります。これを「遠距離逓減(ていげん)制」と呼びます。
つまり、目的地の大阪まで一気にきっぷを買うほうが、名古屋で区切って2枚買うよりも割安になるように設定されているのです。試しに、東京から大阪までの乗車券(大人)の運賃を比べてみましょう。
東京~名古屋で区切った場合、乗車券は6380円、名古屋~大阪は3410円となり、合計すると9790円かかります。しかし、最初から「東京~大阪」という通しの乗車券を買えば、8910円で済みます。大人1人につき、片道880円も安くなる計算です。
もし、大人2人と小学生の子ども2人の家族4人で往復するとしたらどうなるでしょうか。細かく区切って買った場合と、通しで買った場合の差額を計算すると、なんと5000円近くも通しで買ったほうが安くなります。
義実家に顔を出すためだけに、きっぷの買い方を知らないと5000円も余分に払うハメになるのです。5000円あれば、USJで家族全員分のチュロスが買えます。
「でも、東京から大阪までのきっぷを買ったら、途中の名古屋で改札の外に出られないのでは?」と思うかもしれません。ここが最大のポイントです。
JRのルールでは、「片道の営業キロが100キロメートルを超える乗車券は、後戻りしない限り、何度でも途中下車ができる」と定められています。
東京から大阪までは約550キロメートルあるため、この条件を余裕でクリアします。つまり、「東京~大阪」の乗車券を持っていれば、名古屋駅の改札を出て義実家へ向かい、数時間後に再び名古屋駅から同じ乗車券で改札を入って大阪へ向かうことができるのです。
ただし、ここで絶対に間違えてはいけない「落とし穴」が1つあります。途中下車ができるのは、あくまで「乗車券(基本となる運賃)」だけです。
新幹線に乗るために必要な「特急券」は、途中下車ができません。改札を出た時点で特急券は無効になって回収されてしまうため、特急券だけは「東京~名古屋」「名古屋~大阪」と区間ごとに分けて買う必要があります。
駅の窓口で「乗車券は東京から大阪まで通しで。新幹線の特急券は名古屋で分割して買いたい」と伝えれば、駅員がスムーズに発券してくれます。
途中下車を活用するときに、もう1つ知っておくべきなのが乗車券の「有効期間」です。100キロを超える乗車券は、距離に応じて有効期間が長く設定されています。
東京~大阪間の乗車券であれば、なんと「4日間」も有効です。これを知っていれば、「1日目は名古屋で途中下車して義実家に泊まり、2日目の朝に再び新幹線に乗ってUSJへ向かう」といった余裕のあるスケジュールを組むこともできます。
何も考えずにきっぷを買ってしまうと、見えないところで数千円のお金をドブに捨てているかもしれません。少しの知識があるだけで、家族旅行の満足度は大きく変わります。
浮いたお金で、子どもたちに我慢させずにお土産を1つ多く買ってあげられる。そんな賢い選択をして、理不尽な出費から大切なお金を守っていきたいものです。
東海旅客鉄道株式会社(JR東海) きっぷのルール 途中下車
東海旅客鉄道株式会社(JR東海) きっぷのルール 乗車券の有効期間
執筆者 : 西村和樹
2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、第一種/第二種電気工事士、医療情報技師、2級ボイラー技士、ボイラー整備士
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