5月19日(火) 11:20
厚生労働省が公開した「2023年受療行動調査」によると、外来患者で「受診予約をした」人は約79%で、診療を受けるまでの待ち時間は「約1時間未満」が約70%でした。
病院に対する全体的な満足度では外来・入院ともに約60%の人が「満足」と回答したことに対して、「不満」であると回答した人が最も多い項目は「診察への待ち時間」で約25%でした。予約制で外来受診をしているにもかかわらず、診察への待ち時間が長いと不満を抱えている人が多いようです。
厚生労働省は、2026年6月1日から適用される「保険診療の枠組みのなかで、療養の給付と直接関係ないサービス等の取扱いについて」の一部改正を通知しました。
この改正により、医院が患者の受診キャンセルに対して、一定のルールのもとで保険外負担として「キャンセル料」を請求できることが認められることになったのです。今回の改正において、考えられる点は以下のようなものがあります。
(1)キャンセル料の請求が明確化される
これまでは、一般的な医療機関での受診キャンセル料が請求されることはほとんどなく、事前に独自でキャンセル料を設定している医院もありましたが、今回の改正によって「検査キャンセルに伴って使えなくなった薬剤等の費用」や、予約に基づく診察の患者都合による直前キャンセル料を、保険外負担として請求できることが明確化されました。
(2)キャンセル料制度を導入する医療機関での「条件提示」が必要
キャンセル料を請求できる条件として、「患者都合によるもの」「予定直前のキャンセルであること」が必要となります(「予定直前」の定義は医療機関それぞれで決定されます)。
受診キャンセル料制度を導入する医療機関においては、その都度キャンセル料を自由な金額で請求できるわけではありません。
例えば、ホテル等への宿泊や、交通機関での予約と同じように「予定日の前日までは料金の50%・予定日当日のキャンセルは料金全額」などと定める場合でも、金額や請求するタイミングを事前に患者にわかりやすく説明し、同意を得ておくことが求められます。
受診キャンセル料は、家計を管理する立場からの視点では「防げるはずの、無駄な支出」と言えるかもしれません。それでは、思わぬトラブルを防ぐためにはどのようなポイントを押さえておくべきでしょうか。
(1)キャンセル料制度を導入している医療機関の規定を確認する
医療機関のホームページや診察券・受付窓口などに「キャンセル規定」があるか、どんな内容かを事前に確認しておきましょう。
(2)「キャンセル料がかからない条件」を把握しておく
交通機関の遅延や台風などの自然災害など、自分の意思と関係なく受診のために通院できなくなることもあります。どんなケースが「キャンセル料免除・減額」になるのかは医療機関の判断に委ねられる部分が大きいため、事前に把握しておくと良いでしょう。
2026年6月から、医療機関への受診を患者都合で直前にキャンセルした場合、一定の条件のもとでキャンセル料を請求できるようになります。医療スタッフがあなたのためにあけておいた診療時間は、医療機関側からの視点では貴重な「治療できる時間」と「経営資源」です。
無断キャンセルが減ることで医療機関の経営が安定し、待ち時間減少や医療サービスの向上につながることが考えられます。キャンセル料の支払いを恐れて受診を控えるのではなく、受診しやすいスケジュールを設定したり、治療が長期化しないように日ごろから体調管理を行ったりすることが望ましいでしょう。
厚生労働省 令和5(2023)年受療行動調査(確定数)の概況
厚生労働省 療養の給付と直接関係ないサービス等の一部改正について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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