5月19日(火) 9:00
ボーナス50万円の使い道を考えるとき、最初に確認したいのは生活費の予備です。生活費の予備とは、急な病気、家電の故障、収入の減少などに備えて置いておくお金のことです。一般的には、生活費の3〜6ヶ月分を普通預金などですぐ使える形にしておくと安心です。
たとえば、毎月の生活費が30万円なら、90万円から180万円ほどが目安になります。すでにそのくらいの貯金があるなら、ボーナスの一部をNISAに回す余裕があるでしょう。反対に、貯金が少ない状態で50万円をすべて投資に回すと、急な出費のときに困る可能性があります。
NISAの商品は、必要になれば売却できます。ただし、投資信託や株式は価格が日々変わります。お金が必要になったときに値下がりしていれば、損をした状態で売らなければならないこともあります。そのため、近いうちに使う可能性があるお金は、普通預金に残しておくほうが安心です。
夫の「普通預金に置いておけば安心」という考えは、間違いではありません。普通預金は元本割れの心配がほとんどなく、必要なときにすぐ引き出せます。金融機関が破綻した場合でも、利息の付く普通預金などは、1金融機関ごとに元本1000万円までとその利息が保護されます。
ただし、普通預金はお金を大きく増やす目的には向きにくいです。金利が上がってきたとはいえ、50万円を1年間置いても、受け取れる利息は大きな金額にはなりにくいからです。たとえば普通預金の金利が年0.3%なら、50万円を1年預けた利息は税引前で約1500円です。実際には利息に税金がかかるため、手取りはさらに少なくなります。
もちろん、普通預金には「すぐ使える」という大きな価値があります。住宅ローンの繰り上げ返済、車検、帰省費用、教育費など、1〜2年以内に使う予定があるなら、無理にNISAへ回す必要はありません。普通預金は増やす場所ではなく、家計を守る場所と考えると分かりやすいでしょう。
NISAは、投資で得た売却益や配当、分配金に税金がかからない制度です。
通常、投資で利益が出ると約20%の税金がかかりますが、NISA口座で得た利益は非課税になります。長期で資産形成を考えるなら、普通預金より増える可能性があります。
ただし、NISAには元本保証がありません。50万円を投資したあと、すぐに相場が下がれば、評価額が45万円や40万円になることもあります。そのため、投資に慣れていない人がボーナス50万円を一度に入れると、値動きが気になって不安になりやすいです。
初めてなら、50万円を一括で投資するより、数回に分ける方法が現実的です。たとえば、20万円は普通預金に残し、30万円をNISAで毎月5万円ずつ6ヶ月に分けて投資する方法があります。さらに慎重にしたいなら、毎月2万円ずつ積み立て、残りは普通預金や定期預金に置いておく方法もあります。
投資先は、ひとつの会社の株だけに集中するより、複数の国や企業に分けて投資できる投資信託を選ぶとリスクを抑えやすくなります。リスクとは、値動きの幅のことです。大きく増える可能性がある一方で、大きく下がる可能性もあるため、家計に無理のない金額から始めましょう。
夏のボーナス50万円は、全額を普通預金に置くか、全額をNISAに回すかの二択で考える必要はありません。まずは生活費の予備が足りているかを確認しましょう。急な出費に備えるお金が不足しているなら、普通預金を優先するのが安心です。
一方で、すでに十分な貯金があり、5年、10年と使う予定のないお金があるなら、その一部をNISAに回す意味はあります。普通預金では大きく増えにくいお金を、将来に向けて育てる選択肢になるからです。
ただし、値下がりする可能性があるため、短期間で使うお金まで投資に回すのは避けましょう。現実的には、50万円のうち20万〜30万円を普通預金に残し、残りをNISAで少しずつ積み立てる方法が取り入れやすいです。
夫婦で話すときも、「安心を取るか、増やすか」で対立するより、「安心資金を残したうえで、余裕資金だけ投資する」と考えると納得しやすくなります。ボーナスは一度に使い切るお金ではなく、家計の安心と将来の資産づくりを両立させるきっかけとして活用しましょう。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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