日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『シンプル・アクシデント/偶然』をレビュー!

不当に刑務所に投獄された人々が、復讐を果たそうと試みる姿をスリリングに、ユーモアたっぷりに描いた復讐劇

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『シンプル・アクシデント/偶然』をレビュー!

5月16日(土) 17:00

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日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。乗りかかった"報復殺人"の行き着く先は?『シンプル・アクシデント/偶然』 評点:★4点(5点満点) 「人権」を巡る「復讐」のパラドックス

©LesFilmsPelleas

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我々がありとあらゆる手段を用いてでも「人権」を死守する必要があるのは、それが政治権力に拘束され拷問され殺されないための最後の砦だからである。

逆にいえば、憲法の「人権」要項に不満を漏らしたり、その改変や制限の可能性を口にする政治家は、できることなら政治権力を用いて人々を拘束したり拷問したり殺したりしたいのである。

独裁や神権政治といった政治体制のもとで「人権」はいとも簡単に踏みにじられるが、それは独裁者や「神」の権威が「人権」より上位に置かれるからだ―これまた逆にいえば「人権」を軽視する政治家はそういう権威・権力が羨ましいのだ。

神権をベースとしたイランの権威主義的体制のもとで投獄された過去のある主人公がある日、自分の人生を滅茶苦茶にした張本人の看守らしき男を見つけ、突発的に拉致してしまうことから本作の物語が始まる。

特徴的な義足は憎き看守のそれに間違いない。だが収監されていたとき、主人公は目隠しをされていた。

拉致した男は看守本人なのか、それとも別人なのか?

そして自分の「人権」をないがしろにした相手の「人権」を踏みにじることは正当化されるのだろうか?

突きつけられる問いは重い。

STORY:かつて不当な理由で投獄されたワヒドは、自分を拷問した男と偶然出会う。とっさに男を拘束し、荒野に穴を掘って男を埋めようとするワヒドだったが、男のIDカードの名前は復讐すべき相手と違っていた......





監督・脚本:ジャファル・パナヒ

出演:ワヒド・モバシェリほか

上映時間:103分



全国公開中





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