大阪府では民泊による外国人トラブルが急増し、大きな社会問題となっている。参入のハードルを下げる特区制度を利用し、民泊が急増したことがその背景にある。
民泊急増で大阪の街に異変?
こうしたトラブルについて、在阪全国紙記者に話を聞いた。
「ここ数年の大阪の民泊を巡る状況はもはや異常といっていいでしょう。新築の分譲マンションが全室民泊になり、“ホテル化”したケースもあります。騒音やゴミ出しといったトラブルだけでなく、賃料の相場が高騰し家賃の値上げを通告されたなど、想定外の問題も表面化しました。こうした状況に行政も対応が迫られ、大阪市では、民泊を巡る苦情の増加を受け、専門チームを立ち上げるなど対応に追われています」
実際、民泊への規制強化を求める声が行政内でも強まっているという。だが、民泊トラブルに悩む住民たちからは「規制するなら万博前にしてほしかった」との声も……。
こうした民泊を巡る問題は大阪だけではなく、東京や地方都市でも起きている。
ゴミ出し問題で警察沙汰に
よく取り上げられる民泊トラブルの1つにゴミ出しがある。都内在住の佐々木健太さん(30代男性・仮名)は近所に民泊が増えたことで、ゴミ出しのトラブルで警察沙汰になった話をしてくれた。
「向かいの一軒家が外国人オーナーに買われて民泊になったんだけど、とにかくゴミ出しのルールを守らない。ウチの辺りは月曜と木曜が可燃ゴミという感じで決まってんだけど、そんなの無視して毎日ゴミを出すんだよ。収集車が来ない日でもゴミを出すから、収集されるまで放置されて悪臭を放つこともあるし、鳥除けネットもしないからカラスがゴミをまき散らすこともある。スーツケースとかベビーカーとか、粗大ゴミで出さなきゃいけないものも平気で出しちゃうしね」
あまりにも酷かったため、町内会としてクレームを入れることになったという。
「連絡先がわからなかったから、直接話すしかなく、ゴミを出す男を捕まえてクレームを入れたんだけど、その男も日本語はあまりわからないとか、『オーナーに言われているだけ』とか……。でも、ゴミを出せるのは収集日の朝というルールがあるから、それ以外の日はゴミは出せないし、出すなって警告したんだよ」
公園にゴミを捨てる男を捕まえてみたら…
すると、こともあろうか、その外国人男性はゴミを近所の公園やコンビニのゴミ箱に無理やり捨て始めたという。
「さすがにいい加減にせぇよってことになって、数人で待ち伏せしたんだけど、同じように『言われてやってるだけ』と……。オーナーに連絡しろって言っても、オーナーの連絡先はわからないって。じゃあ、お前は誰の指示でやってんだって(苦笑)。もう埒が明かないから警察を呼んだら、その男本人が実はオーナーだったんだよね。誰かに言わされてたっていうのも嘘だった」
「また問題が起きるのでは」住民たちの尽きない不安
結局、佐々木さんはゴミ出しのルールを再度説明し、ルールを守ることを徹底させ、なんとかトラブルは解決した。それでも佐々木さんは顔をしかめる。
「今回はたまたま解決できたけど、またトラブルは起きるんじゃないかって。じゃあ、そのときにどう対応するの?って、みんな不安だよ」
インバウンド需要の拡大によって民泊は急増したが、その一方で、地域住民との摩擦も確実に広がっている。もちろん、すべての民泊利用者やオーナーに問題があるわけではない。しかし、ルールを守らない一部の利用者や、責任を放棄した運営側によって、住民の日常が脅かされているのも事実だ。
インバウンドで潤う街の裏側で、普通に暮らすことすら脅かされ始めた住民たちの不満と不安は、いまも静かに広がり続けている。
文/谷本ススム
【谷本ススム】
グルメ、カルチャー、ギャンブルまで、面白いと思ったらとことん突っ走って取材するフットワークの軽さが売り。業界紙、週刊誌を経て、気がつけば今に至る40代ライター
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