「オデュッセイア」最新予告編、全員アメリカ英語が物議をかもす

アメリカ映画のアクセントが争点に

「オデュッセイア」最新予告編、全員アメリカ英語が物議をかもす

5月11日(月) 16:00

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クリストファー・ノーラン監督が手がける映画「オデュッセイア」の最新予告編が公開され、壮大な映像や豪華キャストに注目が集まる一方、登場人物たちの“話し方”をめぐって議論が広がっている。

本作は、ホメロスによる古代ギリシャの叙事詩を原作とする大作。マット・デイモンがオデュッセウスを演じ、ゼンデイヤがアテナ役で出演するほか、トム・ホランド、ロバート・パティンソンらも名を連ねる。ノーラン監督はCinemaConで、本作を「単なる物語ではなく、物語そのもの」と表現していた。

しかし、今回公開された予告編でファンの間に広がったのは期待だけではない。登場人物たちがそろってアメリカ英語のアクセントで話し、現代的な言葉遣いをしている点に、多くの視聴者が違和感を覚えていると米ハリウッド・レポーターは報じている。

特に話題になっているのが、デイモン演じるオデュッセウスが戦闘の突撃を率いる場面で叫ぶ「レッツ・ゴー!」という台詞だ。古代ギリシャを舞台にした重厚な叙事詩でありながら、あまりに現代的に聞こえるとして、SNS上では「スターバックスの外で壮大な会話をしているみたい」」オデュッセウスのボストン訛りは完璧」「『父さんは帰ってくる』というせりふが、剣とサンダルの映画には場違いに感じる」といった反応が寄せられている。

歴史映画や叙事詩映画では、登場人物にイギリス英語のアクセントを使わせるのが、長年のハリウッド的な慣習だった。「十戒」「ベン・ハー」「グラディエーター」、HBOの「ROME[ローマ]」などがその代表例である。もちろん、古代ギリシャの人物が現代のイギリス英語で話していたわけではない。とはいえ、イギリス英語は「ほどよく異国的」で「時代を超えた雰囲気」を演出するものとして、映画やドラマの中で重宝されてきた。

その慣習はファンタジー作品にも及んでいる。架空の世界を舞台にした「ゲーム・オブ・スローンズ」でさえ、登場人物の多くがイギリス英語のアクセントで話していた。また、HBOの「チェルノブイリ」では、ロシア風アクセントではなく英語のアクセントが採用された。監督のヨハン・レンクは、映画におけるロシア風アクセントについて「ものすごく馬鹿げている」と率直に語っている。

一方で、「オデュッセイア」のように全員がアメリカ英語で話す選択にも、支持する声はある。「古代ギリシャやローマを舞台にした映画でイギリス英語を使うのは好きだが、そのクリシェには意味がない。もう捨ててもいい」という意見も見られる。

ノーラン作品をめぐっては、これまで「TENET テネット」「ダンケルク」「オッペンハイマー」などで、台詞が聞き取りにくいという批判がたびたび起きてきた。ところが今回は、むしろ聞き取りやすすぎるほど現代的な台詞回しが議論を呼んでいる。皮肉な展開と言えるだろう。

【作品情報】
オデュッセイア

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