【漫画】本エピソードを読む
コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。
今回は「マガジンポケット」で連載されていた都道府県擬人化漫画『四十七大戦』の作者である一二三さんに注目し、『四十七大戦』の番外編である『愛知さんによるニコニコ地元紹介』をご紹介しよう。
同作は、擬人化された愛知がゲストの福岡を招いて名古屋駅の観光スポットを案内する様子が描かれたショート漫画。以前一二三さんのX(旧Twitter)に投稿されると、約3000もの「いいね」が寄せられている。そこで作者の一二三さんに、同作を描いたきっかけについて話を伺った。
■愛知ならではのあるあるとは?
――各都道府県に一柱ずつ存在する「揺神(ゆるがみ)」というオリジナルの神々が存在する世界。現代では、「ゆる神」として地方創生のために走り回る“ご当地ゆるキャラ”として知られるようになっていた。
ある日、愛知県のローカル番組「あいちTV ぶらり旅特集」にゆる神の愛知さんが出演。さらにゲストに福岡さんを招き、2人で名古屋の“初心者向け観光スポット”を巡ることに。そして、愛知さんが「まずはメイ駅の…」と喋りはじめると、福岡さんが「メイ駅?」と聞き返し…。
読者からは「知らないことが知れて面白かった」「冷やし中華の食べ方、一般的だと思ってた…」など様々な反響が上がっていた。
■商業連載から独立運営に切り替え…その後に誕生した番外編『愛知さんによるニコニコ地元紹介』
――『四十七大戦』を創作したきっかけや理由があればお教えください。
前作の連載時、人手が足りずよく他現場のヘルプアシさんに助けてもらっていたのですが、同じ仕事場に集まって作業をする上でどんな人とも打ち解けられる話題が必要でした。
いろいろな方と話す中で「出身地」の話が一番本人も話しやすく、人となりも掴めることに気づいたので、「都道府県の話は色々な人に興味を持ってもらえるのでは」と考えたのが始まりです。
実際に連載してみると、漫画を読んだことで家族や職場・ネットの友人など意外な形で話が弾んだという感想をたくさんもらいました。当初の着想をちゃんと作品に生かすことができたようで嬉しいですね。
XやTikTokの公式アカウントも、コメント欄が様々な地域ネタの情報交換の場になっているので、作品のこの「コミュニケーションを生み出す力」は一つの魅力かなと感じます。
――『愛知さんによるニコニコ地元紹介』を描いたうえで「こだわった点」あるいは「ここに注目してほしい!」というポイントがあれば教えてください。
『四十七大戦』は2023年まで講談社で商業連載をしており、現在はグッズの製作販売やIP展開も含めて、より柔軟に展開できる作家の独立運営に移行しました。
今回の漫画は、独立運営になってから新規の方にも気軽に読んでもらいたくてSNS用に書き下ろした番外編的な漫画でした。
まずは細かいこと抜きにキャラクター(県)同士の関係性や個性を好きになってほしいので、ぜひ福岡さんと愛知さんの表情に注目してもらえたらと思います(笑)。
ネタは基本読者の方から募集しているんですが、今回は商業連載時の取材からずっと書きたいと思っていたネタでもありました。
インタビューでもアンケートでも当たり前のように出てくるけれど、そのまま載せるなら注釈が要りそうな独特の省略表現。でも方言とは少し違う「文化」なんですよね。そこに面白い独自性があるなと思っていたんです。
地域ネタというとどうしても名産品や観光地のような目立つものに焦点が当たりがちですが、個人的にはこうした話題で一番面白いのは「地元の人にとっては当たり前」だけど「外部の人にとっては当たり前じゃないこと」だと思っています。
名古屋の地名を略すと名古(なご)ではなく名(めい)になる、なんてまさに愛知に行ってみないと分からない文化ですよね。
今回愛知周辺の方からは「言われてみれば確かに」という気づきや「実際こういう地名があるよ」という情報提供がたくさん寄せられ、他県の方は「自分も名古屋に行った時は驚いた」という実体験の感想があり、視点の違いによって様々なコメントが盛り上がっていました。
これからもこういう発見の積み重ねで「ちょっと日常の見方が深まる」感覚を楽しんでもらえたら嬉しいです。
――2026年の展望や目標をお教えください。
アニメ化と舞台化を獲ることです!特に舞台については、実はコロナ禍前に一度2.5次元舞台を上演していただいたことがあるんです。
「ただ地方公演をする」のではなく「現地でその地方のドラマを上演することで、帰り道に日常風景の解像度が上がる」という二次的な面白さもあって、当時は大反響に終わりました。
その後すぐ第4段まで続編が決まったものの残念ながらコロナ禍で流れてしまったので、またあの感動をいろんな地域で知ってもらいたいという気持ちです。
他にも、作家個人運営だからこその「可能性」をもっと認知させていきたいなと思っています。出版社時代から自分に漫画制作だけでなくプロデューサーとしての素質があることを実感していたので、独立してからかなり自由に色々な挑戦をしてきました。
一昨年クラウドファンディングで出した駅広告は様々なSNSでバズり、代理店側も驚くほど大きな反響になりました。おそらくグッズの完成度や販売体制も含めて、作家一人でここまで幅広く運営できている作品は稀有なのではないかと思っています。まあ色々やりすぎて過労で途中連載が止まってしまったのですが…(笑)。
今年は連載を再開して、こうした挑戦と作品制作を両立させていければと思っています。どうぞこれからにご注目ください!
――読者へメッセージをお願いします。
いつも応援ありがとうございます!体制も含めて変化も多かった作品ですが、それでもストーリーやキャラクターを愛し各地の文化を尊重しながら楽しんでくださる読者の皆さんは誇りです。
今年は連載の再開や、それ以外にも楽しんでもらえそうな企画をいくつか準備しています!ぜひ今年の展開を楽しみにしていてください!
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