ミーマイナー・美咲「次は、私が誰かの憧れになる。」/連載「歌詞にしなかったこと」

ミーマイナー連載「歌詞にしなかったこと」連載第8回より

ミーマイナー・美咲「次は、私が誰かの憧れになる。」/連載「歌詞にしなかったこと」

5月7日(木) 20:00

ミーマイナー連載「歌詞にしなかったこと」連載第8回より
【写真】憧れのJAPAN JAMのステージに立つミーマイナー

2024年9月にシンガーソングライターの美咲とボカロPのさすけにより結成されたバンド・ミーマイナー。結成1年で大型ロックフェスに出演を果たし、ソニー・ミュージックレーベルズへ所属が決定、 “次に来るバンド”として注目され2026年5月にはメジャー1stEP「部屋とガラクタと私」をリリース。ミーマイナーの音楽ができる裏側や、ボーカル・ギターの美咲の歌詞製作の過程を覗き見られる連載「ミーマイナーの 歌詞にしなかったこと」連載第8回は、路上で歌っていた頃の話から、「夢が叶ったら人はどうなるのか」について考えた“生まれたての言葉”を紡いでくれた。

■夢が叶った時、人はどうなるんだろう

ミーマイナーのボーカルギター美咲です。いつもは、曲を作る時に歌詞にならなかった部分の感情を綴っている連載ですが、今日は夢が初めて叶ったので、それについて書きます。12歳から10年間、色んな夢を見つけては失ってばかりで、もはや「夢が叶った時、人はどうなるんだろう」って考えながら生きてきた。夢は叶わないためにあるのかな、なんて思ったりしていた。その答えの尻尾を少しだけ捉えられた気がする。

ミーマイナー連載「歌詞にしなかったこと」連載第8回より

■「覚悟は、私のもの」

今年、初めてJAPANJAMに出演させて頂きました!路上ライブ出身なので野外は慣れているし、天気も良くてすごく楽しかった。2年前は一人で路上で歌ってほとんど誰にも聞いてもらえなかった曲「ワンルームナイト」を、JAPAN JAMのステージで、あの頃と同じ熱量で歌いました。今は隣で演奏してくれる仲間も、聞いてくれる君もいるから、一人じゃないって思った。この曲にこんなに素敵な景色を見せてあげられて嬉しかったな。今までフェスは客席で観る側だったから、今日は自分がライブをしていいんだ!?という気持ちでした。でも、ちゃんと信じてくれる仲間と、信じている音楽を、握りしめてここに来れたという自覚があったから、度を超えた緊張をしていたわけではなくて、ミーマイナーすごいなあ、みたいな不思議な気持ち。

ミーマイナー連載「歌詞にしなかったこと」連載第8回より

リーダーのインスタ投稿をみてより強く実感したんだけど、2人で始めたこのバンドも、音楽も、もう色んな人のものになった。そして多分もっと色んな人のものになってゆく。何があっても、何年経っても初心を忘れないで、どうか頑固に生きていて、私。

ミーマイナー連載「歌詞にしなかったこと」連載第8回より

■「憧れ」

音楽は、小さい頃から弾いていたピアノクラシックか、テレビで観るダンスと歌、みたいな明るくて楽しいものだと思ってたから、「嘘なき」という曲を聞いて、私の悶々とした日々を初めて言語化してくれた気がして衝撃を受けた。綺麗事や、底抜けに明るい言葉じゃなくて、ぽつぽつと独り言を言っているような歌が、私の悲しみを癒してくれた。

音楽で“ありのままを表現してもいい“という概念は、間違いなく後の人生を救ってくれた。私を変えてくれた。自分を認めるきっかけをくれたのが、マカロニえんぴつという音楽で、そんなバンドに憧れて2024年9月、私はミーマイナーを始める。そこからの毎日はただ熱量だけで突き進んで来たと言っても過言ではない。フライヤーなんてどうせ受け取ってもらえないから、ミーマイナーオリジナルティッシュを作って、自分が通っている大学や道端、ありとあらゆるライブ会場で配り歩いた。私が弾き語りをしてる間はリーダーのさすけがティッシュを配って宣伝をしてくれた。自分が目立つ訳じゃない、なんの見返りもないのに何千人もの人に頭を下げられるリーダーの姿を見て、俄然やる気になった。私と同じ、それ以上に熱い人間と出会っことで歯車は急速に回り始めた。

動画編集を身につけて、SNSも365日毎日更新、MVもグッズもCDも全部リーダーのさすけと2人だけで作って、毎月新曲をリリース。ライブハウスやイベンターさんに連絡して、少しずつライブに出してもらって、路上では1人にも聞いてもらえなかった曲たちが、少しずつ聞いてもらえるようになった。そんな事をしながら過ごした時間は、言葉にすると“たったの1年“なんだけど、私にとっては10年以上の情報量と経験と、やりがいと生きがいを感じた。がむしゃらにでも一歩ずつ確かに進んで来たミーマイナーは2026年5月、憧れのマカロニえんぴつさんと同じフェスに出演。私は夢を叶えた。

ミーマイナー連載「歌詞にしなかったこと」連載第8回より

これまでの10年間、願えば願うほど遠くに行った夢ばかり。強く握れば握るほど、壊した居場所ばかりだったなと思う。両手で収まらないほど、数えきれないほど存在する涙の破片は、今も床に飛び散ったままで裸足で歩くと怪我する。でも、その破片だってここに存在していると思い出して欲しかったのかな?とか考えてしまって、そんな事を気にし始めると、痛みも傷も愛おしく感じたりして。これだからダメなんだと思ったりして。でもだからこそ、歌える歌や伝わる言葉があると信じていて。
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私は夢を叶えて、何を思うだろう?
そんな問いは考える必要もなく、すぐ真後ろに待機していたかのようにあっという間に見つけた。

次は私が、「誰かの憧れになる。」

美咲



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