黒島結菜主演で湊かなえの同名小説を実写映画化した「未来」が、第4回横浜国際映画祭のクロージング作品として5月5日上映され、上映後の舞台挨拶に細田佳央太と瀬々敬久監督が登壇した。
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【フォトギャラリー】細田佳央太と瀬々敬久監督が登壇した「未来」第4回横浜国際映画祭の模様
「告白」「贖罪」などで知られる湊氏がデビュー10周年に発表した傑作ミステリーを瀬々監督が映画化。複雑な家庭環境で育ちながらも夢を叶え、教師になった真唯子、教え子で、同じく過酷な家庭環境の中で暮らす章子ら、理不尽で残酷な現実の中でもがきながらも生きる者たちの姿を描き出す。
4回目を迎える横浜国際映画祭は、世界中のファンが集い交流できるフェスティバルを目指し、日本屈指の港町であり文化芸術の街・横浜の魅力を国内外に発信することを目的に開催されている。
まず瀬々監督が「今日は“こどもの日”なので、それに相応しい映画だと。子どもたちに未来を与えられたと思っています」と観客に挨拶。制作の経緯について問われると「湊さんの『望郷』という短編集にも本作と同様にドリームランドが出てきまして。湊さんは広島・因島のご出身で、僕も大分の国東(くにさき)半島というところで育ったので、“海の向こうにドリームランドがある”という世界観が好きでした」と、自身との共通点を挙げながら原作の魅力を語った。「3つの話がリンクし、最終的につながっていくという構造なので、ある種のドラマ的快感が皆さんに伝われば良いなと思います。そして、児童虐待やシングルマザーといった社会的テーマもありますので、そういうところにも皆さんに目を向けて、考えていただけたらという思いで作りました」と、本作に込めた思いを明かす。
章子(山﨑七海)の父・良太の学生時代を演じた細田は脚本を読んだ感想を「映画の中で3つの軸をどうまとめられるのかというのはすごく気になって。原作で大切にされていた要素が脚本にもしっかりと反映されていました。完成した作品を迷うことなく見ることができたのは、本当に瀬々監督のお力なんだろうと思います」と複雑な物語を映画としてまとめ上げた瀬々監督の手腕を称えた。
シリアスなシーンも多く描かれるが、撮影現場では笑顔が絶えなかったという。細田は瀬々組の現場を振り返り「基本的に僕の役は、他のキャラクターと比べて背負うものが少なかったこともあり、シリアスな部分を意識したというよりは明るい部分をとことん楽しもうと思って演じました」とコメント。また、初共演となった真珠役の近藤華について「すごく不思議な空気感を纏っている方で、脚本の中では真珠は“ビー玉の目”と表現されていたのですが、近藤さんの目がまさにそれでした」というと、瀬々監督は「オーディションでは、良太に『気持ち悪かった』と言い放つシーンを演じてもらったのですが、迫力がものすごくて、それが決め手になりました」とオーディションでの印象的なエピソードを明かした。
役作りの話題になると、細田は、松坂桃李と同一人物を演じるという点でどのくらい意識すべきか瀬々監督に相談したといい、「瀬々監督に笑いながら『できるの!?』と言われて(笑)。ホクロだけ合わせました(笑)」と会場の笑いを誘った。
観客とのQ&Aでは、山﨑七海をキャスティングした決め手についての質問に「『渇水』という映画を観て、とても印象深かったんです。オーディションでも役が乗り移ったように演じてくれる。普通涙のシーンは気持ちの準備がいるのですが、彼女の場合、それができているのかわからなくて。でも撮影が始まると号泣する。年齢的なものもあるのかなと感じました」と瀬々監督が回答した。
瀬々組には8年ぶりの参加となった細田は「前回はドラマだったので、映画でご一緒できるのが嬉しかったですし、気合も入りました。『細田、うまくなったな』と監督に言われたのがめちゃくちゃ嬉しくて忘れられません」と笑顔を見せた。さらに、瀬々監督が「やはり細田くんは好青年。だけど、単なる良い人ではなく、ひねくれている部分があっておもしろい。ジェイク・ギレンホールみたいになって欲しいですね」と期待を込めると、細田は恐縮した様子だった。
細田は「この作品は拾わないといけない声を拾っている作品だと思います。次に映画を見る時は、さらに視野を広げて見ることができると思いますので、公開してからまた足を運んでいただけたら嬉しいです」と締めくくり、瀬々監督は「ラストで2人の少女が叫ぶシーンが描かれます。今、戦争やいろんな問題がありますが、声を上げることが大事。そして、その声を僕たちが聞けるかというのも大切だと思っています」と呼びかけた。映画「未来」は、5月8日より全国公開。
【作品情報】
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