米国の消費者5人が4月30日、パラマウントによるワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)の買収を阻止するため、独占禁止法に基づく訴訟をカリフォルニア連邦地裁に起こしたと、米デッドラインが報じている。問題の核心にあるのは、買収が成立すればCNNがパラマウントの傘下に入り、独立した報道機関がまたひとつ消えるという懸念だ。
買収額は1110億ドル(現在のレートで約17兆4000億円)にのぼる。WBDが擁するのは、「ハリー・ポッター」シリーズ、DCコミックスを原作とする一連の作品、HBOの「ホワイト・ロータス」「ゲーム・オブ・スローンズ」など、現代ハリウッドの主力タイトル群だ。これらが、「ミッションインポッシブル」や「トップガン」を抱えるパラマウントに吸収されることになる。原告らによれば、合併後の市場シェアは23.6%に達し、ディズニーを抜いてハリウッド最大のスタジオが誕生する見通しだという。
原告らがとりわけ問題視するのが、米国を代表する24時間ニュース専門チャンネルCNNがパラマウントの一部に組み込まれる点だ。CNNは長年にわたり、トランプ大統領から「フェイクニュース」と名指しで批判され続けてきた放送局でもある。46ページにおよぶ訴状は、合併によって「全国ニュースにおける視点の多様性」が損なわれると主張し、独立した報道機関の数がさらに減ることへの警戒感をあらわにしている。
訴状はまた、消費者にとっての痛みも具体的に挙げる。合併は「価格の上昇、選択肢の縮小、エンタメおよび報道番組の質と量の低下」を招くという。合併後の上位4社が市場全体の76.3%を握ることになり、寡占はこれまでより10.2ポイント進む計算だ。
これに対しパラマウントの親会社パラマウント・スカイダンスは、合併の意義をこう強調する。
「パラマウントとWBDの統合によって、より強力な競争主体が生まれる。クリエイターや消費者の選択肢を守る存在になる」
トランプ政権はすでにこの合併を承認しており、WBDの株主も4月23日の総会でこれを可決した。だが、カリフォルニアとニューヨーク両州の司法長官は、独占禁止法上の懸念をすでに表明している。今回の訴訟は、ワーナーとの合併だけにとどまらない。原告らは、パラマウントによる先のスカイダンス買収についても合わせて異議を申し立てている。
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Photo by Anna Barclay/Getty Images