5月5日(火) 23:00
国民年金と厚生年金の給付額は、賃金や物価の変動を指標として毎年度見直しが行われます。厚生労働省の発表によると、令和8年度の年金額は国民年金(1人分、満額)が月額7万608円で前年度比1.9パーセント(プラス1300円)の引き上げ、厚生年金(夫婦2人分の標準的な年金額)は月額23万7279円で同2.0パーセント(プラス4495円)の引き上げです。
また年金額と同様、所得が一定基準以下の場合に上乗せされる「年金生活者支援給付金」も改定されます。厚生労働省の「年金生活者支援給付金制度について」に、「給付額は、毎年度、物価の変動による改定があります。」と明記されており、年度初めは公的な仕組みが変化する時期といえます。
令和8年度の「年金生活者支援給付金」の基準額は、前年度比3.2パーセントの増額改定となりました。給付金は受給する年金に応じ、以下の3パターンに分かれます。
1.老齢年金生活者支援給付金:基準額5620円
2.障害年金生活者支援給付金:基準額(1級)7025円、基準額(2級)5620円
3.遺族年金生活者支援給付金:基準額5620円
なお、日本年金機構の「令和8年4月分からの年金額等について」にあるとおり、老齢年金生活者支援給付金の実際の給付額は、保険料納付済期間等に応じて算出されるため、基準額と異なるケースがあります。
前提として、配偶者を亡くした場合でも、受け取っている年金の種類によって対象となる給付金は異なります。老齢年金生活者支援給付金は老齢基礎年金の受給者、遺族年金生活者支援給付金は遺族基礎年金の受給者などが対象です。
日本年金機構のWebサイトによると、「老齢年金生活者支援給付金」を受け取るための主な条件は以下の3点です。
・65歳以上で老齢基礎年金を受け取っている
・世帯全員の市区町村民税が非課税である
・前年の年金収入と、そのほかの所得の合計が、基準額以下である
※令和8年9月分までは、昭和31年4月2日以後生まれは90万9000円以下、昭和31年4月1日以前生まれは90万6700円以下
掲題にもある「住民税非課税世帯になったのに給付金が振り込まれない」という場合、注意したいのが判定のタイミングです。
例えば令和7年度の継続審査は、「令和7年9月30日時点」の世帯状況と前年の所得で判定されます。
たとえ「昨年末」に非課税世帯になったとしても、判定日である9月30日時点で世帯の中に課税者がいた場合は、支給の対象外(不該当)となってしまう仕組みです。もし判定日の後に世帯構成が変わり条件を満たした場合には、改めて申請書を提出する必要があります。
また、手元に「不該当通知書」が届く主な理由として、以下の3点が考えられます。
・前年の所得が基準額を超えている
・同じ世帯に住民税を課税されている人がいる
・対象となる年金が全額支給停止になっている
給付金は、請求した月の翌月分から支給が始まります。世帯状況が変わって対象になる可能性がある人は、早めに手続きを行いましょう。
今回は、令和8年度の年金額や「年金生活者支援給付金」の改定内容と、見落としやすい受給要件について解説しました。
給付金については、所得や世帯状況の判定時期によって、非課税世帯でも支給対象外となるケースがあります。年度途中で状況が変化し、新たに給付要件を満たした場合は改めて申請が必要です。
受給漏れを防ぐためにも、ご自身の世帯状況の変化を正しく把握し、該当する可能性がある人は速やかに手続きを行うことをおすすめします。
厚生労働省 令和8年度の年金額改定についてお知らせします 年金額は前年度から国民年金(基礎年金)が 1.9%の引上げ 厚生年金(報酬比例部分)が 2.0%の引上げです
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
日本年金機構 令和8年4月分からの年金額等について
日本年金機構 年金生活者支援給付金の対象となるのはどんな人ですか
日本年金機構 現在、同一世帯の中に市町村民税が課税されている者はいませんが、なぜ不該当となるのですか。(老齢・補足的老齢年金生活者支援給付金)
日本年金機構 「支給金額変更通知書」(または「不該当通知書」)が届きました。なぜですか。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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