5月5日(火) 5:30
厚生労働省はマイナ保険証への移行に際し、従来の健康保険証も使用可能とする併用期間を設けてきました。
・令和6年12月2日:従来の健康保険証の新規発行終了
・令和7年12月1日:発行済みの健康保険証の有効期限満了
なお、マイナ保険証を利用しない人については、加入する医療保険者から資格確認書が交付されます。資格確認書を医療機関の窓口で提示すれば、従来どおり自己負担割合に応じた保険診療を受けられます。
さらに発行済み保険証の有効期限満了による併用期間終了に際し、医療現場の混乱を考慮して、以下の患者に対応する事務連絡を令和7年6月27日に発出しています。
・有効期限切れの健康保険証を引き続き持参してしまう患者
・保険証切り替えで通知された「資格情報のお知らせ」のみを持参する患者
上記の患者に対しては、10割負担ではなく3割等の一定負担割合でレセプト請求を行う暫定的対応でも差し支えないとの考えです。こうして令和8年3月末までは、従来の健康保険証も使用可能とする暫定措置が取られていました。
一方、上野厚生労働大臣は令和8年3月19日の会見で、円滑な受診を担保するため暫定措置を延長したい旨の発言をしています。これにより事務連絡が再度発出され、従来の健康保険証を使用できる暫定措置が令和8年7月末まで継続されることになりました。
つまり、掲題のように「紙の保険証」をいまだに見かける理由は、期限切れの健康保険証を持参した場合の暫定対応が4ヶ月間延長されたためです。
上野厚生労働大臣の会見において、マイナ保険証の利用状況に関して以下の情報が公開されました。
・利用率:約64パーセント(令和8年1月時点)
・登録者数:約9132万人(マイナンバーカード保有者の9割)
政府の方針では、暫定措置について7月末の期限を更に延長する考えはないとしています。一方で、引き続き丁寧に周知を図りながら、より多くのマイナ保険証利用を促進する取組を着実に進めていく考えも述べました。
しかし、利用率の実態は一部の団体から「発表された割合よりも低い」との指摘もあり、政府統計と乖離している可能性もあります。
とはいえ、紙の保険証を廃止し、マイナ保険証を基本とする仕組みに移行するという政府の方針自体は変わりありませんので、今後の延長有無については注視が必要でしょう。
マイナ保険証の利用による、主なメリットは以下の4つです。
・医療情報の共有
受診時に本人の同意を前提として、過去の診療情報や薬剤情報などが医療機関間で共有され、より適切な医療につながる
・高額療養費制度の手続き簡略化
限度額適用認定証がなくても、自己負担限度額を超える支払いが不要となり、窓口負担が軽減される
・手続きの簡素化
転職や引越しに伴う保険証の切り替え時でも、利用登録をやり直す必要がなく、手続きの負担が軽減される
・医療費控除の効率化
マイナポータルと連携することで医療費データを取得でき、確定申告時の医療費控除の手続きが効率化される
前記の暫定措置延長も現時点では一時的なものに過ぎない以上、受診時に困らないよう、マイナ保険証または資格確認書による受診方法を確認しておく必要があるでしょう。
発行済み保険証の有効期限満了による併用期間終了に際し、医療現場の混乱を考慮して、期限切れの健康保険証を持参した場合の暫定措置が設けられています。
その暫定措置も令和8年7月末で終わる予定であり、その後は期限切れの従来の健康保険証を持参しても従来どおりの窓口負担で受診できるとは限らなくなります。マイナ保険証を利用しない場合は資格確認書で受診する方法もあるため、自分の受診方法を早めに確認しておくことが大切です。
デジタル庁 よくある質問:マイナンバーカードの健康保険証利用について
厚生労働省関東信越厚生局 健康保険証の有効期限切れに伴う暫定的な取扱いに関する疑義解釈資料の送付について
厚生労働省 上野大臣会見概要(令和8年3月19日(木)9:38~9:42 院内大臣室前)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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