<死亡遊戯で飯を食う。>女の子たちの“散り際”を徹底的に描く漫画…逆に「直接見せない表現」に挑むアニメに作者も注目【インタビュー後編】

『死亡遊戯で飯を食う。』より/(C)Banzai Kotobuki Daienkai (C)Yushi Ukai

<死亡遊戯で飯を食う。>女の子たちの“散り際”を徹底的に描く漫画…逆に「直接見せない表現」に挑むアニメに作者も注目【インタビュー後編】

5月4日(月) 18:10

『死亡遊戯で飯を食う。』より
【漫画】本エピソードを読む

エンタメ好きとしてチェックしておきたい旬なマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、WEB漫画サイト「カドコミ」の最新情報や世間的に注目を集めている作品トピックスを発信する「カドコミュ」のスペシャル出張版として、前回に続き、1月からTVアニメが放送され、劇場上映も決定した『死亡遊戯で飯を食う。』のコミカライズ漫画家 万歳寿大宴会先生にインタビュー。アニメ化の特異な演出から話題を呼んでいる本作に関し、先だって漫画化を果たしている同氏がアニメに感じていること、同作品を執筆中に死にゆく美少女たちに何を思っているのか、そもそも同氏の「初恋アニメ」って何なのか…など、根掘り葉掘り聞かせていただいたので、是非最後までお付き合いください。

ちなみにまだ本作品を全く知らない方々に、「死亡遊戯で飯を食う。」とは…


■原作小説『死亡遊戯で飯を食う。』
「このライトノベルがすごい!2024」新作1位獲得!

――あそびましょう、命をかけて。
美少女達のデスゲーム最前線、開幕!!

プレイヤーネーム、幽鬼《ユウキ》。17歳。
選んだ居場所は、殺人ゲーム。
メイド服を着て死の館から脱出を図ったり、
バニーガール姿でほかのプレイヤーと殺し合ったり、
そんなことをして得た賞金で生活する日々。
なんとなく、でも、“ここ”に決めた。

めくるめく死線を切り抜けて、前人未踏の「99連勝」を目指せ。
美少女×コスプレ×デスゲーム、話題騒然のコミカライズ!!

(カドコミより)

という、参加者=美少女オンリーで、とんでもないデスゲームが続いていく、美しくも残酷すぎる物語。

高額報酬を目指し、1ゲームを勝つために傷つき、絶望し、死んでいく美少女たち…。「このゲームの目玉は(中略)人が死ぬところ」と言われるほど激烈ハードな世界で、99連勝を目指す主人公・幽鬼の肝の据わりまくった攻略姿勢と、その周囲で散っていく美女たちの命に、不思議とセンチメンタリズムを搔き立てられるという…そんな作品です。

では、インタビューを再開させていただきます。

■カートゥーン調アニメに影響を受けた、キャラクターの死への向き合い方
――万歳寿先生、現在コミックスが刊行されている「ゴールデンバス」編まででの思い入れのあるキャラクターも聞いてみていいですか?「この娘、死んでほしくなかったな…」とかありません?

万歳寿先生:「死んでほしくない」はあんまり思ったことないですね。

――ドライ!

万歳寿先生:いや…なんか…別にそれは…私の死生観の問題ですかね。生きていることと死んでいることの違いをあまり分かっていないからだと思います。

――なるほど…それは確かに「死亡遊戯」を描くにはベストなスタンスかもしれない。僕なんて、まだ最初の「ゴーストハウス編」の最後に切り捨てられて死んだ金子ちゃんがかわいそう過ぎた…って引きずってますから。
※【漫画5話より】「ゴーストハウス編」で描かれた金子の最期

――では、ちょっと、ここで話がそれるんですけど、万歳寿先生の人生において、一番心に残っている漫画・アニメキャラの「死にシーン」って聞いてみてもいいですか?

万歳寿先生:アニメ「Fate/stay night [Unlimited Blade Works]」19話の「自害しろ、ランサー」のシーンですね。

――それまでカッコよかった英霊・クーフーリン(ランサー)が、口論してる中でいきなり令呪(英霊はこれを拒否できない)の命令で強制自〇させられる所ですね。本人も驚いて、目をかっぴろげながら自分の胸を槍で突かされるという……

万歳寿先生:だいぶ人の心無いですよね!かわいそうなんですけど、何回も観てしまいます。

――だいぶ人でなしなシーンですからね。でも、この話を聞いてみて…それが今先生が描いている「死亡遊戯」の死にシーンに影響があるかというと…何か、違う?

万歳寿先生:『Fate』はそれほど影響はないと思います。ただ印象的で覚えているシーンですね。影響でいうと、『サウスパーク』や『ハッピーツリーフレンズ』みたいなカートゥーン調のアニメの死とか負傷の表現に影響は受けているかもしれません。死んでも次の話では生き返っていたりとか、見た目が可愛いキャラクターでもばっちり臓器が出てきたり、めちゃくちゃケガするみたいな。

■主人公の幽鬼はタフで凄すぎ!
――ちょっと話を変えたいんですが、今のところ万歳寿先生が執筆している漫画「死亡遊戯」は原作3巻分の内容に突入したばかりで、TVアニメも原作2巻までの内容でしたが、ここまで描いてきて「一番うまく描けたかな」みたいに思ってるキャラっていたりしますか?

万歳寿先生:それでいうと御城(「スクラップビル」編、「ゴールデンバス」編に登場するお嬢様)ですかね。御城は怒りの感情がいっぱい出るし。出番も多かった分、深掘れたキャラだったから。

――お気に入りのシーンとかありますか?

万歳寿先生:コミックス4巻の冒頭(「スクラップビル」編)の幽鬼が御城のことを煽るシーンとかは、御城は怒ってるし、幽鬼は嬉しそうだし、描いていて楽しかったです。このやりとりの後に、逆上した御城に「かわいいな」ってなる幽鬼は、なるべく気持ち悪い笑顔を目指して描きました。
※【漫画19話より】御城を煽りまくった結果、幽鬼の意外なツボを見せつけられることになったシーン

――幽鬼ってめちゃくちゃ共感できる主人公って感じではなく、タフ過ぎるし、話が進むたびに「こういう人なのか…」って飲み込ませられる感じの…不思議キャラっぽいところありますよね。ちなみに、ここまでキャラの話をしてきましたが、万歳寿先生的に「死亡遊戯」のこのゲームはエグいな…って思ったモノがあったら、その話も聴きたいんですが…

万歳寿先生:ゲームがっていうわけじゃないんですが…まだ漫画が辿り着けていない原作4巻から5巻にかけて、ネタバレになるので詳しくは言えないのですが、幽鬼が受けた身体的ダメージをどう克服するか…っていうエピソードが描かれているんです。それが自分の中で「エゲつないな…」って思った一番強烈なエピソードですね。で、それでもゲームを続ける幽鬼がまた凄いという。自分がもしそうなったら、仕事に差し障るし大分ショックを受けそうです。

■漫画ではキャラの死に様をガチ描写。アニメ「死亡遊戯で飯を食う。」は超トリッキー
――では、そろそろ現在放送中のアニメを万歳寿先生がどう見ているかという話を聞かせていただければと思います。コミックスとアニメでは原作とのアプローチがめちゃくちゃ違っていますよね。ストーリーは同じなんですが、真正面から漫画として起こしている&その表情をしっかり描写しているコミックスと、びっくりするくらいキャラの表情描写を省いていて、ある種マネキンっぽい絵作りとその表現の配分をトリッキーなカメラワークと声優さんの演技仕事に委ねている印象のあるアニメ…。それが、お洒落なアニメだとも思っているんですが、万歳寿先生が観たときの感想ってどんな感じだったんですか?

万歳寿先生:そうですね、アニメがやろうとしていることは凄い高度ですよね。あまり表情を描かずに「想像して欲しい」って感じで進めるという。小説や漫画は能動的なコンテンツで、アニメは受動的なコンテンツだと思いますが、受動的なコンテンツでそういったアプローチをするのが挑戦的だと思いました。

――アニメはめちゃくちゃトリッキーですよね。まず最初に映像見たときって…正直びっくりしました?

万歳寿先生:びっくりはしていないですけど、引きの絵が多いなという印象でした。

――漫画とはアプローチが違いますよね。

万歳寿先生:はい。漫画だとずっと引きの絵は難しいので、漫画ではできない表現をしているなと思いました。本気で作ってらっしゃる作品だから話題になってるんだなって思うので、素晴らしいと思います。あと、そういった演出ゆえに声優さんがすごい頑張ってらっしゃる。そんな声優さん方をめっちゃ応援したくなりますね。

――アフレコ現場に見学に行ったりしたんですか?

万歳寿先生:はい。第1話のアフレコだけ拝見させていただいたんですけど、セリフが少ないキャラも多い中で、皆さんしっかり台詞一つ一つに思いを込めて演技されていて。で、その中で声優さんたちと音響監督さんがすごい熱量で話し合われていたんです。それが各声優さんが原作と台本を読んで予想してきた方向性とは違ったりする時もあったと思うんですけど、でもそれに声優さんは真摯に応えてたんですよね。声優さんは凄いと思いました。めちゃくちゃ応援してます!

――原作ではキャラの死にシーンってどっぷり描かれてるんですけど、アニメでは、キャラによってはエヴァンゲリオンで加持さんが死ぬシーンみたいに音だけでスマートに終わったりとかするじゃないですか。漫画ではそこら辺を詳細に描いていると思うんですが、そこは大きな違いですよね。

万歳寿先生:そうですね。確かに智恵(「スクラップビル」編で死亡)が死ぬところとかは、原作小説と漫画にはあって、アニメにはないシーンです。直接的に見せずに語っているからアニメは凄いなと思いました。
※【漫画21話より】アニメでは描かれなかった智恵の最後

――アニメと漫画、それぞれ異なるアプローチなので、アニメを観た後でもまた違った風に漫画も楽しめそうですね。

万歳寿先生:そうですね、何よりキャラクターたちをみんなめっちゃ可愛く描いたので、是非漫画版も見てもらえたら嬉しいです。

■【アニメ好きおまけ雑談1】:初恋アニメは「さよなら絶望先生」
――で、ここから雑談なんですが…今回アニメ放送タイミングということで万歳寿先生が人生で初めて本気でハマった「初恋アニメ」について聞ければなと思うんですけど、お願いできますか?

万歳寿先生:はい。取材依頼書に「初恋アニメ」と「初恋美女キャラ」も書いてあったので分けて考えてきたんですけど…どうしましょう。

――どっちも聞きたいです。

万歳寿先生:「初恋アニメ」でいうと…「さよなら絶望先生」がすごい好きですね。

――久米田康治先生ですね。

万歳寿先生:久米田先生大好きです。漫画もアニメもすごくいい!

――結構トリッキーなアニメでしたよね。漫画もですけど。

万歳寿先生:そうですね。他にも「少女 歌劇 レヴュースタァライト」とか、幾原邦彦監督(「少女革命ウテナ」ほか)とか、今敏監督(映画「パプリカ」ほか)とか…あと湯浅政明監督(「四畳半神話大系」ほか)とか凄い好きなんですけど、全部トリッキーかも。

――ちなみに「絶望先生」を最初に挙げたのにはどんな思い出が?

万歳寿先生:思い出か…自我が芽生えた時に凄くはまったアニメだったので。「絶望先生」は既存のアニメにはない新体験がいっぱいあったんです。音楽も気合いが入っているし、映像も美しいですよね。テンポが良くて、めっちゃ喋ってて小気味が良いです。

――ほうほう。

万歳寿先生:登場人物全員曲者みたいな感じが凄く好きでした。服飾まわりもとてもおしゃれですよね。

――これはあれですかね。やっぱ思春期の頃に見て、「あ、このアニメはイケてるわ」って刺さった感じですかね。

万歳寿先生:そうですね。

――ちなみに、絶望先生で好きなキャラ聞いてもいいですか?

万歳寿先生:特別推しがいるわけじゃないんですけど、糸色先生が忙しく喋ってるのが面白いので、そこが好きかもしれないです。あとは木村カエレさんがすぐ訴訟を起こそうとするので過激で好きでした。

――なるほど。

万歳寿先生:初めてハマった漫画は「ギャグ漫画日和」なんですけど、アニメは「絶望先生」かなって思って。どちらもテンポが良いのが共通点ですかね?

■【アニメ好きおまけ雑談2】:初恋美少女キャラは大道寺知世(カードキャプターさくら)、セーラージュピター、うっちゃん(らんま1/2)の3人
――ありがとうございます。で、さらに「初恋美少女キャラ」もお聞かせ願えると?

万歳寿先生:この話は3人いるんですけど…いいですか?

――GO!GO!で。

万歳寿先生:幼稚園時代に全部再放送で出会ったキャラなんですけど、3人いまして…大道寺知世(「カードキャプターさくら」)さんと、木野まこと(=セーラージュピター。「セーラームーン」)さんと、久遠寺右京(=うっちゃん。「らんま1/2」)さん。この3人が幼少期の自分に激刺さった女性ですね。今でも大好きです。

――3人のどこが刺さったのか聴いていいですか?

万歳寿先生:ちょっと共通点がたくさんは見いだせないんですけど、全員好きな相手がいますね。

――僕は少年時代にうっちゃんにはハマりかけましたよ。最強の幼馴染だって。

万歳寿先生:ですよね。ジュピターとうっちゃんは戦っててカッコいいんですよね…。知世ちゃんは戦闘には参加しないですけど。

――戦う女子、好きなんですか?

万歳寿先生:そうかもですね。「Fate」の女子キャラクターも強い子ばかりで安心できます。好きだし…でも、それでいうと知世ちゃんはなんなのでしょうね?めちゃくちゃ好きで、可愛くて、曲者なんですけど…

――でも、何か頼りになりそうなキャラでくくれそうな気もしますけどね。

万歳寿先生:とにかく3人とも「可愛い」で収められればと思います。

――楽しいお話をありがとうございました!アニメからも繋がるであろう「クラウディビーチ」編も楽しみに読ませていただきます。



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