高橋一生“十数年演じていなかった役”とどう向き合った?【「ラプソディ・ラプソディ」インタビュー】

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高橋一生“十数年演じていなかった役”とどう向き合った?【「ラプソディ・ラプソディ」インタビュー】

5月1日(金) 9:00

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「クロエ」「さよならドビュッシー」などの映画監督作を発表してきた俳優の利重剛が13年ぶりに長編映画のメガホンをとり、主演に高橋一生を迎えて撮りあげた人間ドラマ「ラプソディ・ラプソディ」が、本日5月1日に公開を迎えた。

映画.comでは、主演・高橋のオフィシャルインタビューを入手。オファーに対する思いや、役への特殊なアプローチ、そして全編ロケ地となった横浜の街が作品に与えたファンタジー感などについて語っている。

【動画】「ラプソディ・ラプソディ」予告編

【「ラプソディ・ラプソディ」あらすじ・概要】

人付き合いを避けながら生きてきた男性が、いつの間にか知らない女性に籍を入れられていたことをきっかけに、人生が思わぬ方向へ動き出す様子をユーモラスに描く。

少し天然で絶対に怒らない男・夏野幹夫(高橋)は、パスポート更新のため戸籍謄本を取得するが、そこに全く身に覚えのない「続柄:妻」の文字を見て驚く。「繁子」という女性が自分と勝手に籍を入れていたことを知った幹夫は、正体不明の彼女を探しはじめる。やがて、街角の小さな花屋で繁子を発見するが、彼女は触れるものすべてを壊してしまう、型破りな女性だった。そんな繁子に振り回される幹夫だったが、奇妙な出会いはいつしかふたりの人生に思いがけない変化をもたらしていく。

●挑んだのは“十数年ほど演じていなかった役”

――利重剛監督が13年ぶりにメガホンをとり、自身のルーツである横浜を舞台に描き出した映画「ラプソディ・ラプソディ」。オファーを受けた時、そして、脚本を読んだ時の感想をお聞かせください。

利重さんは元々俳優としても監督としても尊敬していた方で、作品は僕が中高生くらいの頃から見ていました。久々の監督作で、まさか自分に声をかけていただけるとは思ってもいなかったので、とても光栄に思いました。脚本を読むととても人情味あふれるコミカルなストーリーで、利重さんがこれまで撮られてきた作品とはまた違った印象を受けたのを覚えています。

ただ、幹夫のような、周囲と少し距離を置いて生きて来たようなキャラクターをここ十数年ほど演じていなかったので、「今の僕の年齢で大丈夫だろうか?」という懸念はありました。そのことは監督にも正直にお伝えしたのですが、尊敬する利重さんが僕にならできると思ってオファーしてくださったということだと思ったので、お受けさせていただきました。

●“絶対に怒らない”幹夫役カットがかかる度に「大丈夫かな?」「助けてあげたいな」と心配になった

――高橋さん演じる夏野幹夫は、穏やかで優しい性格ながら、過去のトラウマから“絶対に怒らない”ことを決め、人と深く関わることを避けてきた人物です。演じられていかがでしたか。

幹夫というキャラクターが面白いのは、“自分”を押し殺せば、周りとうまくやっていけるだろうと勘違いしているところなんです。でもやっぱり人と関わっていくためには、少なからず自分自身の本質的な部分と向き合わなくてはいけません。これがもし20代の役だったら周りが手を差し伸べてくれたかもしれないですが、幹夫はもう大人なので、カットがかかる度に「幹夫くん、大丈夫かな?」「助けてあげたいな」と心配になってしまい、監督とも相談する時間が多かったような気がします。

そう感じるということは僕が上から目線で幹夫を見てしまっていることになるので、彼に少しずつ寄り添うためにアプローチの仕方を探っていきました。いつもだったら「そういう生き方もあるよね」と役を受け入れることが多いのですが、そういう意味で今回は割と特殊な現場だったのかもしれません。

●破天荒で衝動的なヒロインの受け止め方

――ある日、住民票に身に覚えのない「続柄:妻」の文字を見つけるという、衝撃的な展開から物語は動き出します。この「身に覚えのない結婚」を起点に始まる物語、そして呉城久美さん演じる破天荒で衝動的なヒロイン・繁子というキャラクターをどう受け止められましたか。

もし僕が幹夫の立場だったとしても、「なぜ見ず知らずの他人と結婚するという判断に至ってしまったんだろう?」「どんな人なんだろう?」と、気になって相手を捜してしまうと思うので、そこは幹夫の行動に共感しました。幹夫はたまたま近くで見つかったから良かったですが、遠くにいる人かもしれないですし…本当にそんなことが起きたら人を雇って捜してもらうしかないでしょうね(笑)。でも幹夫は、結婚をきっかけに誰かを知るという経験をしない限りは、多分一生一人だったと思うので、天の采配だったのかもしれません。

繁子は家族から蔑ろにされながら生きてきて、感情のコントロールの仕方が分からずに暴走してしまった人。それに対して、幹夫の周りにいる人たちはとても優しいですが、二人とも自分の本質に蓋をしてしまった人間という意味では似た者同士なのだと思います。そんな二人が出会ったことによって、幹夫は繁子に、繁子は幹夫に自分を投影していく。人付き合いを通して感情が発露したことによって、本当の意味で自分と向き合うことができた。本作はそれをドラマチックな成長譚としてではなく、淡々とした日常の中で何かが少しずつ変わっていくように描いているのが利重さんらしさなのかなと思いました。

●全編横浜ロケの感想は?「日本なのに日本ではないような独特な雰囲気の街」

――本作は横浜市中区の全面協力のもと、全編横浜ロケで行われました。劇中には実在のレストランや花屋も登場しますが、撮影を通して感じた街の印象はいかがでしたか。

横浜は異国の香りがしつつどこか雑多でメルヘンチック、日本なのに日本ではないような独特な雰囲気の街だと思います。横浜で撮影することは多いのですが、全編横浜ロケというのは特殊な体験でした。赤レンガの異国情緒溢れる建物は東京駅や日本橋のあたりに少し残っていますが、横浜には今も整然と並んでいる。これだけ地震の多い国で、あの光景が残っているのは文化保護の観点から見ても素晴らしいことだと思いましたし、ある意味遺跡のような場所をロケ地として使わせて頂くわけですから、寓話感というか、ファンタジーっぽさが良い方向に出ていたら嬉しいなと思います。

【作品情報】
ラプソディ・ラプソディ

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(C)2026 利重剛
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