5月1日(金) 5:00
日本銀行の金融政策決定会合では、景気や物価の動きを踏まえながら政策金利の見直しが行われており、これまで長く続いてきた低金利政策からの転換として、段階的な引き上げが進められてきました。
そうした中、2025年12月時点で政策金利は「0.75%程度」まで引き上げられています。この動きは、賃金や物価が緩やかに上昇する環境を背景に、金融緩和の度合いを調整する正常化の一環といえるでしょう。
政策金利の上昇は、金融機関が設定する短期プライムレートなどの市中金利に影響を及ぼすこともあります。
特に住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートに連動する仕組みが採用されることが多いため、政策金利の変化が将来的な借入金利に反映される場合があります。つまり、今回の引き上げは家計にも徐々に影響が及ぶ可能性があるため、今後の動向に注意が必要です。
政策金利の引き上げを受けて、一部の金融機関では住宅ローンの変動金利を見直す動きが出ています。例えば、三菱UFJ銀行では、基準となる短期プライムレートの変動に応じて、2026年4月から住宅ローン金利の引き上げが実施されました。変動金利は市場金利に連動するため、政策金利の上昇が徐々に反映される形になります。
住宅ローンの金利は、「基準金利-優遇幅」で決まるのが一般的で、固定金利特約がない限り、基準金利が上昇すれば適用金利も連動して上がります。ただし、金利が見直されても毎月の返済額にすぐ反映されるとは限りません。見直しの時期や反映は金融機関ごとに異なるため、自身の契約内容を確認しておきましょう。
多くの変動金利型住宅ローンでは、金融機関によっても異なりますが、「5年ルール」が採用されている場合が多く、返済額は原則5年ごとに見直される仕組みです。そのため、金利が上がっても一定期間は返済額が据え置かれるケースが一般的です。
ただし、その間は利息の割合が増え、元本の返済の進み方が遅くなる点に注意しましょう。また、「125%ルール」により、見直し時の返済額は前回の1.25倍までに抑えられる仕組みもあります。
掲題の「残高3000万円・残り30年」で、金利が年0.5%から0.75%に上昇した場合、月々の利息は1万2500円から1万8750円に増加します。
条件により変動しますが、単純計算で総返済額に約225万円の差が生じるという数字が見えてきます。前記のようなルールがあるため、「いきなり返済額が大幅に増える」ケースはまれですが、長期的には支払い総額が増える点は意識しておきましょう。
また、ルールはすべての住宅ローンに適用されるわけではないため、契約内容の確認が重要です。
政策金利の引き上げにより、住宅ローンの変動金利も連動して上がる可能性が高まってきました。5年ルールや125%ルールの存在により、返済額が急に大きく増えるケースは多くないでしょう。
ただし、長期的には利息が増加し、総返済額が膨らむ可能性はあるため注意が必要です。今後の金利動向を見据えつつ、自身の契約内容を確認し、早めに備えておくことが重要といえるでしょう。
日本銀行 政策委員会 金融政策決定会合 議事要旨
一般財団法人住宅金融普及協会 住宅ローンの金利情報
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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