4月30日(木) 4:00
たとえ相続財産を分割し終わったあとでも、新たにタンス預金をはじめとする別の財産が見つかった場合には相続財産を計算しなおす必要があります。
国税庁によると、亡くなった本人の財産とみなされるのは「現金、預貯金、有価証券、宝石、土地、家屋などのほか貸付金、特許権、著作権など金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのもの」のためです。
さらに、新たに見つかった相続財産を加算した結果、相続税の課税対象となる場合は、申告と納付が必要になります。
相続税の課税対象となるのは、相続した財産の合計が基礎控除額の「3000万円+600万円×法定相続人数」を超えている場合です。例えば、法定相続人数が1人だった場合は3600万円、2人の場合は4200万円が基礎控除額になります。
申告が必要な財産を相続したのにもかかわらず申告しないままでいると、延滞税や加算税が課される可能性があります。
法定相続人とは、法律で定められている相続人のことを指します。国税庁によると、相続人の範囲や順位は次のように定められています。なお、配偶者は常に相続人となるため、相続順位は影響しません。
配偶者:常に相続人
1位:亡くなった本人の子ども
2位:亡くなった本人の直系尊属(両親や祖父母など)
3位:亡くなった本人の兄弟姉妹
例えば、亡くなった本人に配偶者と子どもが1人いた場合、法定相続人数は2人になります。
今回は、次の条件で相続税が課された場合の税額を計算しましょう。
・当初見つかった相続財産は3000万円
・その後、800万円のタンス預金が見つかる
・法定相続人は子ども1人のみ
・遺言や遺贈でほかに財産を受け取った人はいない
・相続財産として加算される贈与はない
まず、法定相続人数は1人のため、基礎控除額は3600万円になります。最初の相続財産の金額は3000万円のため、相続税はかかりません。
しかし、あとから見つかった金額を足すと3800万円になり、基礎控除額よりも多くなります。そのため、相続税の課税対象です。この場合、基礎控除額を超過した200万円に対して税金が課されます。
国税庁によると、課税対象が200万円のとき、税率は10%のため、申告・納付すべき相続税額は20万円です。
相続財産を何度も確認するのは手間がかかるでしょう。さらに、申告漏れがあると追加の税負担が生じる可能性もあります。そのため、最初に相続財産を調べる際に、しっかりとすべての相続財産を確認しておくことが大切です。
チェックしておきたい財産項目の例としては、次の通りです。
・タンス預金
・預貯金
・不動産
・投資
・借金
・生命保険
タンス預金以外は、預金通帳の履歴や契約書など、必要な書類があれば分かるケースが多いです。タンス預金を探す際は、遺言書に場所が書かれていないかを確認しましょう。書かれていない場合は、キッチンや押し入れなど、保管していそうな場所を探します。
自力で調べることも不可能ではないですが、相続人が複数いるなど、相続財産の内容によってはトラブルにつながりそうなときは、専門家に相談することも検討しましょう。
相続税は、原則として基礎控除額よりも相続財産の合計が多い場合に課される税金です。そのため、最初は基礎控除額以内であっても、タンス預金を足すことで基礎控除額を超える場合には税金の申告と納付をしましょう。
基礎控除額は法定相続人数によって変わるため、計算時に間違えないよう注意が必要です。
あとから手続きの手間が増えるのを防ぐために、最初に相続した時点でほかに相続財産がないかをよく確認しておきましょう。
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4105 相続税がかかる財産
国税庁 パンフレット「暮らしの税情報」(令和7年度版) 財産を相続したとき
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4132 相続人の範囲と法定相続分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
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