ピクサー・アニメーション・スタジオの創業期から作品づくりを支えてきたアンドリュー・スタントン監督が、最新作「トイ・ストーリー5」が自身がピクサーで監督する最後の作品になる可能性が高いと、米エンターテインメント・ウィークリーの特集インタビューで明かした。
スタントン監督は1990年にピクサーに入社した、創業期からの中心メンバーのひとりだ。1995年公開の初代「トイ・ストーリー」では脚本家4人のうちのひとりとしてアカデミー賞候補となり、その後は監督として「ファインディング・ニモ」「ファインディング・ドリー」「ウォーリー」を世に送り出してきた。「トイ・ストーリー」シリーズには裏方として全作に関わってきたが、自身がメガホンをとるのは今回が初めてとなる。
「トイ・ストーリー5」では、スマートフォンやタブレットといったハイテク機器におもちゃの居場所が奪われていく現代が描かれる。30年分の時の流れを、シリーズが今度はハイテクと向き合う形で受け止める格好だ。ウッディ役のトム・ハンクスは当初、前作「トイ・ストーリー4」がシリーズの完璧な終着点だと感じていたが、スタントン監督の構想を聞いて納得したと振り返る。
シリーズ初監督となった「トイ・ストーリー5」が、スタントンにとってピクサー監督業の終着点にもなりそうだ。スタントン監督は現在60歳。ピクサー作品を1本仕上げるには約4年がかかり、そのあいだにも世のなかは大きく動いていく。スタントン監督はそれを「岩の時間」と呼ぶ。岩はそこに置かれたまま動かないが、まわりでは街が興亡し、森が伐られて再び育つほどの年月が流れていく。アニメ業界で長く働くとは、この「岩の時間」のなかに身を置き続けることだ、と本人は言う。
「次の4年が経てば、自分は70歳近い。もう一本ぶん『岩の時間』に身を沈めるのではなく、1日、1週間、1カ月を味わい尽くす本物の時間に戻りたい」
ただし「『ファインディング・ドリー』のときも『これが最後だ』と思ったので、絶対とは言いきれない」と含みも残している。
監督業から退いてもピクサーのクリエイティブ部門の責任者として後進の指導は続けるつもりだという。
長年シリーズに寄り添ってきたハンクスも、引退について理解を示している。
「これだけの作品をまとめあげ続けるには、時間というより、創作のエネルギーがそうとう削られていく。気持ちはよくわかるよ」
「トイ・ストーリー5」は、7月3日より全国公開。
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トイ・ストーリー5
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Photo by Matt Winkelmeyer/Getty Images for WIRED